見出し画像

#07

テレビのチャンネルを変えていて「あれ、これ見たことがあるぞ。なんて映画だったかな?」と考えていて、ユアン・マクレガーが出たところでわかりました。

ユアンは好きな俳優として名前が上がることは少ないけれど、映画を自分で選んでいるというのか、娯楽大作とマイナーながら良質な映画のバランスが最高。
洗練されているのに野生的でもあり、やや童顔なので映画に独特なムードを加えます。日本で公開されているものは全て見ていて、とくにこの映画の2010年ごろには好きな作品が多い。

懐かしくなってDVDを借りてきて見直すことに。
ロマン・ポランスキーの、ちょっと童話的なところがありつつも、ずっと不安定でホラーの匂いがするような語り口は、いつ見ても感心します。

光とフォーカスはやけにフラットで、大きすぎるサウンドトラック、ほとんど揺れないカメラ、どれもが不自然で違和感が蓄積されていくのに、まったく不快ではない。

ほとんどの映画はルック(見た目)と役者の顔ぶれを見ると、どう転がって、どういうエンディングになるか予想できるものだけれど、ポランスキーはそこで安心させてくれないため、つい引き込まれてしまいます。
エンタメのようにスムーズに見られるのに、強烈な政治批判や社会性のあるメッセージを訴えている。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?