集団思考の失敗

集団思考(英語では groupthinkという)は、ある集団がなぜ間違った判断を下すのかを説明するものである。日本の組織(政府から民間の小さな組織に至るまで)にそんな兆候が見られる。以下は集団思考の解説であるが、日本の集団に当てはめて考えると、思い浮かぶ事例が多いはずである。

「集団思考」という言葉を最初に政治分析に使ったのはアメリカの心理学者アーヴィング・ジャニスである。大失敗に終わったCIAのキューバ侵攻作戦をなぜケネディは承認したのか、などの事例を分析し、間違った決定に至る集団心理を明らかにした。
 その条件として① 集団の結束力、②欠陥のある集団構造、③パニック状態にあること、が挙げられる。集団の中で客観的なデータに基づく分析が行なわれずに結論が導かれる(例えば、「アベノマスク」。どのようにして決定に至ったのかを分析したら面白いと思うが、情報は出てくるだろうか)。リーダーの顔色を窺って、リーダーの言っていることを繰り返すだけであれば、意味がない。それが「忖度」である。「忖度」は集団構造としては欠陥である。

 集団思考には3つのタイプがある。それらをまとめると、自分たちは有能であると信じ込み(第1類型:自分たちの集団に対する過大評価)、外部の意見に耳を傾けることはなく(第2類型:閉ざされた意識)、声の大きい者の言うことをまねる(第3類型:均一性への圧力)。このような集団は誤りに陥りやすい最悪のものである。

欠陥のある決定の兆候
・代替案を充分に精査しない
・目標を充分に精査しない
・採用しようとしている選択肢の危険性を検討しない
・いったん否定された代替案は再検討しない
・情報をよく探さない
・手元にある情報の取捨選択に偏向がある
・非常事態に対応する計画を策定できない
出典)ウィキペディア(集団思考)

(参考)Britanicaの説明(https://www.britannica.com/science/groupthink)




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