ギリシャ神話 デウカリオーンの大洪水と糖代謝

デウカリオーンの大洪水は、
人間に嫌気がさしたゼウスが
人類を滅ぼすために起こした大洪水

デウカリオーンは、妻ピュラーと共に大洪水を生き残り一度滅んだ人間を、再び作りだした。

さて、ゼウスが人間に嫌気がさした理由だが、
リュカオーンという人物に原因がある。

リュカオーンは、あの大熊座になるカリストーの父。アルカディア地方に地上最初の都市リュコスーラを建設。ゼウス・リュカイオス祭祀を行う

また伝令神ヘルメースの為にアルカディア最初の神殿を建設した

リュカオーンの息子達は傲慢で、人間に扮したゼウスに人肉を提供。怒ったゼウスは、リュカオーンと息子らを雷で滅ぼした。ただ末子のニュクティーモスは、ガイアの口添えで助けられ、アルカディアの王位を継いだ。その後は、カリストーの息子アルカスが継ぐ。

さて、この話は、解糖系と糖新生に絡む話しになっている。

リュカオーンは脳(ゼウス)にグルコース由来のATP を供給するためのシステムー解糖系を象徴。

解糖系の最終はピルビン酸であり、乳酸に変化する。つまり末子ニュクティーモスはピルビン酸、それを継ぐのはアルカスー乳酸になる。

ゼウスを怒らせた人肉は、糖新生によって、アミノ酸から作られたグルコース。

糖新生

肝臓に貯蔵されたグリコーゲンが無くなると、肝臓に貯蔵されたアミノ酸からグルコースを作るが、それも尽きると、筋肉を分解してアミノ酸を作り、肝臓に送られて、グルコースを作る仕組み

ゼウスは炭水化物由来の糖を欲していたが、筋肉を分解して作った糖を出された為、怒ったのだろう。

娘のカリストーは、ピルビン酸から細胞内ミトコンドリアに入り、クエン酸回路を回す為に変化したアセチルCoA。

ミトコンドリア内に入り、姿を変え、回り続ける。

なおカリストーは、月の女神アルテミスの分身的性格をもつといわれる。

理由としてアルテミスが自律神経系の副交感神経を指しており、この副交感神経はアセチルコリンを神経伝達物質とする。アセチルコリンは、アセチルCoAの働きで生成される。

また、伝令神ヘルメースの神殿が建てられるのは、グルコースの代謝の過程でNADHが生成され、電子伝達系と深く関わっている為であろう。

人体におけるグルコースの代謝の過程を、カリストーの系譜が示している。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?