見出し画像

キャリアは梯子ではなくジャングルジム

女性のキャリアを考えたとき、好きなフレーズがある

これからのキャリアは「梯子」型ではなく、「ジャングルジム」型


上記のFacebookのCOO シェリルさんの本に出てくる。

息子を出産する前に読んだときは、あまりピンとこなかった。

でも、子育てと仕事との折り合い、という多くの女性が直面する課題に例外なく困っている私にとっては改めて読んでみて、首がもげるくらいにうなずくことがたくさんある。

よく仕事と家庭のバランス、いわゆるワークライフバランスという言葉が使われるけれど、個人的にはバランスという時点で均等、みたいなイメージ?偏見?が先に立ってしまってあまり好きではない。

そもそも割合的なものは個人個人で違うし、その人が今どのフェーズ(例えば子供の年齢とか仕事の内容とか)によって仕事が2で家庭が8、とか仕事が6で家庭が4とか、いろいろあるから。

まあ言葉の使い方と私の好き嫌いはさておき、梯子とジャングルジム問題である。

シェリルさんの本にも詳しく書かれているけれど、以下は私なりの解釈。

梯子の特性と旧来型のキャリアを例えたことがとても分かりやすい。梯子はその特性から上にしか行けない。もちろん上に上がるためのものだから当然といっては当然だけれど。そして先に誰かが登っている場合は次に上る人は先の人のお尻ばかりを追いかけることになる。そして梯子は横展開はしない。幅が広めの梯子だったとしても、一緒に行けるのはまあ数人だけだ。

そして頂上まで昇りつめたときに見える景色は一番の人しか見れない。

極端な話、これをキャリアに例えると、先行する人がいる場合、その人が頂点まで上り詰めるか、途中で登るのをやめるかしないと、次の人は先頭には立てない。(第3の道としては、次の人が蹴落とす、という荒業もあるかな)。

でもジャングルジムは違う

基本的に立方体(もしくは球型)だから、いろんな面があるので何人かで例えば話しながらでも上ることができる。そして途中で疲れたら休憩することもできる。そして違うルートの人にそっちはどう?って話が聞けるかもしれない。

様々な面の様々な高さがあり、見える景色は違う。
同じ頂上に上ったとしてもそれぞれたどってきた道も違うので、自分の道をシェアしあうこともできる。

そう、まさにこれがこれからのキャリアの在り方なんではないかと思う。

梯子だとルートはひとつしかなかったり、次の人が来ているから休まず登り続けることが求められているかもしれない。

でもジャングルジムは違う。
多様なルートがあり、自分の今の状態や環境に合わせて一休みしたり、同じ高さ(フェーズ)でも違うルートに道を変えたり、もしくは別のルートで一段下がったり、といろんな選択ができる。

その人の人生のフェーズに合わせて多様な選択肢があるキャリア形成が今の、そしてこれからのキャリアの在り方なんだと改めて思う。

例えば、いまあなたが会社員で40代だったら、
そろそろ入社して(もしくは社会人になって)20年近く経つことになる。20年といえばなかなかの時間。「今の仕事が嫌いなわけではないけれど、このままでいいんだろうか」とか「もうそろそろこの仕事にも飽きてきたな、これからの自分の学びとか成長ってここにあるのかな」とか思い始めても不思議ではない。

例えば、フリーランスになって5年以上が経過している方だったら(私はこれにまさしく当てはまるのだけど)、いまやっている領域の仕事に手詰まり感を感じ始めているとか。

まさにあるあるの話である。

でもこの会社員にしてもフリーランスにしても、この手詰まり感こそ旧来型つまり梯子型のキャリアの考え方の枠そのものではないだろうか。横展開できない梯子型。

でも実際は前提を梯子ではなくジャングルジムに変えることも出来る。

置かれている状況(会社員であったりフリーランス)はすぐには変えれなくても、今いる立場で出来ること、もしくは繋がれる場(例えば女性の働き方委員会もそうだろう)がジャングルジムでいう向かい側の面とか隣の面なのかもしれない。

****

私はキャリアコンサルタントという仕事柄、たくさんの方の履歴書やキャリアの軌跡を拝見してきた。その中でキャリアは渦中にいると気づかないけれど、振り返ってみたら全てが繋がっている。そしてそのキャリアの分岐点にはほぼ100%といっていいほど「人との出会い」がある。

いま、自分の仕事やキャリアに手詰まり感を抱えているなら、何かしらこれまでとは違う場、もっと言えば「いつも周囲にいる人とは違う人」に会える場に出かけていくことだ。今の時代、オンラインサロンもオンラインイベント、いわゆるコミュニティ、そしてオンラインで学べることはたくさんある。

その中で見る景色はおそらくこれまでの梯子型で見ていた圧迫感とは全く違うものだと思う。

つまりは「自分」にはいろんな側面があるということだろう。逆を言えば、いろんな側面の自分(例えばこのコミュニティの中の自分とか)を作ったほうがキャリアが立方体になって面白くなるということでもある。
会社員であったりフリーランスでも一つの領域だけの自分ではない。
まさにジャングルジムのように。

もう一度言おう。
キャリアを平面ではなくジャングルジムのように立方体にすることで、間違いなく今以上にあなたの人生は面白くなる。

いま、自分のいる場所で立ち止まりかけている人、私のように仕事と家庭の両立でしんどい人には伝えたい。

今いる場所で見えてる景色と違う面に行ったときに見える景色はきっと違う。今の場所でどうにもこうにもいかなくなったら、いったんそこで座って一息ついてみる、となりの人にきいてみる、違うルートに移ってみる、などいろんな選択肢があることを。まさにそれがジャングルジム型、立方体のキャリアなのだろう。

これしかない、と思うから余計にしんどくて辛い。
でも回り道でもいろんなルートがあって、そして休みながらでも歩みを止めなければ自分にしか見えない景色が見えるのだと思う。





この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?