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仁平幸春の考え

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制作に関する考え、その他雑感を綴っております
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#染め物

和装にまつわるいろいろな気持ちをすくい上げ形にするのも作り手の仕事だと考えます

フォリア工房の私たちは、着物を着る方々の、着物にまつわるいろいろな気持ちや思い出を大切に…

伝統工芸の専門家といっても分からないことは分からないもので

伝統工芸系といっても、分野が違うと「全然分からない」ということは多いものです。 当然私も…

汎用性のあるものは強い個性を持っている

私の制作する着物や帯、その他染色品は、一見、個性的で使いにくい、他のものと合わせにくいの…

工房で制作する染色品の色彩について

フォリア(当工房)で制作している染色品の色味は、非常に渋い色調から、草木染のようなナチュ…

和装だから目立ったのではなく着る人が良かったのです

ノーベル賞授賞式に羽織袴姿で参加した本庶佑さんが、存在感があって素晴らしかったと話題です…

絶対的に正しい色は存在しない

何かを制作するにあたって、そこに使う色はあらゆる選択肢がありますが、私は色というのは、最…

プロの仕事に偶然などないですよ

上の写真の布は、イラクサの布に、ロウを使った染色技法で独特のニュアンスを出したものです。 生成りの部分は、何も染めていない布のままで、金茶色のところは、ロウによって文様を染めた部分です。 まるで、硬い樹皮のような味わいが出ていますが、もちろん布ですから柔らかいです。 この仕事では、あえて何も染めていない布の部分を残し、染めることによって、まるで硬い樹皮のような味わいの部分と同時に観ていただくことによって「布の魅力の振り幅を味わっていただく」のを意図しました。布の染まって

本当に自由なら必要な抑制が働くもの

ウチでは文様染の、例えば友禅の仕事などの場合、配色にあたって「むやみに色数を増やさないこ…

「仕上げ」の見極めはむづかしいですね

「仕上げるべきものと、そのまま残しておいた方が良いもの」が 作品の仕上がりだけでなく、制…

手作りという魔法は無い

私は、現代において「手で作る必然のあるもの」によって「いわゆる手工芸品」では到達出来ない…

先輩たちが昔の仕事はレベルが高かったというのはそれほど信用出来ません

先輩たちが「オレが若い頃は・・・」と説教するのは・・・ だいたい巨大な尾ひれがついて、そ…

手作りでなければ出来ないことをやらないと

手仕事の染めと、機械の染めと、違いはいろいろありますが、 「意外なことに、手仕事の上手い…

染帯は染着物の簡易バージョンではないですよ。

染帯ってむづかしいんですよ。 着物をメインに染める人は、帯は着物の簡易バージョンぐらいに…

今は今出来ることがありますしね

「昔はこういう良い素材があって、うまい職人がいて、眼の高い依頼主がいたから良い仕事が出来た」 というのは事実で、参考にします。 かといって 「だから現代に存在するもので、それ以上の"創作性"のあるものが作れないということではない」 ので私はその面では全く悲観的ではありません。