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崖のふちに記す奮闘記

 え、ピンチですか?

◆ ◆ ◆
 仕事においての一番のピンチを、ご存知だろうか。
 大小さまざまな仕事のミスをしてきた僕がいえるのは、「仕事の結果が原因で、望んで入った今の部署を飛ばされそうになること」である。
 前職では、営業で入って約半年、直属の上司に地方の工場勤務に飛ばされそうになったことがある。神経に火がついたようなひりついた感覚があった。
 さて、ベトナムで営業して半年。今の僕になにが起きているのだろうか。
 今週、ベトナム人女上司と現地日本人社長に呼び出され、今の評価の話をされた。

◆ ◆ ◆
 9項目を4つの段階で評価をされた評価シートをわたされた。一番下の評価が5項目。
 語彙力が枯れて、「ヤバい」のひと言に感情が集約される。
 現地社長は丁寧に現状を説明してくれる。わかりやすくほぐされたことばを簡単にいってしまえば「君、ヤバいよ」ということだった。
「もしこのままだったら、今の部署を考え直さなくちゃいけない」ということばが、ふたたび僕を射抜いた。
 しかし、前職ですでに耐性をつけていた僕は、もう震えることはなかった。
 面談が終わり、自分の机にもどる。震えることはなくても、現状はちゃんと理解していた。
 大ピンチである。

◆ ◆ ◆
 そもそも、ベトナムに来たというのに、ベトナム人の同僚と仕事の会話をさえさけていたのが原因である。力士になったのに、あんまりごはんを食べないようなものだ。
「だって、こわいじゃん」というのが僕のいいわけだが、もういいわけができる段階ではなくなってしまった。
 日本に帰りたい気持ちはあるが、この帰り方は僕の本望ではない。ならば、やらなくちゃいけないことはすでに決まっている。

◆ ◆ ◆
 人生は、平坦な道ではない。
 僕は、いろんなタイミングでそのことを思い出す。

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