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様々なルーツを持つ人達と、多国籍な料理を楽しんできました♫ in名古屋

約1週間、名古屋に行ってきました♫ 主目的はイラン出身のRさんの脊柱管狭窄症手術の入退院に立ち会うことでしたが、仮放免者を受け入れるシェルターに宿泊させてもらったので、さまざまなルーツを持つ方との交流もできました。

この記事では仮放免という言葉を多用します。仮放免者=犯罪者と思う人もいるかもしれませんが、それは正しくありません。詳しくは記事の最後に記載しますので、ぜひ最後まで読んでください。

では、料理の話を始めましょう

1・Rさんが振る舞ってくれたペルシャ料理

Rさんは脊柱管狭窄症で腰の痛みに苦しんできました。しかし、経済的に手術の選択が困難だったので、ゆっきー舎では2021 年4月から募金の呼びかけを開始、皆様のご協力のおかげで目標金額が集まり、手術が可能となりました。

手術の入退院に立ち合うために名古屋入りしてRさんの家を訪ねると、Rさんは痛み止めで腰の痛みを抑えて、私のためにペルシャ料理を作ってくれました。

Rさんとは緊急事態宣言中、電話でペルシャ料理のレシピを何度も話していたので、私の訪問に合わせて何品も料理してくれたのです

この気遣い、まじ泣けます(ToT)

その日の料理を連発で紹介しましょう。

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こちらはクビデ(キャバブ)↑、牛挽肉と玉ねぎを練って焼いたものです。焼いたトマトをつけるのもペルシャ流です♫ 

そのまま食べてもジューシーで美味しいですが、トルティーヤで巻いても美味です

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続いてはRさんがイスタンムリポロと呼ぶご飯ものです↓

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玉ねぎと挽肉を炒め、カリッと焼いたジャガイモ加えます。その具と茹でたバスマティライスを層にして蒸した料理です。

わかりにくいので仕上げ工程を絵にしました↓

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これはポロと呼ばれるペルシャ料理の調理方法です。トルティーヤではなく、ナンやジャガイモを底に敷くこともあります。この状態で弱火で加熱すると、底面はカリッと美味しいオコゲになり、米に具の味が染み込んで美味しく仕上がります。

私も何度か挑戦しましたが、加熱時間がわかりにくく、底を焦がしてしまうことがありました。しかしRさんは香りでタイミングを判断し、美味しく仕上げてくれました‼️

(*゚▽゚*)    Rさん、グレイトです!


お次はホレシュテ キャラフス(セロリのシチュー)↓。

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セロリは煮込むと甘味が出るし、香りも良く、サッパリ食べやすい一品です。

もう二品、ゴルメサベゼ野菜サラダがあったのですが、写真撮り忘れました💦

Rさん ごめんよぅ (>人<;)


ゴルメサベゼはハーブとドライレモン、肉、豆を煮込んだ酸味のあるシチューで、日本では見かけない味です。参考に高円寺のペルシャ料理専門店・ボルボルさんの写真をあげておきます。

見た目で若干抵抗あるかもしれませんが、酸っぱいものが好きな人、珍しいものを食べたい人にお勧めです。(珍しいけど、変な味じゃないですよ♫)

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Rさんのゴルメサベゼは酸味控えめの優しい味でした。

Rさん、本当にありがとう&ごちそうさま♫



2・シェルターにて、ゆっきー作スリランカ料理

今回宿泊したシェルターは、名古屋入管で亡くなったウィシュマさんが、もし生きていれば滞在予定だった場所です。

ウィシュマさんは料理が得意だったそうで、仮放免されたら支援者たちにスリランカ 料理を振る舞うと約束していました。

ウィシュマさんがまだ生きていた時期に私もその話を聞いて楽しみにしていたこともあり、ウィシュマさんの死後、私はスリランカ料理の勉強を開始。ネットでレシピを見つつ、専門店で作り方を尋ねたりして少しずつ習得。シェルター宿泊のお礼として、今回初めて披露することにしました。

こちら↓はスリランカ風ワンプレート盛り付け例です。

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上の盛り付けでは隠れてしまいましたが、アラ・テルダーラはウィシュマさんの大好物だったメニューです。(ご遺族からの情報)

アラ・テルダーラの作りたての状態はこちら↓

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スパイスの香りを移したオイルで、しっかりジャガイモを炒めます。ネギのような葉・ランペがバニラに似たほのかな甘みを出してくれます。

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ランペはカレーにも使います。スリランカのカレーはかなり辛いものが多いですが、今回はスリランカで多用されるココナツミルク多めでマイルドに仕上げました。

3・仮放免直後の人たちを癒す沖縄の味

名古屋滞在中、たまたま3人の仮放免者がシェルターに入居する場面に立ちあえました。

支援者の中に沖縄出身でカフェ運営をされている方がいて、新入居者を癒すために沖縄そばを作ってくれました↓

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ホロホロの豚肉、さっぱりした出汁、沖縄そば特有のしっかりした麺、「あ〜、沖縄行きたい」と、唸ってしまうほど美味しかったです♫

沖縄そばだけでなく、他のメニューもいっぱい!

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炊き込みご飯↓ の写真ボケちゃいました💦 キレイに撮れなくてごめんなさい。

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4・シェルターでの食事について

仮放免された3人は、最初の数日は少し心配するほど食が細く見えました。しかし、入管内で義務的に出される食事ではなく、作った人の顔が見える状況、みんなで楽しく食べる環境に慣れてくると、徐々に食べる量も増えました。

命を維持するだけなら入管の食事でも足りるのでしょうが、食事は生きる楽しみにもなります。

また、体調を踏まえた食事をすれば、不調からの回復を助けることも可能です。シェルターを運営する人に聞いた話ですが、ある入居者は入管内で便秘に苦しんでいたのに、シェルター生活数日で体調改善したそうです。医食同源という言葉が実感できるお話ですね。


入管の収容は基本的に無制限なので、誰もが心身に不調をきたします。中には自殺する人もいますし、医療体制が悪いことから収容中に命を落とした人もいます。

シェルターで入居者が抱える問題を全て解決できるわけではありませんが、まず人間らしい生活を取り戻せば健康状態も良くなり、そこから先をどうするかと考える力を取り戻すことができます。

仮放免直後に笑顔が無く食べる意欲も乏しかった人が、普通の暮らしをすることで収容の緊張が緩和放され、笑顔を取り戻した例をマンガで紹介します。

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期限が無い収容はそれ自体が拷問です。法治国家では罪を犯した人を法に沿って罰することは許されています。しかし、無期限収容などの拷問は許されない行為です。

まして、日本は国際人権規約を批准していますから、人権を守る義務があります。

私達が納めた税金で活動する「入管」の動きは適切なのか? この機会にぜひ考えていただきたいと思います。

5・シェルター入居者が作ってくれた美味しい料理♫

私が訪問したシェルターでは、入居者も料理します。過ごしてきた文化や環境によって食べたいものも違うからです。

こちらはアフリカから来た人が作ってくれたビーフカレーチャパティです↓(本人希望により出身国は無記載)

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チャパティというとインドカレー屋さんのメニューでよく見ますが、アフリカでも親しまれています。

カレーは濃厚でスパイスも効いており、ご飯がどんどん進みました♫

同じ人が別の日に作ってくれたレバーの煮物もピリ辛で凄く美味しかったです↓

レバーの料理2


私が東京に戻った後ですが、3人の新入居者も調理をするようになったそうです♫ 

その画像がこちら↓

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食べていないのでどんな味付けかわかりませんが、違う文化を持つ人が作ったものにはとても興味があるので、次回の訪問を期待しています♫

ゆっきー舎小柳の食の旅は続く♫

散々料理の話をしましたが、私は決して調理が上手いわけではありません。でも、料理することは好きです。美味しい!の感動を再現してみたい、知らない味を学びたいと思うので、私と違う文化に接して来た人と話すことを楽しんでいます。

調理が苦手な人もいるので、詳細がわからないこともあります。しかし、美味しいモノの話が嫌いな人はいないし、思い出の料理を語るとき、多くの人は笑顔になります。

時には辛い記憶に触れることもありますが、困難な未来の話をするより、人間として近づけるのは経験的に確かです。

シェルター入居者はそれぞれが何らかの問題を抱えています。それでも食の楽しみ誰もがいつでも持てる幸せです。また、美味しいを共有できれば笑顔を交わすことができます

そんなわけで、私はこれからも料理を通じていろいろな人に接していくことでしょう。


最後に、そもそも仮放免ってなに?

※仮放免とは    在留許可が無いことで入管に収容された後、収容を解かれること、または退去強制令を受けたものの収容されていない状態です。

知識が無いと仮放免者=犯罪者と思いがちですが、それは正しくありません。仮放免者の中には難民申請中でまだ認定されていない人や、日本で生まれ育ったのに親が仮放免状態なため同じ境遇にある人もいます。さらに就労先が倒産して在留資格を失った人や、日本人と結婚して配偶者ビザを得たものの離婚や死別によって在留資格を失った人など、経緯はさまざまです。

仮放免中は就労許可がなく、健康保険にも入れないので、困難な生活を続けている人が多いのも知っていただきたい点です。

「在留資格が無い外国人なら権利制限は当前では?」と思う人もいるでしょう。しかし、前述したように犯罪とは無関係に在留資格を失う人もいます。そんな人達の権利を奪うことは適切でしょうか? また、罪を犯したとしても入管に収容される前に刑事罰を受けるので、仮放免になる時は償いは済んでいます。

日本が批准する国際人権規約では、国籍に依らずどんな人でも、例え何らかの落ち度がある人でも、等しく人権が保障されています。しかし、仮放免という状態は、国際規約を遵守しているとは全く言えません

さらに突っ込んで語れば、権力を持つ政治家は贈収賄などが発覚しても、そのまま地位を維持したり、議員辞職してもしばらくすると公民権を得て議員に復帰する例もあります。これは明らかに人権上非対称な状態です。まして、海外から来た人は職務質問を受ける機会が多いですし、言葉の壁があるため冤罪のリスクも少なくありません。

ここには明らかな差別構造があります。ぜひ、この機会に人権のことを少しでも考えてみてください。

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