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169. Playing Hard(ハードにプレイする)とはどういうことか



これはおそらく全てのコンタクトスポーツに言えることだと思いますが、国内のプロレベルに到達したり、海外で上を目指していく場合、絶対に必要になることがPlaying Hard (ハードにプレイすること)のメンタリティです。

上を目指すのであれば、どんな選手にも絶対に必要になるスキルの一つであり、決して避けてはいけない試合中の要素です。

ハードにプレイすることは、決して、毎試合点を取ることではありません。毎試合相手に対して汚いプレイや反則をすることではありません。

ハードにプレイする、と聞くとあんまりイメージが湧かないかもしれないので、ここでいくつかパッと思いつく例を出します。

ハードにプレイするとは
・バトルに負けないこと
・どんなに大きい相手にもビビらないこと
・躊躇なく、相手に当たりにいくこと
・チームメイトのために立ち上がること
・ルーズパック(ルーズボール)を取るために先に体を入れること
・簡単にパックを奪われないこと
・テキトーにパスを出さないこと
・相手がチェックに来たからといってパックをすぐに離さないこと
・ゴール前で相手に叩かれようが、後ろからチェックされようがポジションを取り続けること
・シュートブロックをすること
・自陣から絶対にパックをクリアすること
・コーナーでの競り合いに勝つこと
・バトルで負けたとしても、奪い返すこと
・バトルで負けたとしても、相手を追い続けること
・フォアチェックで必ず相手の体に当たりにいくこと
・痛みに耐えてプレイすること
・相手に一度潰されても、またバトルしにいくこと
・敵陣から自陣まで必死にバックチェック(相手に後ろからプレッシャーをかける)こと

などです。

決して、汚いプレイをするということではなく、試合に出ている時は常に100%以上のワークを続け、相手に楽なプレイを一瞬もさせないことを指します。高い強度でプレイをし、それを常に続けることです。

繰り返しますが、このplaying hardという考えは、どんなチームであれ、絶対に必要になります。コンタクトスポーツにおいてこれができないと、出場時間は減っていきます。

なぜなら、フィジカルゲームにおいて、試合に勝つためにはフィジカルバトルは決して避けられない要素だからです。

今僕が所属しているリーグは、正直、どのチームもどのチームを倒すことができます。つまり、試合前にどちらかが勝つか予想することは難しいくらい、レベルはある程度拮抗しています。そんなチームが戦う時、勝敗を分けるのは、スキルの差でも選手層でも戦術でもありません。どちらのチームが、よりハードにプレイしたかどうかです。これは僕らのチームの監督もよく言っていることで、僕も大いに賛成していることです。

よりハードにプレイした方が勝つ。

ものすごくシンプルですが、これを試合中ずっと続けることは実はとても大変です。

でも、勝つためにはやらなければいけません。ハードにプレイしないで、勝てる試合は絶対に一つもありません。

僕も常に自分に対して言い続けていることですが、上のレベルに行きたいと望むのであれば、誰よりもハードにプレイしないといけないし、誰よりも魂を込めたプレイを続けなければいけません。

そして、これも大切なことですが、このplaying hard は、一日で習得できたり、誰かに言われてすぐできるようになることではありません。これらは全て、Habit(習慣)です。

だからこそ、普段の練習から、全てハードにプレイしなければいけません。

どのプロチームも、練習の強度はかなり高いと思います。なぜなら、そうしておかないと試合で同じ強度が出せないからです。

特に、まだまだ年代の若い選手たちに対して伝えたいことでもありますが、僕はこれに気づくまで、そしてplaying hard を実践できるようになるまでかなり時間がかかりました。特にアメリカに来てからの最初の数年間は特に苦労しました。

でも今は、自分自身のプレイ中の強みの一つとして、ハードにプレイできること、と胸を張って言えます。

だからこそ、10代前半の選手等、若いプレイヤーの皆さんには、ぜひ今のうちから、普段の練習でもハードにバトルしあうことを日常的に繰り返してほしいです。

「明日の試合からハードに頑張ろう」という気持ちだけでは、絶対に行動に繋がりません。もちろん気持ちは大事だけど、ハードにプレイするための「方法」は、普段の練習から体に染み付かせておく必要があります。

どんなパックも奪われてはいけないし、どんな競り合いも負けてはいけない。実際に試合で100%それが達成されることは難しいですが、普段の練習からはそれくらいの気持ちで臨んでいいと思います。

僕は、Play hard という言葉はPlay Physical と一緒だと思います。よくホッケー界でも言いますが、「フィジカルにプレイする」ということです。当たり合うのは怖いかもしれないし、自分よりも大きな相手に体をぶつけられるのは危険かもしれないけど、それが勝敗に大きく影響するスポーツである以上、怖がっている時間はありません。本当に怖いのであれば、アイスホッケーを諦め、コンタクトのないスポーツに変えるしかないと思います。

とても大変なことだけど、これができないと、ステップアップは本当に難しくなります。

僕自身もまだまだだし、目指すリーグはもっともっとレベルの高い環境です。どんな場所でも、レベルが上がればその分強度も上がるし、求められるプレイの質も上がります。

本当に、海外挑戦を始めてから後悔をして欲しくないです。僕が苦しんだような時間を過ごして欲しくないです。適応に時間がかかっていては非常にもったいないです。

ハードにプレイすること、ハードに練習すること、ハードに試合に臨むこと、ハードにトレーニングすること…など言い出したらキリがありませんが、結局最後はこれが全てだと思います。

前半で述べたハードにプレイすることの例は、基本的にどれも、メンタルが一番最初に重要になります。

スキルを発揮する前の
「絶対に負けねえ!」
「絶対にビビらねえ!」
という、恐怖心に打ち勝つ覚悟ができているかどうかで、氷上でのプレイも大きく変わります。

僕も毎試合前、この覚悟を決められるように、自分とたくさん対話しています。

ハードにプレイすること、決して簡単ではないですが、日頃から繰り返すことで誰でも習得できる習慣だと思います。

どうか、特に若い世代の選手たちには、今のうちからこのメンタリティを身につけてほしいです!

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