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13月の金曜日

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月の終わりに、随筆文(らしきもの)を書きます。
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1年を振り返って反省文

年度が変わって、僕は再び色々と目標を建てた。いつもの目標に加えて、今年はエコに関する目標も作った。 さて、僕は2022年度に「随筆を月に1つ作る」という目標を立てた。ネット上に公開したからには、有言実行しなくてはならない。僕は目標通り、2022年4月から2023年3月まで12本の随筆を書いた。 4月 同人誌を作りたい? 5月 僕たちは、多様性について語る言葉を持つのか 6月 環境問題と人類と幸福 7月 「ぼくなつ」と夏休みの読書感想文 8月 夏(概念)を想起するための9曲

「13月の金曜日」について

1年の計、というと大抵の人は1月に何かしら作るだろう。しかし、堂々と目標を掲げても、達成できない人もそれなりにいるはずである。 僕は、最近、1年の目標を新年度が始まる4月に作るようになった。そのほうがキリが良いからだ。 今年度も、いくつか目標を作った。本業に関係するもの、趣味のものなど、様々である。その中に、「1ヶ月に1つ随筆を作る」というものがある。 今まで、何か思うことがあったときにだけ、なぐり書きのような文章を書いたことはあった。しかし、自分の思いをある程度まとま

同人誌を作りたい?

最近、同人誌とか小説雑誌のようなものを作りたい、という思いに駆られている。同人誌といっても、いわゆる二次創作の「薄い本」ではなく、一次創作の雑誌だ。杉下右京が学生時代、推理小説を掲載したという、アレだ。 僕がこんなことを思うようになったのは、やはり、梶井基次郎の「檸檬」を読んだからだろう。 1925年1月、梶井基次郎と仲間の6人は、小説「檸檬」を載せた同人誌「青空」の創刊号を発表。1927年6月に廃刊となるまで、全28号が発行された。 彼が小説などを書いていたのは、実質7年

僕たちは、多様性について語る言葉を持つのか

noteの5月のお題は「#多様性を考える」だという。 様々な場面で、多様性が叫ばれて久しい。女性(男性)や、セクシュアル・マイノリティが生きやすい社会を。人種差別のない世界を目指して。障害のある人々も自分らしくいられるように……多様性が対象とするものは様々だ。 たしかに、どんな分野においても、似たような背景を持つ人ばかりが集まるよりは、多様な者が集まったほうが、よりよいアイディアが出たりして、その分野は発展するに違いない。一方で、様々な人が集まれば、その分、考えねばならないこ

環境問題と人類と幸福

ご存じの方がどれくらいいるかはわからないが、6月は、日本では唯一祝日がない月である。 そんな6月には、様々な〇〇月間が存在する。 今回はその中の一つ、「環境月間」を取り上げ、環境について、僕が思っていることを書いていきたい。 環境月間について、環境省の公式サイトを覗くと、次のように書いてある。 なるほど、SNSなどで環境問題や取り組みについて拡散し、興味関心を広げていくらしい。 僕は昔から、環境問題について、関心を寄せてきた。特に関心があるのは、地球温暖化(+異常気象)

「ぼくなつ」と夏休みの読書感想文

地域にもよりますが、7月下旬から大抵の小中学校は夏休みに入ります。 というわけで、今回のテーマは、「夏休み」。5月6月が重たい話題だったので、ゆるい話をだらだらと書いていきたいと思います。 皆さんは「ぼくのなつやすみ」というゲームをご存知ですか?「ぼくのなつやすみ」は、その名の通り、小学生の「ボク」が、田舎で夏休みを過ごすゲーム。第1作は2000年6月22日に発売され、その後、第4作まで出ています。1~3の舞台は、1975年ですが、4のみ1985年が舞台です。いわゆる「昭和

夏(概念)を想起するための9曲

「次は〇〇を書きます」といいつつ、何も書かずに約1ヶ月が過ぎてしまった。皆様、いかがお過ごしだろうか。 ところで、皆様にとっての"夏"はいつまでだろうか。様々な意見があるだろう。(僕は気象庁的な定義を支持したい。) 暦の上ではすでに秋である一方、気温的にはまだまだ暑さが続きそうだ。ただ、夏という概念を考えれば、8月31日でキホン的には終わりだ。(夏休みは8月末までのことが多い。) さて、"夏"といえば何を思い浮かべるだろうか。多くの方は、「ぼくなつ」のような虫取り、海水浴

「季節を楽しむ暮らし」を想う

上のサイトは、「暦生活」というサイト。季節の話題をきれいな写真と穏やかな文章で紹介している。 Twitterのタイムラインに暦生活の記事が出てくると、クリックして読むことも多い。刺激の強い情報・世知辛い情報もある中、季節の話題は数少ない癒やしである。 時々、季節を感じるゆるやかな生活を思うことがある。「丁寧な暮らし」にも近いのかもしれない。特別な行事の日だけでなく、目覚めてから眠るまで、毎日を大切に暮らしていくのである。 僕は、ガジェットが大好きな地球人だ。それに加え、今

境界線に惹かれる

「境界線」なる概念が好きである。国境、都道府県の境目、日付変更線、2021年と2022年の境目。〇〇学と△△学の境目。気候区分の境目。「DOD3」に出てくる海の国と山の国の境目。 例を上げればキリがない。 いつ頃からそんなものを好きになったか、記憶は定かでないが、ずいぶん昔から地図の境界線を眺めては心のなかでニヤニヤとしていたと思う。 旅行などで都道府県をまたぐことがある。境目にさしかかり、「ここから先は〇〇(都府県)」と思うと、どういうわけかワクワクしてしまう。 旅行にい

変転する時代と大学と研究者

タイトル:知のたのしみ 学のよろこび 編:京都大学文学部 2003年発刊。京都大学文学部の先生方(一部他大学)が、自分の研究や興味あることについてのエッセイを集めたもの。 内容は実に多彩で、哲学を取り扱った難解な内容から、研究の楽しさを伝える文章まである。それでも、共通して流れているのは、リゾート地特有の時間とは違う、ゆっくりと流れる時間である。当時の研究者が、のびのびと研究をしていた様子がうかがえる。 2004年に、国立大学が法人化されたのだが、本書が、その直前に発表さ

ドキュメンタリーに思うこと

僕は昔からドキュメンタリー番組を見ていた。「理科好き」を名乗っている以上、科学のドキュメンタリーを見ることはもちろん、歴史や社会のドキュメンタリーを見ることもある。 最近は、Netflixが作ったドキュメンタリーを見ることもある。海外での社会現象を取り扱った作品が多いが、面白さは変わらない。個人的に面白かったのは あたりだろうか。 ドキュメンタリー番組に作り手がいる以上、情報が編集されているわけなので、そこには注意しなければならないが、それでも、様々な事柄を映像の形で知

葉書と郷愁

年末に僕がやらなくてはいけない仕事の一つは、年賀状を作ることである。 「仕事」といっても、パソコンが有る便利な時代だから、干支にあうイラストを選んで貼り付けたり、写真を貼り付けて、少しメッセージを入れるだけで年賀状は出来上がる。めんどくさければ、スマホでプリセットを選んでサクッと作ってしまうこともできる。さらに簡単にしたいなら、郵便局などで予めできているものを買って、あとは宛名を書くだけ……というのでも良いだろう。 新年に入ると、遠い親戚や知人からそれなりの量の年賀状がやっ

FediverseとMisskeyの風に乗って(回顧録)

2022年10月にイーロン・マスクさんがTwitterを買収してから、Twitter情勢は不安定になりつつある。 タイムラインの謎仕様(センシティブな話題がいきなり突っ込まれるなど)が改善した一方、「言論の自由のもとに、差別発言が許されるのでは」という懸念もある。 他にも、大量の従業員を解雇したため、サービスとしても不安定になっている、という意見もある。 僕はもともとSNS中毒気味なので、(ほぼ見る専門だったが)Twitterを一応やっていた。 一部のユーザーが政治的議論を

随筆について書く随筆

僕の趣味の一つは、読書だ。 といっても、年間に100冊読むとか、それほどの多読ではない。 昨年は、約30冊を読んだ。1ヶ月に2~3冊とか、そんなものだ。 しかも、殆どが科学や社会にまつわるもので、いわゆるフィクションの小説を読むことは本当に少ない。 だから、僕はネット界隈で見るような「読書家」ではないだろう。 (読書系YouTuberの方は本当にすごいと思う。) そんな僕だが、たまに随筆を読む。最近読んだのは、寺田寅彦のエッセイ集「科学と科学者のはなし」だ。こちらは、天文学