朝方、暑くて目が覚めた。寝ぼけたままボーッとした頭から、段々覚醒し我に返ると、左手が熱い。左手だけが熱い。
え？　どうして？　何？　何なの？　え？　何が起きてるの？　
飛び起きて、左手を置いていたベッドのあたりをまさぐってみると、その辺りだけ掛布団が熱い。
あわてて掛布団をめくってみると、壁から温風が出ていた。ああ～びっくりしたぁ～。暖房かぁ。黙って出ないでよ。びっくりするじゃん。

実は、暑がりの私には暖房などいらなかった。
到着した日も、部屋の天井近くの空気口のようなところから、ゆるぅ～く生温い風が出ており、そのせいで暑かったのだ。
そして、部屋の窓が開かない仕組みで、外気がいれられなかったため、宿のオーナー・陽子さんに、冷風機を借りたのだった。

冬のキンキンに冷えた空気が好きなので、勝手に入ってしまう暖房は、少し迷惑だった。
滞在中は部屋の中がずっと暑かったので、半袖のTシャツ1枚に、真夏のハーフパンツで過ごしていた。

結局、お借りした冷風機は、帰国日の朝まで大活躍だった。