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SNS上の現代美術警察と着物警察

を、良く目にしますね

小話にすると、こんな感じです

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・・・誰かが何かしらの現代美術作品を観て率直に感じた事をSNS上に書いた

それを観た現代美術警察が

「大学で美術史を学んだ立場から言わせてもらうけど、この現代美術作品は、西欧の美術の歴史の〇〇の文脈から来ていて、現代社会に対する批評精神からこういう作風になっているわけ。そういう基本的な事を知らないで作品の見た目の好き嫌いだけで語らないで欲しいな。印象派の絵なんかと鑑賞方法が違うんだよ。現代美術は作品を読み解く力が必要なんだ。読み解くには色々学ばなければならない事があるんだけどね。君はそんな事も知らないで感想を書いてるんだろ?」

と、上から教え諭すようにコメント欄に書いて来た

そう書かれた人は、現代美術自体は別に好きでも嫌いでも無かったけども、少なくとも「なんだコイツ?メンド臭えヤツ・・・現代美術を擁護する風を装いマウントを取ってくるヤツらは鬱陶しいな」と思った

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ある人が、自分のお気に入りの着物を自分の好きな取り合わせで着て街を歩いている姿の画像をSNSに上げた。別にドレスコードがある場に行くためでは無かったし、取り合わせも季節感を外しているわけでは無かった

それを目にした着物警察が

「呉服業界人を親戚に持つ者です。一言言わせて下さい。その着物をそんな風に着るのはおかしいと思います。この着物の文様は〇〇の意味があるから、その場合は△△のようにしなければいけないので、□□のようなものを合わせるべきです。ご両親に習わなかったのでしょうか。もっとお勉強をしてお着物をお召になって下さい。見ていて恥ずかしいです」

と、コメント欄に書いて来た・・・

着物が好きで実は良く学習した上で自由に着物を楽しんでいたそのSNSの投稿者さんは「親切に着物の知識や常識を教える風を装い、他人にマウントを取って来る性格の悪い人たち・・・」と思った。以前、街で着物警察に自分の着姿にアレコレ文句を言われ着物や帯をベタベタ触られたイヤな記憶が蘇った

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どちらも良く似ていると思います

コメントの書き出し部分が「あるある」です

別におかしな事をしているわけでも言っているわけでもない他人に、頼んでもいないのに自分が常識だとする偏った知識で難癖をつけてマウントを取り満足している性格の悪い人であるところが共通しています

他人にマウントを取って承認欲求を満たしたい人たちや、その心理を利用して商売する人たちが沢山いる分野は面倒ですね

現代美術や着物に限らず、色々な分野で良く起こる事ですね

(ヘッダー写真は、東博の法隆寺館所蔵の布で、塊のまま外さずに展示されていたものです。正倉院でも、このような状態のものが沢山あるそうです。写真では分かりにくいですが、工芸もアート遥かに超えた物凄い存在感ででした)


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