#211 あてずっぽうでバスに乗る・・・ニューヨーク1人旅 2018年11月21日(水)21日目・・・4

部屋で最後のエンパナーダを食べ、少し休憩してから、パネトーネを1つ持って再び宿を出た。
私にとって、勝手に約束の聖地と思い込んでいる企業へ。アポなしで突然の訪問だったため、やはり社長は不在で、私と同じくらいの年代の女性とインターンくんが応対してくれた。
帰国しなければならない無念さから感傷的になって、中に入ることをためらい、扉の外からパネトーネを素早く手渡して辞去した。
超絶多忙の社長が不在である事はわかってはいたが、やはり最後に直接お礼が言いたかった。
この約束の聖地に、今度はいつこられるかな。

ビルを出ると、心臓がギューッと締め付けられる感覚がして、痛かった。

通い慣れたGrand Central Terminalに戻る。人の往来が賑やかで、時計台も天井も壁も美しい。3週間前に来た時と、まったく変わらない風景。
みんなはいいなぁ。明日も明後日もずーっとここに来られて。
私は今が最後。そう思ったら涙が溢れて零れ落ちそうになった。
次にまたここに来た時は、〝I'm back〟と笑顔で言おう、そう自分に誓った。

これ以上ここにいたら、本当に号泣してしまいそうだったので、無念の辞去。
駅を出たら、早く遠ざかってしまいたくて、あてずっぽうに適当にバスに乗った。

どこをどう走っていて、どこに向かっているのか全く分からないまま乗っていた。相変わらず渋滞の中のノロノロだったけれど、約束の聖地から、そしてGrand Central Terminalから、どんどん離れていくことで、かろうじて平常心を保てた気がした。

どれくらい乗っていたか、忘れてしまったが、適当に降りたところはユニオンスクエアで、市がたーーくさん立っていた。
そういえば3日目に看護師さんと来たことが、すでに懐かしい。

今朝、宿のオーナー・陽子さんが話していた、指のようなジャガイモを見つけた。

さらに、ユニオンスクエア前のBarnes & Nobleへ最後に入ってみた。

本が大好きな、お友達のともこおねえさんに、絵本のお土産を買いたかった。時季的にクリスマス関連の絵本にするつもりだったのだが、英語版はらぺこあおむしを見つけて一目惚れ。ともこおねえさんは、はらペコあおむしが好きなことを知っていたので、即決だった。

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