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【備忘録】東京芸術劇場「世界は一人」を観て

昨日(2/28)、東京芸術劇場 プレイハウスで
岩井秀人作・演出の「世界は一人」を観た。
まだ2月が終わったばかりですが、今年上半期一番の芝居かも。

なんだろう。
時代の空気感に合っているからか。
腑に落ちる世界観だからか。

海に近い寂れた元炭鉱町で
生まれ育った同級生3人(松たか子、松尾スズキ、瑛太)の
小学生時代から、成人まで続く引きこもり、
自殺未遂、鑑別所生活、
東京での再会、結婚、出産、離別までを描く。

出演は松たか子、松尾スズキ、瑛太、平田敦子、菅原永二、平原テツ、古川琴音。

音楽は「前野健太と世界は一人」のメンバーによる生演奏。

前野健太のボーカルが役者の演技に対して
義太夫のような役割を果たしたり、
役者の演技をバンドに寄せ、
セリフがラップになったり、歌いこんだり。
ジャズ、ブルースをはじめ
さまざまなジャンルの音楽が入り乱れる。

ひどい話のオンパレードだが、
それほどキツさを感じることなく淡々と観られるのは、
前野健太のボーカルが
芝居に対するさりげないツッコミだったり
エッセンスになったりするから。
さらに松尾スズキの受けの演技が柔軟で、
悲哀とコミカルさが入り混じった“にゅるっとした芝居”だから。

松たか子は役者のランクが2〜3段上がった感じ。
引き算の演技がいい。
余計なものをそぎ落として、
舞台にただ立っている無垢な印象を受けた。
瑛太も舞台の演技が
以前に比べて数段ランクアップした。

裏テーマは自意識の肥大。
自意識の自家装置を
子供の頃に一旦オンにしてしまうと、
大人になって社会を見て、
自らの自意識と折り合いをつけるかと思いきや、
装置のスイッチを切らない限り、
自意識はブヨブヨと膨れ上がる。

まだ始まったばかりで、
当日券も出ているので、興味のある方はぜひ! 東京芸術劇場は3月17日(日)まで。

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