【声劇フリー台本】最期の対峙

どうしても譲れないものがある二人の最期の問答をする台本です。
たくさん泣いて、たくさん叫んで、感情をぶつけていただけると嬉しいです。

一人用、二人用の台本がございますので、お好みのものをご利用ください。
舞台設定などはご想像にお任せいたします。

また、二人用台本では「」と【】で読み手を分けて記載しています。

※ご利用の際は利用規則をご一読くださいますようお願い申し上げます。


【利用規則】


◆この台本の著作権は全て影都千虎に帰属しています。

 商用・非商用問わずご利用いただけます。
 ご自由にお使いください。

 利用時のご連絡は任意ですが、ご連絡をいただけますと大変励みになりますし、喜んで影都千虎が拝聴致します。

 音声作品には以下を明記するようお願いいたします。

・作者名:影都千虎
・当台本のURLまたは影都千虎のTwitter ID
(@yukitora01)

 配信でのご利用も可能です。
 配信で利用される際には、上記二点は口頭で問題ございません。
 また、配信で利用される場合、台本を画面上に映していただいて構いません。

 台本のアレンジはご自由に行いください。
 便宜上、一人称・二人称を設定しておりますが、いずれも変更していただいて問題ございません。

◆無断転載、改変による転載、自作発言は絶対におやめください。


【台本 sideA】


 どうしても、引くつもりはないんだね。
 君がこんな分からず屋だと思わなかったなぁ。

 君がどうしてもやめないと言うのなら、僕は全力で君を止めるよ。
……例え、それが君を殺すことになってしまったとしても。
 君との未来が消えてしまうとしても。

 どうして……こんなことに、なっちゃったのかな?
 こんな筈じゃ無かったのにね。

 僕は、いつまでも君と平和に過ごしたいって、あの平穏な日々がいつまでも続けばいいのにって思っていたよ。


……君も同じことを考えていてくれてたの?
 だったら、今からでも遅くないよ。
 今ならまだ、引き返せると思うんだ。
 だから……っ!


……あはは、そうだよね。
 君がこんなことで自分の考えを変える訳がないよね。知ってた。

 僕? 僕だって君を止めようって気持ちに変わりはないよ。
 それだけは絶対に譲らない。譲れないよ。

 あはは……いつまで経っても平行線だね、僕たち。仕方ないね。


 それじゃあ、そろそろ……終わらせよう。



……君は、本当に馬鹿だね……っ!
 僕に、止めて欲しかったなら……っ、最初から、こんなこと……しなきゃよかったのに!
 っ、どうして! どうして……っ!

 僕の手で最期を迎えたかった……って?


 君は、最期までズルいことを言うね。
 僕も……僕も、君を他の誰かに殺されるなら、この手で……って、思っていたよ。

……だけど、こんなのって……、こんなのって、あんまりだよ……っ!


 う……っ、うぁ、……うあぁっ!

 嫌だ……君にはこれからも……これからも生きていてほしい……ッ!
 死なないで……、死んじゃ、嫌だよ……っ!
 僕と一緒に、『これから』を過ごそうよ……っ!


 おかしいなぁ……覚悟なんて、とっくに決めてたのに……
 いざ、お別れが来ると……涙が、止まんないや……っ


 あ、はは……っ
 なんて、顔してるのさ……!
 一人で、勝手に満足そうに……!

……さようなら、愛しい君。
 ゆっくり、おやすみ。



【台本 sideB】


 ああ、思っていたよりも遅かったな。
 お前のことだから来るだろうとは思っていたよ。

 私を止めにきたんだろう?
 止められるものなら止めてみたまえよ。

 ああ、そうだ。
 来るなら殺す気できたまえ。
 私は生きている限り、己の信念を曲げるつもりはないぞ。


 お前との未来か……お前が諦めてさえくれれば、訪れる筈だが……
 私たちの思想は相容れない。無理だろうな。


 どうして、こんなことになったんだろうな?
 ふふ……こんな筈では無かったと、後悔しているのか?
 お優しいことだ。
 こんな私を前にしても尚、そう思えるお前が、私には眩しくて仕方なかったよ。

 お前との平穏な日々は中々に悪く無かった。
 ずっと、お前とああして過ごせていたらどんなに良かっただろうな。


……どうだろうな。今からでも遅くない、と本気で思っているのか?
 今ならまだ、やり直せると、本当に思っているのか?

 残念ながら、もう手遅れだ。
 私たちは、引き返せないところまで来てしまっているのだよ。

 ああ、そうだよ。
 私の考えが変わることはない。絶対にな。
 そう言うお前はどうなんだ?

……だろうな。お前は、頑固者だからな。
 お互いに、譲ることなんてできる訳がない。

 ははは、私たちの意見が一生交わることはないな。
 そういうものだ。仕方がない。


……ああ、終わりにしよう。



……っふ、……ははは。
 相変わらず、容赦が……ない、なぁ……
 そんなお前、だから……私を止めてくれると、信じていたよ……

 ッぐ、……はは
 最期の最期に……いいものを、みた。
 私、なんかの……為に、泣いてくれるとはなぁ……

 ふふ……私はな、……お前の手で、終わりを迎えたかったんだ……
 お前も、同じことを……思って、いたんだな……ッぐ、
 やっと、意見が……一致した、じゃあ……ないか…………

……ッ、ははは……そうやって泣かれると、こちらももらい泣き……して、しまうなぁ……っ
 そう、だな……、私も、もう少しだけ……お前と、生きて……いたかった、よ……っ


 死にたく、ない……なぁ…………

 お前に、出会えて……っ、私は、……幸せ、だった…………よ……



【二人用台本】


「……どうしても、引くつもりはないんだね」

【ああ、思っていたよりも遅かったな】
【お前のことだから来るだろうとは思っていたよ】

【私を止めにきたんだろう?】
【止められるものなら止めてみたまえよ】

「……はは、君がこんな分からず屋だとは思わなかったなぁ」

【っは、それはお互い様だな】

「君がどうしてもやめないと言うなら、僕は全力で君を止めるよ」
「……例え、それが君を殺すことになってしまったとしても」

【ああ、来るなら殺す気できたまえ】
【私は生きている限り、己の信念を曲げるつもりはないぞ】

「そっか。そうだろうね」
「なら、僕も絶対に自分の信念を曲げないよ」

【はは、頑固者だな】

「それはこっちの台詞だよ」


「君との未来が消えてしまうかもしれない」
「だけど、もう覚悟は決めてきた」

【ああ、そんな目をしているな】
【お前との未来か……お前が諦めてさえくれれば、訪れる筈だが……】

「諦めるわけ、ないよ」

【だろうな】
【私たちの思想は相容れない】
【到底無理だろうな】


「本当に、君は……ッ!」
「どうして……どうして、こんなことになっちゃったのかな?」

【どうしてだろうな?】

「こんな筈じゃなかったのにね」

【ふふ……後悔しているのか?】
【お優しいことだ】
【こんな私を前にしても尚、そう思えるお前が、私には眩しくて仕方なかったよ】

「…………ッ!」
「僕は、いつまでも君と平和に過ごしたいって、あの平穏な日々がいつまでも続けばいいのにって思っていたよ」

【そうだな】
【お前との平穏な日々は中々に悪く無かった】

「ッ! 君も、同じように思っていてくれてたの?」
「だったら、今からでも遅くないよ」

【……どうだろうな】
【お前はそう、本気で思っているか?】
【今ならまだ、やり直せると、本当に思っているのか?】

「やり直せるよ!」
「今ならまだ引き返せるって、僕は思ってる」
「だから……!」

【いいや。残念ながら、もう手遅れだ】
【私たちは、引き返せないところまで来てしまっているのだよ】

「……あはは」
「そうだよね。こんなことで考えを変える君じゃなかったね……」

【ああ、私の考えが変わることはない。絶対にな】
【そう言うお前はどうなんだ?】

「……僕だって、この気持ちに変わりはないよ」
「それだけは絶対に譲らない」

【だろうな。お前は、頑固者だからな】
【お互いに、譲ることなんてできる訳がない】

「あはは……いつまで経っても平行線だね、僕たち」

【そういうものだ。仕方がない】

「それじゃあ、そろそろ……終わらせよう」

【……ああ、終わりにしよう】



【……っふ、……ははは】
【相変わらず、容赦が……ない、なぁ……】

「……君は、本当に馬鹿だね……っ!」

【はは……そんなお前、だから……私を止めてくれると、信じていたよ……】

「ッ! 僕に、止めて欲しかったなら……っ、最初から、こんなこと……しなきゃよかったのに!」
「っ、どうして! どうして……っ!」

【ッぐ、……はは】
【最期の最期に……いいものを、みた】

「……へ?」

【私、なんかの……為に、泣いてくれるとはなぁ……】

「当たり前、だよ! この馬鹿っ!」
「僕が……僕が! っ、僕がどれだけ君のことを……っ!」

【ふふ……私はな、……お前の手で、終わりを迎えたかったんだ……】

「君は、最期までズルいことを言うね……」
「僕も……僕も、君を他の誰かに殺されるなら、この手で……って、思っていたよ」

「……だけど、こんなのって……、こんなのって、あんまりだよ……っ!」

【お前も、同じことを……思って、いたんだな……ッぐ、】
【やっと、意見が……一致した、じゃあ……ないか…………】


「う……っ、うぁ、……うあぁっ!」

「嫌だ……君にはこれからも……これからも生きていてほしい……ッ!」
「死なないで……、死んじゃ、嫌だよ……っ!」
「僕と一緒に、『これから』を過ごそうよ……っ!」

【……ッ、ははは……そうやって泣かれると、こちらももらい泣き……して、しまうなぁ……っ】
【そう、だな……、私も、もう少しだけ……お前と、生きて……いたかった、よ……っ】


【死にたく、ない……なぁ…………】


「おかしいなぁ……覚悟なんて、とっくに決めてたのに……」
「いざ、お別れが来ると……涙が、止まんないや……っ」

【お別れ……か…………】
【……お前に、出会えて……っ、私は、……幸せ、だった…………よ……】


「あ、はは……っ」
「なんて、顔してるのさ……!」
「一人で、勝手に満足そうに……!」
「言いたいことだけ勝手に言って!」

「ねぇ、死なないでよ……もう一度目を開けて、いつもみたいに意地悪なことを言ってよ……!」
「嫌だよ……っ!」

「あ、はは……本当に、逝ってしまったんだね……」
「……さようなら、愛しい君」
「ゆっくり、おやすみ」

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