あの哲学者にでも聞いてみるか/鷲田小彌太#89

生きていく毎日のなかで誰もが「なぜ?」という疑問を持つことがあると思う。

本書は自殺やニート、ホームレス、親子の仲の良さ、専業主婦ということ、援助交際はいけないのかということまで、「なぜダメなのか?」ということを、答える人として哲学者の思考から解決策を見出すというもの。

目次を読めば、疑問に対してどの哲学者が答えているのかわかる。
例えば、問1の「働きたくない!」はいけませんか?にはエピクロス先生が答えている。

Amazonから内容を引用する

つねに疑うこと、「疑問」を発することから始まるのが、哲学だ。仕事に就かない若者、自殺志願者、ワーカホリック、「援交」少女…。いまの社会は、そういった人たちを「異常」と追いやり、疎外してきた。そして、「異常」な人が出るのは、社会の「異常」のせいと決めつけた。困ったことに、いまの私たちには、人生の難問題を一緒になって考えてくれる相手がいない。自分の頭だけで考えるから、自分を責めつづけるのではないだろうか。そこで、思い起こしてほしいのが、偉大な人生の先輩でもある、あの哲学者たちだ。彼らなら、簡単に片づけたりはしない。徹底的に「良識」を疑い、新たな解決法を示唆してくれるにちがいない。

「本当にそうだろうか」という疑問を、本書ではいくつも読者に投げかけている。

本書でも述べられているが、哲学は知ること(知識)ではなく、考えること(探究)を重要視するという論じ方についてであるということ。
知ることと考えることを切り離すことはできない。

初版は2007年なので10年以上前の本になるが、今読み返して気づく点もある。
知識を持つだけでなく、疑問を持ち思考していく努力をしていきたいと思えた。









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