見出し画像

お下がりかわいそうって言うのやめませんか?

私もご多分に漏れずお下がりはかわいそうだなぁと思っていました。私は娘が2人いますが、やっぱりどうしてもひとり目の子は新品で2人目の子はお下がりになりがちです。上の子はひとり目だからたくさん新品を使わせてもらえて、下の子はお下がりばっかりじゃかわいそうだなと思っていました。

ところが、この考えを改めさせられる出来事がありました。上の子が、今年から幼稚園で年少から年中に上がったのですが、どうやら年中からはお道具箱を使い始めるようなで、そのお道具箱をご近所さんから譲っていただくことになりました。その子は今年から小学校に上がるのでもう使わないとのことでありがたく頂きました。

その話を奥さんから聞いた時、私は初めてのお道具箱ぐらい新品のを買ってやってもよかったんじゃないかと思いました。やはりお下がりですから、その子の名前も書いてあるし、多少傷もあります。本当に良かったのかなぁ・・・と言う気持ちでいました。

次の日、娘とお道具箱について話してみました。

私「お道具箱、譲ってもらったんだって?」
娘「うん、○○お兄ちゃんが使ってたのもらったんだぁー!!」
私「そうなんだぁ〜!(ん・・・?嬉しそう・・・・?)」
娘「ずっとお道具箱使いたかったんだよね〜!(お下がりのお道具箱をギューっと大事そうに抱きしめる)」
私「良かったね〜!」

私は娘の反応に違和感を感じました。お下がりなのに嬉しいの?って。まぁでも本人が不満そうじゃないし(不満どころかとても嬉しそうだった)、お下がりでもいいかと思い直しました。

その後、娘2人が遊んでいたりする様子をみてようやく気づきました。下の子はお姉ちゃんが使っているおもちゃで遊びたくなってそれを横取りしようとしたり、お姉ちゃんの服を自分も着ようとしたりするんですよね。要は自分より年上のお兄ちゃんやお姉ちゃんが使っているものに憧れがあって、自分もそれを使ってみたいっていう気持ちを持っているんですよね。

恐らく、お道具箱も、年中さんになったらやっと使える、あの憧れのお兄ちゃんやお姉ちゃんたちが使っているお道具箱がやっと自分も使えるようになる!って言う願いが叶った喜びだったのかなと思います。

それなのに、なんで私が「お下がりかわいそう」って思ったのか考え直してみました。自分が働いてお金を稼ぐようになって、程度にお金を持ってくると、お金を使って新しいものを買ってやるのが一番良いって思ってしまったり、あるいは、お下がり使わせるなんてあの家お金ないのかしら?とか思われないように(あるいは子ども同士でもそういうことを言われないように)とか、なんかそんな感じなんですよね。

子どもは元来、生まれてから育っていく過程で「お下がりかわいそう」なんて言う感情は持ってないんですよね。むしろ真逆で憧れのお兄ちゃんやお姉ちゃんが使っているものを使いたいって思っているんですよね。それなのにいつの間にかそう言う感情を持ってしまっているのは、大人たちが「お下がりなんてかわいそう」って言いまくっているからだと思うんですよね。

私も子どもの頃、古びたものを使っている友達とかそう言う文脈で茶化したことがあるような気がします。もう既に、私はその頃からそう言う価値観になってしまっていたんですね。。。今思えばなんて心の貧しい奴だったんでしょうね。物が新しくても、心が貧しいんじゃ満たされることなんてないですね。物なんていくら新品買ってきても使い始めた瞬間に古されていくわけで、私は子どもの頃から新しいもの買ってもらってもすぐに大切にしなくなったり、独身で稼ぎ出した頃なんて将来のこともろくに考えていなかったので、アホみたいに金使って新しいものを買っては捨ててを繰り返していましたね。ただのアホですね。

せっかく子どもたちが憧れの「お下がり」を手にしても、大人たちが「お下がりかわいそう」なんて言ったら、台無しですね。それどころかその子の心も貧しくなるし、新しい物を買ってもらわないと気が済まなくなって余計なお金もかかるわで色んな意味で貧しくなりますね。

そんなわけで、これからは子ども達がお下がりを使えるようになったら、「あのお兄ちゃんやお姉ちゃんみたいに大きくなってこれ使えるようになれたね、良かったね!」って言おうと思います。多分みんなそれで幸せになれると思います。

それでもいつか子ども同士でも(私のような)心無い子から茶化されて傷つくこともあるかもしれませんが、その時は親がしっかりフォローしてやれば良いかと思います。

娘から教わった大切なことを忘れないように書き留めておこうと思ってここに記しておくことにしました。おしまい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?