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自民・公明の政治資金規正法の合意とは? 注目の連座制と問題点


政治資金規正法・・・合意へ

2024年の5月9日、ついに自民・公明の両党は法案成立に動き出しました。

まず大枠の合意は以下の項目です。
①政治家の責任強化
②外部監査強化
③デジタル化
④パー券公開基準の厳格化
⑤パー券支払い方法制限
⑥政策活動費の使途公開
⑦該当する寄附政治団体の透明性確保
⑧個人寄付者らの個人情報・プライバシーの保護
etc

この8点です。なお野党や公明党が望む連座制については
導入の見通しが立たず、保留となりました。

連座制とは・・・
会計責任者もしくは秘書が今回のような政治資金の問題で
裏金化していた場合、代議士に当選無効や立候補制限を与える仕組みのこと。

ただし秘書が勝手にやっていたケースの場合は、
議員も責任を取るといった面もあることと、
議員個人の政治団体はわかるのですが、
派閥のような集団の場合は、
誰が責任を取るかが課題です。

【現状】
①会計責任者と秘書が議員の指示で裏金化→秘書or会計責任者も議員も罰を受ける
②会計責任者と秘書のみで裏金化→議員は現法上、罰を受けない
③派閥で裏金化→会計責任者は起訴
【連座制導入後】
①会計責任者と秘書が議員の指示で裏金化→秘書or会計責任者も議員も罰を受ける
②会計責任者と秘書のみで裏金化→議員は何かしらの罰を受ける可能性【公民権停止等】
③派閥で裏金化→会計責任者は起訴+議員は該当する幹部のみ罰則?

簡単に言えば連座制とはこの形ですが、
問題は②のケースが野党は今国会で求めている連座制であり、
③のケースは仮に連座制が導入された場合、
今回のような派閥での政治資金の不記載は誰が責任を取るか?

これにかかっています。

派閥の役職

続いて先ほどの派閥についてです。

以前Noteでもお伝えしましたが、派閥は自民党議員で構成されている
自民党外の組織であるため、党則の適用外です。

いわゆる自民党の外で永田町でオフィスを借りて
運営している政治団体というわけです。

そして派閥は今日まで議員の情報交換や若手中堅の育成や
人事の斡旋等がありました。

特に部会長人事は派閥の運営にとって不可欠です。

どの若手や中堅を希望する党の部会に入れるかも
派閥の力でしょう。

しかし今回の裏金問題にて自民党の党則が変更されたため
この人事の慣習は無くなりました。

【派閥のメリット】
①議員同士の情報交換
②副大臣・政務官・部会長の人事
③派閥幹部は総裁・役員に入れるかもポイント
④党や給料以外にも資金が入る

【派閥のデメリット】
①パー券のノルマが高い
②他、人間関係

ざっと言えばこのようなかんじです。

特にパー券のノルマが高いのは、本来国会議員は地元での知り合いや
党員は多くても、派閥のパーティー会場は東京です。

そのため地方で知名度が乏しい議員は
パー券が売れないのが難点です。

1枚あたり2万円の券を買ってくれる友人はなかなかいないのです。

さらに連座制の話に戻りますが、派閥の役職においても役割が違います。

【派閥役職】
会長・・・派閥のトップ
会長代行・・・会長不在時の派閥のトップ(代行は上)
会長代理・・・会長不在時の派閥のトップ
座長・・・派閥のナンバー2
副会長・・・派閥の幹部
事務総長・・・派閥の実務を担うトップ
事務局長・・・派閥の実務を担う幹部
顧問・・・派閥内の当選回数を重ねた議員がつくポスト

ざっと言えばこんな感じです。

しかし見ての通り派閥に役職は多く、
仮に派閥の連座制の場合は
誰が責任を取るのか?

ここが難しくなるのです。
そのためこの部分の議論もまた必須でしょう。


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