翡翠の意味ー緑色の瞳をもつ人

緑色の翡翠は古代、最上の玉であり威信財であった。
その硬い石をどうやって磨いて穴を開けたのかはわかっていない。
わかっているのは、日本全国に散らばっている翡翠は全て糸魚川産の翡翠であること、
遠方にまで運ばれていたことである。

糸魚川産の翡翠は硬玉であるのに対し、中国で出土される翡翠玉は軟玉で加工もしやすく、竜などの形にも加工されている。やはり緑色のものが最高級とされた。
中国でも軟翡翠の加工品は貴重品であり、完璧という言葉の語源にもなっている。

この緑色に対する意識。
また勾玉のような形にする意味。
それをずっと考えていた。

勾玉は、胎児の形、魂を表すなど諸説ある。
勾という字は、もと句と同字である。
句は勹(ほう)と口に従う。
勾は勹と厶(し)に従う。
勹は身をかがめている人の側身形。
口は祝祷の器であるサイ。
厶は勾曲の形。
どちらも屈肢葬をいう字である。

胎児や魂との関連性から連想されつけられた名だろう。

旧石器時代の遺跡から出土される物から、日本とシベリアなど北方との結びつきが指摘されている。

北方の人達の瞳の色は、青緑色が多い。

臣という漢字は、上方を見ている目の形。目の大きな瞳を示す字形である。
上方を見ているのは、恐らく空の観察をしている様であろう。
暗い場所では瞳孔が開き、より瞳が大きく見える。
夜空を観測する瞳だろう。

この観測技術と、石の加工技術をもたらしたのが
シベリア付近にいた人々だったのではないだろうか。
シベリア付近はダイヤモンドの産出地である。
当時、ダイヤモンドのカッティング技術は無いため、宝石としての認識はない。
ただ硬い。色々な鉱物の加工に使えると考えた。
石斧の研磨、翡翠はその技術を示す威信財である。
技術をもたらしてくれた人々は神である。
神への感謝が、夜空を見上げる瞳を象徴する緑色の勾玉になった。

穴を開ける意味は、もっと良く見えるように。見通せるように。蓮根の穴と似ている。
盲(網)を開く意味があった。


糸魚川という場所は、歴史的に非常に重要な場所になる。近くに戸隠山がある。
戸隠山は、真言宗と天台宗がその地を争った場所だが、
ここには古代の歴史が隠され、その秘宝を奪い合っていた気がしてならない。



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