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この本がよい「日本語を使う日々」 

今日ご紹介するのはコチラ。

「日本語を使う日々」 吉田戦車 著 
小学館 ¥1,200+税

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この本を見つけたのは全くの偶然で、ホントは「窯変 源氏物語」の続巻を探していて、偶然目に留まったものでした。
吉田戦車と言えば、「伝染(うつ)るんです」をはじめとしたマンガが有名ですが、他に「月刊カドカワ」の連載((1992年~1993年)を単行本化した、「たのもしき日本語」という本があるんですね。

で、多分それ繋がりだろう、ということで、本来のお目当ては次回にして借りてきました。(「源氏物語」の方がなかなか見つからないので、館内のパソコンで検索をしたら、他の市町村の図書館にありということだったので。)

「たのもしき日本語」に比べると、考察の方向性は「やや真面目」になっている印象でしたが、やっぱり「ヘン」。

個人的には、「第六回 門の外の漢、門の前の子ども」の章が良かったです。そこに、「門外漢」についての記述がちょっとあるんですけども、

漢に「おとこ」とルビをふると、たちまち原哲夫先生や宮下あきら先生の絵が頭に浮かぶわけで、…後略
「日本語を使う日々」P.37 3~4行

ホントまさにその通りで、私たちの刷り込まれ具合にも驚きですが。
「漢/おとこ」ってたら、ケンシロウだとか剣桃太郎だとか、轟金剛が浮かぶくらいですから。(轟金剛はパチスロ"押忍!番長!!"のキャラですが。)

たぶん、これを読めば、チコちゃんに「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と怒られる事はない気がします。

参考までに、「たのもしき日本語」の画像など。※現在は文庫本

「たのもしき日本語」川崎ぶら・吉田戦車 著
角川書店 刊 ¥1,600(本体¥1,553)

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橋本治さんが帯の文章を書いていらっしゃいます。

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まだ消費税が3%の頃だったんだ…。


じみへんがジワジワ来る。


「じみへん 倫理教室」 南部ヤスヒロ 著
小学館 ¥1,400+税

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これはマンガ「じみへん」を題材にして、「倫理」のあれこれを考察した本です。

「倫理って、あの、高校生の時にやった、公民にあったやつ?」…はい、そうです。帰納法・演繹法の違いがよく分からず挫折した方も多いと思います。

ヤングコーナーに置いてあったこの本、「14歳の君がなすべきこと」みたいな、自己啓発系の背表紙が並ぶ中で、ひときわ異彩を放っていました。
手書き文字のようなフォントで「じみへん」…いや、マンガは知っとるけども、何この本?と思わず手に取ってしまったのでした。

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筆者の南部ヤスヒロさんは高校の倫理の先生で、倫理の入門書としてこの本を書かれたそうです。
倫理についての文章の後に、対応するじみへん作品を載せていて、これが内容考察の手助けになっています。
サルトルだニーチェが…と言わずとも、マンガで倫理の内容が「あー…こういうことかぁ。」とじんわり分かる…感じです。

特におすすめは、先日の「イチロー選手引退」ネタにも絡めて、「武士道/作品254」という章です。(WBC2連覇とイチロー選手の話がある)
少しだけネタバレすると、野球における「捕る」(ボールを捕る、ですね。)についての考察がなされています。

日本人はとかくなんでも「道」化してしまう傾向がありますが、…例えば茶道とか華道ですね…オペレーションを洗練させるだけではなく、それをただの作業として終わらせたくない何かがあるんでしょうね。

しかし、スピリッツのマンガって、倫理と相性が良いのか、南部さんの著書には、他にも、相原コージの共著で、「4コマ哲学教室」という本もあります。これも探して読んでみたいと思います。

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