ドMのための、払い戻しのできない片道切符・・・New York留学準備・・・7

旅行会社に入店してからで2時間、ついにNew York行きの片道切符を購入した。払い戻しや変更ができないため、もう後戻りはできない。
1番の拘りだった、両国での還暦Happy Birthday to meはできなくなってしまい、残念無念ではあったが、それでも先へ進めたことは喜ばしいことで、嬉しさがこみあげてきて、よしっ!と気合が入った。

旅行会社を出て、青信号になった横断歩道を渡り、目の前のデパートに入る。嬉しさに血迷い、地下でNew Yorkと名前が付いたお菓子を衝動買いした。

名前だけNY

高揚感に浸りながら帰宅し、さっそく航空会社の口コミを見たら、一気に不安が襲ってきた。不評コメントがあまりに多かったからだ。
大量不評コメントの中に、ポツン、ポツンと高評価コメントが埋もれていた。
日本では考えられない理不尽な対応や、納得できないトラブルの詳細が、切々と綴られていた。不平不満や文句、そして「2度と利用しない・したくない」の文言も大量だった。ますます不安になる。
乗り継ぎはうまくできるだろうか、もしトラブルが起きて11月18日にNew Yorkに着かなかったら、荷物が私と一緒に着かなかったら、荷物が行方不明になってしまったら、大きなトラブルがあったら、ああだったら、こうだったらどうしようと、次々に不安材料が浮かんでくる。

よく知りもしない航空会社に、値段だけで決めてしまったことに、少々後悔した。
第一希望A社の往復290,000円を購入して復路に乗らなければよかったのかも、清水の舞台から飛び降りるつもりで第二希望B社の353,430円が安心だったかも、もっとよく考えればよかったかも……。旅行会社を出直して、別スタッフだったらよかったかも、かもかもかも……。

ああでもない、こうでもないと不安と後悔が私の中で渦巻く。
けれど、心配事の9割は実際には起きないと聞いたことがあるし、百聞は一見に如かず、まだ起きてもいない不安な出来事に気をもんでも仕方がない。

機内食がショボくて不味かろうが、CAの態度が雑で悪かろうが、何の連絡もなく出発時間が前倒しになって乗り損なっても、そこは自分でサバイバルするしかない。
なぜなら、すでに払い戻しができないチケットを購入したのだから。
支払いも済ませて席も確保したのだから。
すべては自分で決めたことだから。

我ながら自分のドMっぷりに苦笑しながら、
改めて覚悟を決め、腹を括った。

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