見出し画像

ポルトガルの田舎暮らしはそんなに不便じゃなかった

前回に書いた通り、その後

リスボンからセジンブラという地に拠点を変えて、実際に生活を始めて数ヶ月

。ここで感じたことを書いてみる。

リスボンからテージョ河を渡り、車で南に約40分のところにある、セジンブラ州の、湖と海の近くにある私たちの家は、公共の交通機関がなくて、車がないと来ることができない場所にある。セジンブラの街自体は漁港の小さな美しい街で、観光客もいるし、週末になるとリスボンから新鮮なシーフードを楽しみに来る客で賑わうけれど、私たちの家があるあたりは、家は立ち並んでいても、スーパーも商店も徒歩圏内にはない、本当に不便な場所だ。


でも前に触れた通り、自然は豊かで、散歩する度に新しい歩道を発見して探索できるし、海も湖も徒歩圏内、毎日歩くのが本当に楽しい。そして何より、愛犬のみかんがとっても嬉しそう。


お馬さんと遭遇

そして、車がないとどこにも行けないなんて、不便な生活になるんじゃないかと不安だったけど、意外とそこまで不便もしないことがわかったのだ。

日用品の買い出しは、車で週に1回大型スーパーに行く。大型スーパーだけは、それはあらゆる有名どころのスーパーがよりどりみどりで、美味しい生クリームだったらここ、スペルト小麦のパスタだったらここ、みたいな感じで、買いたいものが置いているスーパーを選ぶ。

その他、素晴らしいオーガニック食品のお店も見つけた。そこには日本製の美味しい醤油や味噌、蕎麦、豆腐なんかも置いている。オーガニックの地鶏や卵、地元の野菜、それから天然酵母のパンも売っていて、頼んだら配達だってしてくれる。

薪窯でパンを焼く、美味しいパン屋さんも、頼んだら、朝イチでパンを配達してくれる。早すぎでまだ寝ている時間の時は家の門のところにパンをぶら下げて置いてくれる。


こんな風にぶら下げてくれる


配達してもらった食パン

仕事で使う、それ以外の大容量の味醂や鰹節、昆布、納豆などの日本の食品も、週に1回リスボンから配達がある。

このご時世で、ポルトガルもオンラインでショッピングする人がとても増えているので、大体のものは家で待っていたら、こんな田舎でも届くのが本当にありがたい。逆に、リスボンにいた時に方が、観光客や交通量が多くて車が停めにくく、配達してくれないことが多々あり、トラブルが多かったくらいだ。

その他にも、毎週末やっている、ローカルの小さな市場では、農家の人たちが売る、地元で採れた新鮮な野菜が手に入り、湖で素潜りして採られた貝類や、セジンブラの海で朝獲れた魚も並ぶから、食生活が豊かになり、外食をするという考え自体がなくなる。


夏にはトマトが山のように並ぶ


湖で採られたアサリ


近くの海で朝獲れた魚たち

色んなところに通ううちに、少しずつ挨拶や世間話を交わす人も増え始めて、この地に馴染んでいっているような気がするのが嬉しい。この辺りでアジア系の住民は珍しいので、すぐに覚えてもらえる。


パンを配達してくれるおばちゃん

そして、田舎とはいえど、リスボンまでは車で40分なので、あんまり田舎に引きこもっている感もなく、用事があったらすぐにリスボンに出れる距離感も程よい。毎日車でリスボンに出勤している人がたくさんいるくらいだから、そのうちもっと人気の出るエリアなのではないかと思う。

数年前に、これもリスボンから車で3ー40分ほど北西に行ったシントラという場所からリスボンの店に通っている友人に、「通勤大変なのに、リスボンに部屋を借りたりしないの?」と聞いたときに、「考えられないよ。
だって、毎日目が覚めたら田舎の新鮮な空気の中んだよ!
それを考えたら、通勤なんてなんてことない」と答えたのが、今でもずっと印象に残っていて、本当にそうだな、と思う。


家の前を山羊たちが通ることもある!

実際、最近のリスボンは本当に住みにくくなった。観光客もものすごく増え、トゥクトゥクなどの観光客用の小さな車がノロノロと走り回り、その辺じゅうでデモや工事で通行止めも多く、いつも渋滞。そして家賃も驚くほど上がり、数年前まで払っていたような金額では、もっと小さくて不便な場所しか借りれなくなっている。まぁこれが都会というものなのかもしれない。この小さなリスボンが都会と感じるのだったら、もっと大都市に行ったらどうなってしまうのか。。

そんなわけで、ポルトガルの田舎生活のすすめをつらつらと書いてみました!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?