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写真家が自転車に恋をして #01

写真は自転車の喜びを、自転車は写真の楽しさを、深めて広げてくれると思うのだけれど、意外と両立するのが難しいです。
ロードバイクを快適に乗ろうとすると、速さと効率を求めるようになり、カメラの重さと大きさ、それを入れておく場所に悩まされることになります。
ストップ&ゴーが最も負担になるから、気になったところで足を止めてぱちぱち撮るというのも、実際には難しくて。

自転車が好きになってからまだ時間が経っていないので、出会いや気持ち、思いついたこと、試してよかったアイテムなどを忘れてしまわないうちに、 #自転車とカメラの素敵な関係  についての物語を。



思いがけない恋


初めてサンフランシスコに行ったとき、スナップ写真を撮るのに最高の街だと思いました。
ぎゅっとまとまった街の規模、坂があって海があってエリアごとに変化があり、道を曲がるたびに出会いと発見がある。店も洒落ているし、通行人も豊かで、エリアにもよるけれど基本的にフレンドリー。アメリカの都市でありながらヨーロッパの街のよう。

カフェが多いのも魅力。ブルーボトルコーヒーの朝食。
サンフランシスコの有名なアクネのパンを使っていて美味しい!


写真を撮りながらだったら一日30kmくらい歩けるけれど、サンフランシスコはバスと路面電車が整備されているので、組み合わせるのが理想です。

カメラ2台とレンズ3本くらいなら

嗅覚を頼りに歩いてみたくてガイドブックを持たなかったから、いまどこにいるのかわかりません。インターネットも最小限の利用にしようと思っていて。
帰国してから写真を見比べて、「有名な場所だったのか!」と驚くことも多かったです。

これぞサンフランシスコ

バスのフリーチケットを買い、やってきたバスに乗って、良さそうなところで降りて・・・というのを繰り返していて、小さな道に迷い込みました。
静かな小道を抜けると空が急に広くなって景観が変わり、「ああ、最高だな」と肌が震える感覚があって、そこがバレンシア。
聞いたところだとマーク・ザッカーバーグの家があるそう。いくらでもお金がある人が住みたくなるエリアってことですね。

日本でもお馴染みのブランドの本店が点在している


あまりに気に入って何度も往復しているうちに日が暮れてきて、赤みを帯びた淡い光のなか、ゆるい下り基調の道を滑るように自転車が走ってきました。すぐ前に止まったかと思うと慣れた仕草でラックにかけて、カフェに入っていきます。
その瞬間、自転車に恋をした。
クロモリなのかアルミなのかカーボンなのか、メーカーや仕様は、といったことを見分ける知識がなかったけれど、街の景観とセットでとにかく美しかったです。軽快で優雅、日常なのに特別に見えた。

ホテルの部屋に戻ったとき、自転車関連の通販で最大手ということだけ知っていたWiggleでいちばん安いロードバイクを注文していました。帰国して一日も早く乗れるように。

並行している大通りはタコスの美味しい店が多い

Wiggleの12~25万円くらいのロードバイクは定評あるけれど、五万円以下の安いほうはどうなのって思う人もいるでしょううが、ちゃんと担当者のサイン入り整備書がついていて、ブレーキやディレイラーなどの駆動部分に不安がなく、気軽に乗れてよかったです。

カメラと同じでロードバイクも、最初からちょっと無理して買うくらいの価格帯のほうが長い目で見たらいい気がしますが、自分の好みもわからないし、ロードバイクに慣れてないし、安いもので様子を見るのも悪くないのでは。ペダル別売だって初めて知りました。

サンフランシスコで恋に落ちて

このあと年末にサンフランシスコに行くのが恒例になり、同じ時間帯に、同じ場所に出向きます。
坂の多いサンフランシスコにあってフラットで道が広いのと、サイクルショップが数軒あって洒落ていて、素敵なローディーを見かけることも多いけれど、あのときのような光景に出会えていません。




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