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ポストエディットは機械翻訳から出てきた日本語の『てにをは』を直すだけか?

本記事はポストエディットに関する注意喚起です。

今回は、多くの方にとってわかりやすいように英⇒日のポストエディットに限定してお話します。

一部で、「ポストエディットは原文を参照せずに、機械翻訳から出てきた日本語の『てにをは』を直すだけ」という認識が広まっているようですが、
それについて翻訳者として危機感を覚えています。

こちらをご覧ください。

これは医療分野の例ですが、
日本語だけを見て「支持台」を「支持基底面」に直せるでしょうか?

私は翻訳者としての経験が10年以上ありますが、
分野が変わると専門用語に気付かないこともあるため(同じ単語でも意味が変わることがあるため)、
恐ろしくて他分野には簡単には手を出せません。。

まして、原文を読まずに日本語の「てにをは」を直すだけ、などもってのほかです。

決して「機械翻訳を使えば簡単に翻訳できるでしょ」などと安易に考えないでください。

ポストエディットについては、
フルポストエディットについてはISO 18587で規定があります。

訳文の日本語だけを見て修正することは、
一般的には「ポストエディット」ではなく、
「モノリンガルレビュー」「ブラッシュアップ」「コピーライティング」などと言われます。

誤訳による事故を防ぐため、
機械翻訳のチェックの際は必ず原文も参照するようにお願いいたします。

また、AAMT(一般社団法人アジア太平洋機械翻訳協会)が発行しているMTユーザーガイドも参照してください。

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