【BL声劇フリー台本】花紺青の手紙

手紙のやりとりだけのBL二人用台本です。
解釈によって立場や関係性が大きく変わりますのでそこも含めてお楽しみ下さい。

台本では「」と【】で読み手を分けて記載しています。
地の文は【】の人が読んでください。

《》の箇所はそのままでもお読みいただけますが、読み手の方のお名前などお好きな名前を入れていただいてもお楽しみいただけます。
一番最後の【】は読んでもいいですし、読まなくてもいいです。
読む場合は思い思いの言葉を入れてください。

この台本は男性が演じてください。

ご利用の際は利用規則をご一読くださいますようお願い申し上げます。


【利用規則】


◆この台本の著作権は全て影都千虎に帰属しています。


 商用・非商用問わずご利用いただけます。
 ご自由にお使いください。


 利用時のご連絡は任意ですが、ご連絡をいただけますと大変励みになりますし、喜んで影都千虎が拝聴致します。


 音声作品には以下を明記するようお願いいたします。
・作者名:影都千虎
・当台本のURLまたは影都千虎のTwitter ID
(@yukitora01)


 配信でのご利用も可能です。
 配信で利用される際には、上記二点は口頭で問題ございません。


 また、配信で利用される場合、台本を画面上に映していただいて構いません。


 台本のアレンジはご自由に行いください。
 便宜上、一人称・二人称を設定しておりますが、いずれも変更していただいて問題ございません。
 性別変更は不可とします。
 この台本は男性が演じてください。


◆無断転載、改変による転載、自作発言は絶対におやめください。


【台本】


 郵便受けに、差出人の無い一通の手紙が入っていた。
 花紺青はなこんじょうの封筒に赤色の封蝋ふうろうがされている。
 封蝋ふうろうには薔薇の花が描かれていた。

 全く覚えのない手紙だ。けれど何故か、不信感は抱かなかった。


 封を切ると甘い香りがふわりと漂う。
 この香りを懐かしいと思ったのは何故だろう。
 手紙にはこう書かれていた。


「《君》へ」

「突然こんな手紙を送ってしまってごめんなさい」
「でも、どうしても《君》とお話がしたくて、こんな手紙を送ってしまいました」
「怖がらせてしまったらごめんなさい」

「《君》に危害を加えるようなことは絶対にしません」
「だから、どうか、俺が送る手紙を受け取ってもらえると嬉しいです」

「それから、《君》さえ良ければ、いつか手紙の返事を下さい」

「追伸 雨が降ってきましたね」


【……なんだ、これ】


 どう考えても怪しい手紙だ。
 この筆跡に覚えはないし、名前も無いから誰なのかも分からない。
 追伸の意味も分からない。ここのところ雨は降っていない。

 それなのに、どうしてこの手紙を愛おしいと感じてしまうのだろうか。


 手紙の香りが消えた頃、次の手紙がやってきた。
 相変わらず花紺青はなこんじょうの封筒に赤色の封蝋ふうろうが押されている。


「《君》へ」


「手紙を受け取ってくれてありがとう」
「《君》は本当に優しい人ですね」

「全く関係のない、俺の話なのですが」
「《君》のことを考えていたら、よく見知った場所なのに迷ってしまいました」
「こんなこともあるんですね」

「また同じように迷ってしまったら、《君》は俺のことを笑ってくれますか?」

「追伸 雨は止みそうにありませんね」


【……ははっ、なにをやってるんだか】

 手紙を読み終えると思わず笑みを漏らしている自分に驚いた。
 知らない相手の筈なのに、変わってないなと愛おしく思ってしまったのはどうしてだろうか。


【名前……】
【せめて、名前を教えてくれよ】


 返事を書きたいと思った。
 なのに、俺はこの手紙の主の名前を知らない。
 どうしたら返事が届くのかも分からない。



「《君》へ」

「今日はどんな日でしたか?」
「《君》の目にはどんな景色が見えていますか?」

「こちらは月がとても綺麗です」
「俺が今見上げている空と同じものを《君》が見ていたらいいなって、そんなことを思いました」

「もうすぐ流星群が見られるそうです」
「もし願いが叶うとしたら、《君》は星にどんなことを願いますか?」


 手紙を読み終えると、一粒の雫が零れて弾けた。


【……ああ、そうか……そういうことだったんだな……】
【ずっと、ずっと俺に想いを伝えてくれていたんだな……】

【なのにどうして、俺はお前のことを思い出せないんだろうな】
【知ってる筈なのに……俺も、お前のことを愛していたのに、どうして……っ】


【もし、願いが叶うとしたら、俺は】
【           】


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