見出し画像

#2 介護保険外サービスに徹して見えた世界

介護保険外のオーダーメイド介護サービス「イチロウ」(https://ichirou.co.jp/)を運営している株式会社LINKの水野です。

今回、プレシリーズAラウンドで1億円の資金調達を実施しました。
このタイミングで、サービス提供開始から2年6ヶ月の実績とインサイト、そこから見えた介護の未来について振り返り、4本のnoteにまとめました。

今回の4本の記事も下記から読めるので、他の記事もぜひご一読ください。

1. 介護保険外サービス 2年6ヶ月の歩み
2. 介護保険外サービスに徹して見えた世界(本記事)
3. 介護ワークシェアの可能性
4. 介護を変える真の介護DXとは

今回は、全4本のうちの2本目として「介護保険外サービスに徹したことで得たインサイト」についてまとめました。

このnoteでの表現について
介護保険適用内の訪問介護サービス訪問介護と表現しております。
・イチロウが提供する介護保険適用外の訪問介護サービス介護保険外サービスと表現しております。

本記事の要約

◉ 重要な3つのインサイト
 ・介護保険外サービスは富裕層向けサービスではない
 ・介護保険外サービスの価値はスピードとクオリティ
 ・ケアマネジャーが全てのニーズを汲み取れているわけではない
◉ 在宅介護を支えるインフラとなることを確信
 ・イチロウの好事例① 仕事と介護の両立
 ・イチロウの好事例② プライベートと介護を両立
 ・イチロウの好事例③ 看取り

重要な3つのインサイト

介護保険外サービスを2年6ヶ月運営する中で、私が15年見てきた介護業界のの常識と違った世界を見せられることが度々ありました。その中でも、介護保険外サービスに特化したらこそ見えてきた業界イメージとのギャップについて、重要な3つのインサイトがありましたのでご報告したいと思います。

1. 介護保険外サービスは富裕層向けサービスではない
イチロウを運営していると「富裕層向けサービスでしょ」「(料金が)高いから利用できる人少ないんでしょ」と言われることがあります。
私たちの経験からすると答えは「No」です。
2年6ヶ月介護保険外サービスを運営し、利用者にお支払いいただく1ヶ月の累積の平均顧客単価は4万円前後でした。

イチロウを始めた当初は、月に数十万円近くご利用いただく人もおり、平均顧客単価は高い数値でしたが、現在はおしなべられサービス全体で4万円前後に落ち着いています。

イチロウが解決したい社会課題 (10)

一般的に1ヶ月にかかる介護費用は、平均5万円と言われています。
イチロウの平均利用単価を足しても9万円です。1ヶ月の施設入所(有料老人ホーム)にかかる費用が20万円とすると、施設へ入所する経済力があれば気軽にイチロウを利用することができる計算になります。

これまで介護保険外=富裕層サービスという常識は覆されました。実際には、限られた富裕層の人だけでなく一般的な年金収入内でもイチロウを利用することができるというインサイトを得ました。

この誤解を解いて、たくさんの方にイチロウや介護保険外サービスの魅力を伝え、介護保険サービスと併用することでストレスのない在宅介護の実現をお手伝いしたいと思っています。

2. 介護保険外サービスの価値は「スピード」と「クオリティ」
インターネット等の記事で「訪問介護で依頼できないこと」を調べると以下のような内容が出てきます。

・利用者以外の家族の調理や洗濯、買い物などの介護
・利用者が使用する居室以外の掃除
・見守りや話し相手
・草むしりや庭や植木の剪定
・ペットの散歩等の世話
・大掃除や模様替え
・特別に手間のかかる食事の調理(正月や節句等)

ケアマネジャーへ介護保険外サービスへ期待したいサービス内容をヒアリングしても、やはり上記と同じような内容が返ってきます。
「訪問介護へ依頼できないこと=介護保険外サービスへ依頼すること」と思われがちですが、実は違ったということをお伝えします。

実際にイチロウへ問い合わをいただく介護依頼者が、イチロウに求めたりり、利用してご満足していただいたポイントは、訪問介護へ依頼できない内容という訳ではありませんでした。

それは「スピード」「クオリティ」でした。

スピードとは、依頼からマッチングまでの速さです。
訪問介護では、依頼からマッチングまでに1週間以上かかることが多く、助けてほしいと思ってから介護の不安を解消するまでに時間がかかります。

訪問介護を依頼しないといけないケースが発生した場合、やはりすぐに誰が来てくれるか決まり安心したいですよね。利用者が介護保険外サービスに求めていたものは、「早くマッチングし、すぐに介護の不安を解消できること」でした。

私たちも、当初はオーダーメイドでなんでも依頼できるサービスが価値だと捉えていました。しかし、それは当たり前の機能であったことに気付かされました。

実際にイチロウでは、スピードに磨きをかるためのデジタル視点でオペレーションとシステム開発を行い、最短5分のマッチング・2時間後のサービス提供を可能にしています。

イチロウが解決したい社会課題 (23)

早くマッチングした後に、とんでもない介護士が派遣されては元も子もありません。早いマッチングの後には、利用者の期待を超える介護士を派遣することが重要となります。

それが「クオリティ」です。

利用者が求める介護サービスを提供することができ、接遇ができる相性のあった介護士を派遣する必要があります。

イチロウでは、登録ケアパートナーの職務経歴保有資格介護スキル性格等を考慮し、最適な介護士をマッチングする仕組みを構築しています。

イチロウが解決したい社会課題 (17)

更に、マッチング時には顔写真付きのケアパートナーのプロフィールを確認することができ、レギュラー契約をすることで、気に入ったケアパートナーを継続的に指名することも可能にしています。

これは全て訪問介護の裏返しでもあります。
訪問介護では、基本的に指名はできない等、サービスのクオリティに大きな課題が存在します。

・そもそも人材不足で利用しにくい
・誰が来るかドアをあけるまでわからない
・指名ができない

イチロウでは、訪問介護ではできない要素で勝負をしています。
ただ、単純にどんなサービスも提供できるオーダーメイド性だけでなく、スピードとクオリティの価値を届けるために日々改善を行っています。

3. ケアマネジャーが全てのニーズを汲み取れているわけではない
イチロウにお問い合わせをいただく方で、ケアマネジャーを通していただく方は20%しかいません。さらに、ほとんどの方が担当ケアマネジャーへ相談をせずに問い合わせをいただいています。

イチロウが解決したい社会課題 (22)

この実績を通して、ニーズを汲み取れていないケアマネジャーを批判するわけではありません。
イチロウへのお問い合わせ時に、明確にサービスの利用頻度や時間帯等が決まっている利用者は多くありません。それだけ、介護保険外サービスに求めるニーズは言語化しにくく、ケアマネジャーもつかみにくいものであるということです。

介護保険制度が2000年にスタートし、介護保険サービスについてはニーズと利用シーン、利用すべきサービスが明確になり、スムーズに利用に至るまで認知が進んできたと思います。
イチロウのような介護保険外サービスはこれからのサービスです。ご利用者のニーズの多様化・介護保険ルールの厳格化が進む中で、お客様のニーズに応えるために必要になってくるサービスです。

利用者やケアマネジャーの方々は、一度イチロウを利用していただければ「オーダーメイド性」「スピード」「クオリティ」等の価値を理解していただけると思います。

時代に先行して、介護保険外サービスを提供し得た情報を積極的に発信し、正しい介護保険外の利用方法や利用シーンが伝わることを願っています。

今後イチロウでは、ケアマネジャー向けに介護保険サービスのセミナー等も積極的に行っていく予定をしております。

在宅介護を支えるインフラとなることを確信

■ 在宅介護を支える保険と保険外のコラボ利用
イチロウ利用者の8割以上は、パブリックケアとの併用者です。
パブリックケアで賄いきれないニーズに対してイチロウがサポートしています。下記にイチロウ活用の好事例を載せますのでぜひ読んでみてください。

■ イチロウ活用の好事例

画像2

①仕事と介護を両立している好事例

氏名:N様
エリア:愛知県名古屋市熱田区
依頼者:息子様
対象者:お母様
世帯:2人暮らし

N様のご自宅では、息子様がお一人でお母様の介護をしています。息子様が建設系のお仕事をされているため、天候によって朝早く出勤することになるため、デイサービスのお迎えがくるまでの見守りの依頼をいただいています。

訪問介護では、天候によって柔軟にサービスを予約したり変更したりすることができません。デイサービスとイチロウを併用することで、在宅介護を継続することができている好事例となっています。

②プライベートと介護を両立している好事例

画像3

氏名:S様
エリア:愛知県名古屋市名東区
依頼者:旦那様
対象者:奥様
世帯:2人暮らし

S様のご自宅では、新型コロナウイルスのクラスターを懸念し、奥様を老人保険施設から退所させ自宅での介護をスタートしました。訪問介護を毎日利用していましたが、長くても2時間しか自分の時間を作ることができないため、イチロウへ依頼をいただきました。

日常的には訪問介護を利用し、自分のプライベートな時間を作りたい時にはイチロウへ依頼をして3時間〜5時間から外出をされています。プライベートと介護を両立する好事例となっています。

③看取りの場所として在宅を選んだ好事例

画像4

氏名:K様
エリア:東京都渋谷区
依頼者:娘様
対象者:お母様
世帯:同居

K様のご自宅では、お母様の看取り介護を行う場所を検討するためにイチロウへ問い合わせをいただきました。noteへの顔出しはNGですが、素晴らしい事例ですので共有させてください。

K様は、お母様の最期の場所として緩和ケア病棟と自宅での介護を悩んでおられました。最終的には、家族が眠る間の夜間の見守りとしてイチロウを利用していただくこととなりました。

結果的に、K様はご自宅で娘様の腕の中で最期を迎えることができました。
娘様の腕の中で人生の最後を迎えられること、大切に育ててくれた両親を自分の腕の中で看取れたことのどちらも尊いことだと思います。

夜間の長時間の見守りは、訪問介護では叶えることはできません。
介護保険外のイチロウだからできた、とても尊く素晴らしい事例です。

今回紹介した3事例以外にも、たくさんの介護保険とイチロウの併用事例があります。まだまだ認知度の低い介護保険外サービスやイチロウですが、確実に目の前のお客様を幸せにすることができている実感があります。
そして、富裕層だけのものではなく、誰にでも提供することができます。私たちはこの2年6ヶ月の経験から、イチロウが在宅介護のインフラサービスとなることを確信しています。

ここまでお#2は、介護保険外サービスに徹して見えた世界の報告でした。
次回の#3は、イチロウの特徴である「介護ワークシェアの可能性」についてまとめます。


最後に、イチロウでは介護保険外サービスの発展のために、本記事をベースとした取材依頼や志を共にする仲間を募集しています。

どしどしご連絡いただけると嬉しいです。

【会社概要】
会社名:株式会社LINK(https://link-cocokara.jp/)
代表取締役:水野友喜(みずのゆうき)
資本金:33,799,354円
本社:〒150-0002 東京都渋谷区渋谷2丁目2-17 トランスワークス青山
事業概要:オーダーメイド介護サービス「イチロウ」の運営

介護現場で10年以上経験した代表取締役の水野友喜が2017年に創業。
「年間10万人の介護離職の課題」「介護士の低所得・人材不足の課題」など、介護の社会問題をインターネットの力を活用したデジタル視点で解決することを目指し、介護業界のDXに取り組んでいます。

【本件に関する報道関係者からのお問合せ先】
広報担当:水野友喜
電話:052-325-8385 メールアドレス:corp@ichirou.co.jp

【採用のお問合せ先】
採用担当:中澤美樹
電話:052-325-8385 メールアドレス:corp@ichirou.co.jp

最後までご精読いただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?