#113 やっとのことでBIG BAS乗車・・・ニューヨーク1人旅  2018年11月10日(土)10日目・・・2

New Yorkに来て10日も経っているというのに、宿から3~40分で行けるTimes Square駅に、週末で何やら変更があったようだとは言え、2時間かけて、どうにかこうにか、やっと辿り着いた。
ところが、今までと違う路線で到着したため、初めての改札から出ることになり、当然出口も今までとは全く違っていた。
地上に出ると、確かに雰囲気はTimes Squareなのだが、見覚えのない風景だった。

このあとBIGBAS(観光バス)に乗るので、早くバス乗り場に行きたい。
ところが、人でごった返しており、中々思うように早く進めない。
Times Squareに来るまで、ずいぶん時間を無駄にしているので、その分を取り戻すべく、焦る。
それなのに、偽のディズニーキャラクターの着ぐるみを着た中国人のおばちゃんたちが寄ってきて、馴れ馴れしく肩を組み、一緒に写真を撮ろうと迫ってくる。写真1枚に何千円もぼったくろうという魂胆らしいのだが、冗談じゃない。その手にはのるもんか! 私は早くバスに乗りたい、Manhattanの街をバスで走りたいの! 

無情にも時間はどんどん過ぎていくし、家族かと思うほど、むぎゅーと抱き寄せられて、驚きよりうんざりが先に立ち、苛立つ。
「うっざいなぁーー!!! もうぉーーーっ!!!!!」
思わずTimes Squareの真ん中で、日本語で叫んでしまった。
おばちゃんたちに日本語が通じませんようにと思いながら先を急ぐ。

どんどん進むと観光バスがたくさん止まっていた。
え? バスは1つじゃないんだ……。
このとき初めて、観光バスには何社もあって、いろいろなバスが走っていることを理解した。

事前リサーチで私が乗りたかったのは、BIG BASという赤いバスだ。
けれど、止まっているバスは黄色や青で、BIG BASではなさそうだ。
バスの近くでは、自社バスのウインドブレーカーを着たスタッフがチラシを配っている。
「Where is BIG BAS?」
近くにいるウインドブレーカーを着たスタッフに聞いてみた。
「No」
知らないと言う。何人ものスタッフに聞いてみたが、誰も知らないと言う。当たり前だ。
よく考えたら、他社の観光バスの停留所を、他社のスタッフに聞いているのだから。
今度はポリスに聞いてみると、赤い階段のもっと先を指差した。
そこで、赤階段を越えてさらに進むと、目指す赤いバス発見。さすがポリスだ。頼りになる。ピンクのウインドブレーカーを着たスタッフが数人立っていた。
「Downtown?」
と聞くと、そうだという。
バスはDowntownとUptownのルートがあり、まずはDowntownルートに乗り、再びTimes Squareに戻ってから、今度はUptownルートに乗ろうと計画していた。

よしよしDowntownルートだ。iPhoneに入っていた電子アプリチケットをピッと読み込んでもらい、バスに乗り込んだ。
壁にたくさんの国旗が載っている紙が貼られ、その下の箱には無造作にイヤホンがたくさんあった。よく見ると、なんと日の丸があった。スタッフに、
「Japanese」
と伝えると、そのスタッフは、国旗を見ながら日の丸を見つけ、イヤホンを渡してくれた。受け取ると迷わず屋根のない2階席へ。肌寒い。けれど我慢できないほどの寒さではなく、これからManhattan内のDowntownをバスに乗ってドライブできると思うと、寒さよりもワクワクが勝った。
最前列にはすでに先客が座っていたため、進行方向右側の3列目に座った。

手元を見るといくつか番号があり、その横にイヤホンジャックの差し込み穴があった。日本語が何番かわからないので1から順番に入れていき、音声を聞いていく。8に差すと日本語が流れてきた。わぁ、何だか懐かしい。
宿では毎日日本語で会話をしてはいるのが、Times Squareで日本語を聞くのはNew Yorkに来て初めてだ。

New Yorkの歴史や、どんな街かという紹介の解説が流れていた。
しばらくTimes Squareの空を眺めながら聞いていたのだが、段々寒くなってきた。
この日の服装は、ヒートテック下着にハイネックのセーター、厚手のカーディガンに冬コート、下は厚めのタイツにジーンズ。
日本では暑すぎてまず着ることがない、私にとってはボコボコに着込んだ服装だった。
けれど、出発前にはすでに毛布が欲しくなっていた。
それでも出発して風景を見始めたら、この寒さも気にならないだろうと、
たかをくくっていた。でも、待てども待てどもバスは出発しない。
上から見ていると、チラホラと人が乗ってきて、2階席も4分の1ほど埋まってきた。けれど寒い。いい加減いつ出発するのか聞きに行こうとしたとき、ガイドのおにいさんがやってきて、何やら解説らしきことを始めた。
当然理解できないが、まあいい。これでDowntownの街並みを見ることができるのだ。そして出発の時を待った。 

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