【声劇フリー台本】お別れ

お互いに愛し合っているけど何らかの退っ引きならぬ理由でお別れをしなければならないという台本です。
一人用と二人用がありますのでお好みに合わせてお使いください。

二人用台本は一人用台本と若干内容が異なります。
また、二人用台本は「」と【】で読み手を分けて表記しています。

泣いている描写が入りますので、存分に泣いてください。

※ご利用の際は利用規則をご一読くださいますようお願い申し上げます。


【利用規則】


◆この台本の著作権は全て影都千虎に帰属しています。

 商用・非商用問わずご利用いただけます。
 ご自由にお使いください。

 利用時のご連絡は任意ですが、ご連絡をいただけますと大変励みになりますし、喜んで影都千虎が拝聴致します。

 音声作品には以下を明記するようお願いいたします。

・作者名:影都千虎
・当台本のURLまたは影都千虎のTwitter ID
(@yukitora01)

 配信でのご利用も可能です。
 配信で利用される際には、上記二点は口頭で問題ございません。
 また、配信で利用される場合、台本を画面上に映していただいて構いません。

 台本のアレンジはご自由に行いください。
 便宜上、一人称・二人称を設定しておりますが、いずれも変更していただいて問題ございません。

◆無断転載、改変による転載、自作発言は絶対におやめください。


【台本 sideA】


 本当に、行っちゃうんだね。
 そんなに急がなくても、もう少しぐらいここに居たっていいんじゃないかな?
 そっか、そうだよね……無理、だよね。

 今まで、色んなことがあったね。
 一緒に色んなところに行って、色んなものを食べて……楽しかったなぁ。
 出来ることなら、あの頃にまた戻りたいよ。
……なーんてね。

 いやだなぁ、冗談だってば。
 だから、そんなに困った顔しないでよ。


 本当に、最後まで優しいね。優しすぎるよ。
……まぁ、そんなところが好き、だったんだけど、ね。


 あれ……? おかしいな……?
 泣くつもりじゃ、なかったんだけどな……

 ごめん、ちょっと待って。


 ッ、ど、どうしよう……止まんない、や……っ
 うっ……ッく、
 ご、ごめん……ごめんね……
 笑って、バイバイする、つもりだったのに……


 嫌だなぁ……なんでそんな優しい顔をするの?
 そんな顔をされたら……っ

 ズルいよ……
 本当は、もっと沢山わがままを言って、困らせてやろうって思ってたのに!
 そんな、そんな顔されたら……っ!
 何も、言えなくなる……


……ねぇ
 いかないで、って言ったらどうする?

 あはは……そうだよね。うん、知ってた。
 どうしようもないことだからね。

 それじゃあ……本当に、これでお別れだね。
 ずっと、祈ってるよ。
……重いかな? でも、やめてあげない。


 ばいばい。
 愛してるよ。


【台本 sideB】


 うん、行かなきゃいけないんだ。
 行くって、決めちゃったからね。

……名残惜しいけど、もう時間がないんだ。

 そうだね。色んなことがあったね。
 楽しかったけど、随分と昔のことのように感じるよ。

……あの頃に戻れたら、か。
 ははは。そうなれたらどんなに良かっただろうね。

 え? 冗談?
 そっか……冗談、か。
 いいや、なんでもないよ。うん、なんでもない。


 優しい? そんなことは……ないんじゃないかな。
 それでもまだ『好き』って、いってくれるんだね。
……ありがとう。本当に嬉しいよ。


……ごめん。そうさせたのは俺だね。
 好きなだけ泣いていいよ。我慢なんかしないで、さ。
 悪いのは全部、俺だから。

 もっと、ワガママだって言って良かったんだよ。
 もしかしたら俺は、君に困らせて欲しかったのかもしれないね。
 だけど……もう、今更だね。


 いかないで、か。
 いきたく、ないなぁ……

 でもごめん。そのワガママは聞けないよ。
 それだけは駄目なんだ。


 そうだね。お別れの時間だ。


…………ははっ
 あはは、あははははっ……

 最後の最後に……愛してる、なんて……ッ
 俺も……、俺、だって……っ、

 は、はは……
 嗚呼……本当に、今更……だったな。


 俺も……愛してるよ。


【二人用台本】


「本当に、行っちゃうんだね」

【うん……そう、決めたからね】

「そんなに急がなくても、もう少しぐらいここに居たっていいんじゃないかな?」

【ごめん……それは、出来ない】

「そっか、そうだよね……無理、だよね」


「……今まで、色んなことがあったね」

【……ああ、そうだね】

「一緒に色んなところに行って、色んなものを食べて……すごく、楽しかった」

【……なんだか、随分と昔のことのように感じるよ。懐かしいな】


「出来ることなら……」

【え?】

「……出来ることなら、あの頃にまた戻りたい」
「……なーんてね」

【……ははは、そうだね】
【そうなれたら、どんなに良かっただろうね】

「いやだなぁ、冗談だってば」

【え? 冗談?】

「うん、冗談だよ」
「だから、そんなに困った顔しないで?」

【冗談……そっか。冗談、か】

「どうかした?」

【いいや、なんでもない。なんでもないよ】


「……ふふ。本当に、最後まで優しいね。優しすぎるよ」

【そんなことは……ないんじゃないかな】

「いいや、優しいよ。すっごく優しくて、不安になるくらい」

「……まぁ、そんなところが好き、だったんだけど、ね」

【……ッ、まだ、そう言ってくれるんだね】
【ありがとう、本当に嬉しいよ】

「うん……好き、だよ……」


「あれ……? おかしいな……?」
「泣くつもりじゃ、なかったんだけどな……」
「ごめん、ちょっと待って」


「ッ、ど、どうしよう……止まんない、や……っ
「うっ……ッく、」
「ご、ごめん……ごめんね……」
「笑って、バイバイする、つもりだったのに……」


【……ごめん。そうさせたのは、俺だね】
【好きなだけ泣いていいよ。我慢なんかしないで、さ】
【悪いのは全部、俺だから】


「嫌だなぁ……なんでそんな優しい顔をするの?」
「そんな顔をされたら……っ」

「ズルいよ……」
「本当は、もっと沢山わがままを言って、困らせてやろうって思ってたのに!」

【……うん】

「そんな、そんな顔されたら……っ!」
「何も、言えなくなる……」

【……そっか】
【わがまま、もっと言って良かったんだよ】
【俺はね……君に、困らせて欲しかったのかもしれない】


「いまさら、そんなこと……っ」
「なんで……っ!」

【……本当に、今更だね。ごめん】


「……ねぇ」

【何?】

「いかないで、って言ったらどうする?」


【……いきたく、ないなぁ】
【でもごめん、そのわがままは聞けないよ】
【それだけは、駄目なんだ】

「あはは……そうだよね。うん、知ってた」
「どうしようもないことだからね」

【ああ、本当にごめん】

「……いいよ。だって君だもん」
「それじゃあ……本当に、これでお別れだね」

【そうだね。お別れだ】


「ずっと、祈ってるよ」
「……重いかな? でも、やめてあげない」


「ばいばい」
「愛してるよ」


【…………ははっ】
【あはは、あははははっ……】

【最後の最後に……愛してる、なんて……ッ】
【俺も……、俺、だって……っ、】

【は、はは……】
【嗚呼……本当に、今更……だったな】

【俺も……愛してるよ】

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