福田ゆう子/Yuko_AN

料理人。ポルトガルから食のあれこれ、田舎生活。リスボンで和食店を8年間経営した経緯や学…

福田ゆう子/Yuko_AN

料理人。ポルトガルから食のあれこれ、田舎生活。リスボンで和食店を8年間経営した経緯や学んだことを綴ってます。現在の料理活動についてもエッセイにしていく予定。 現在の活動はInstagram :https://www.instagram.com/yuko_an_lisboa/

マガジン

  • 海外で店を経営するあれこれ

    今だから話せる、異国の海外で店を経営するに伴う面白い話、勉強になる話、笑い話などなど、シェアできたら嬉しいです!海外で店を持つことに興味ある方、またはヨーロッパの食事状に興味ある方などなど、参考になると幸いです。

  • ポルトガル田舎暮らし

    ポルトガルの田舎の台所からの日々の出来事。

  • ポルトガルの田舎で家を買う話

    リスボンから少し離れた、海と湖の側に購入した家を購入した経緯から、手続き、リノベーション、田舎での生活までの話を綴ります。

  • 勉強になる知識

  • ポルトガルの生産者たち

    ポルトガルの、昔から続く生産者、作り方にこだわっている素晴らしい店や作り手を紹介していきます。

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海外で店を経営するということ、日本のご飯を料理して食べてもらう、という話

2014年4月にポルトガルの首都、リスボンで和食料理店をオープンさせて、約8年間経営しました。地元民と、ヨーロッパ各地に住む日本人の人たちの胃袋を掴んだのち、現在はお弁当や料理教室、スポーツ遠征料理担当、リスペクトするポルトガルの飲食店や生産者の人たちとコラボイベントを行いながら、ゆうこ庵(Yuko_AN)という名前で絶賛活動中! 日本のご飯をポルトガルという地で作って提供して気づいたことや、しみじみと感じた文化の違い、海外で人を雇うということ、生産者の人たちのことなど、店

    • 漫画「料理店の日報」のお知らせ

      こちらで日記を書く機会がなかなかないうちに、あっという間に12月になってしまいました。 ですが、夫の描く漫画、「ぼくらの日報」の中「料理店の日報」にて、私たちが経営していた日本食料理店「Tasca Kome」をオープンする前からの物語が始まっております! 1、2週間に一度、私もそのこぼれ話なんかを「ゆう子のにっき帖」という名前で文章を書かせてもらっています。 もう気がつけば10年も前のことなので、当時の写真を見たり、あれやこれや夫と思い出話をしながら、ああ、あんなこともあ

      • フェスで大人気だった大福もち!

        11月に入り、この辺りもだいぶ寒くなってきました。相変わらず雨が降ったり止んだりの不安定なお天気が続くけど、おかげで家庭菜園の水やりはほぼしなくて良いから助かる。 昨日は、Festa Criola(フェスタ・クリオラ)というフェスで出店し、とても楽しい1日を過ごした。 このフェスは、ポルトガルで暮らす様々な国出身の人たちが、その国やその人を象徴するような料理を出したり、音楽、ダンス、ワークショップなどが行われる文化的でエスニックなイベントで、私はその最終日の参加。(ちなみ

        • ポルトガルのイベント企画者は女性が圧倒的に多い?!

          気がついたらあっという間にもうすぐ11月。この辺りは、毎日雨が降ったりやんだりがずっと続いています。 夏が終わり、リスボンのあちこちでいろんなイベントがひっきりなしに行われており、企業や個人のパーティーなんかも盛んに行われているのを耳にする。 今年に入って様々なイベントやコラボポップアップに参加したり、またはお誘いが次々と来るのだけれど、昨夜はリスボンのあるラグジュアリーなワンフロアで行われた不動産関係のカクテルパーティー。 会場に到着してみると、メイクも着こなしも気合

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          田舎に来たからには、畑で野菜を作ってみる!

          今年の初夏から始めた庭の畑の夏野菜が次々と実り、今年は庭に出るのが一層楽しい。野菜栽培でわからないことが多過ぎて、色々勉強の日々の夏休み。この辺りは、庭で家庭菜園をやっている人がとても多くて、散歩していると、様々な野菜が実っているのを目にする。「ああ、ここの家はすごくいい感じに育っているな」とか「あんなに熟れているのに、まだ収穫しないのかな」なんて思いながら、歩いている。 数ヶ月前に一生懸命に土を耕していると、通りかかったおばさんが「そんなに深く掘らなくていいんじゃないの?

          田舎に来たからには、畑で野菜を作ってみる!

          自分で取った松の実と育てた紫蘇で紫蘇ベーゼを作る!

          8月の間にひたすら松ぼっくりから取り出した松の実は、やっぱり夏の風物詩ともいえる、ジェノベーゼに使いたい。 もちろんポルトガルでも、この時期になったらバジルがたくさん売っている。でもせっかくだから、今庭に豊富にある紫蘇を使って、紫蘇ベーゼを作ろう。 紫蘇はその辺中に種をうえたので、これでもかというくらい庭中に青々と育っている。もうこれ以上植える場所がないので、友人たちにも苗を配った。(うまく育てられた人は、ほとんどいなかったのが残念、、。) 紫蘇をたっぷりと、松の実、少

          自分で取った松の実と育てた紫蘇で紫蘇ベーゼを作る!

          松ぼっくりから松の実を綺麗に簡単に取る方法

          私たちが住む地域には、散歩していると、いつも松林に何かを探している人たちを見かける。最初はなんだろう?と思っていたけど、どうやら松ぼっくりを拾っているらしい。私たちの庭にも大きくて立派な松の木がでーんとあるのだけれど、毎日松ぼっくりが少しずつ落ちてくる。 時には、知らない誰かが訪ねてきて「庭を掃除しましょうか?」と声を掛けられるけど、これは掃除と称して、松ぼっくりを拾いたいだけ。 どうしてそんなに松ぼっくりが欲しいんだろう?暖炉の火付に使うのかな?と思っていたけど、そう、

          松ぼっくりから松の実を綺麗に簡単に取る方法

          日本の欧風カレーの感想は?

          前回の続き。 初めてインド料理店で1日だけイベントのため働くことになった私。 たくさんのことが初めての体験でした。 まずは、Gunpowderロンドン、リスボン全てを統括するエクゼクティブシェフのニルマルに迎えられ、メニューと使うお皿のミーティング。 その後、仕込み用の厨房を案内してもらい、皆さんに紹介してもらう。私以外は全て男性で、インドやネパール、パキスタンなどの国々の方達。細長い厨房には、すごい人数の料理人や洗い場担当の人たちがひしめき合っていて、皆で作業場を譲

          日本の欧風カレーの感想は?

          日本の欧風カレーをモダンインド料理店で出してみました!

          先日ちょっと面白いイベントをしました。 ロンドンでミシェランの星を取っているモダンインド料理のレストラン、Gunpowder(ガンパウダー)のリスボン店で、カレーナイトというイベントが開催されました。 Gunpowder自体は、普段はいわゆるカレー料理は出しておらず、様々なスパイスをふんだんに使ったインド料理がメインのとてもお洒落なレストラン。いつも行き慣れているようなインド料理店の料理を想像していくと、料理も盛り付けも、何もかも違うので、きっと皆驚くでしょう。ナンブレッ

          日本の欧風カレーをモダンインド料理店で出してみました!

          初めてのファスティングで感じた効果

          今回は、ファスティングを約1週間行って、感じた効果などを書いていこうと多います。(上の写真は、回復職。めちゃくちゃ美味しかった!) まず、体重ですが、最初の3日間くらいは、全く変化がなかったです。 ダイエット目的で来ていたけど、体重が減らなくて「まいっちゃったなぁ」と話している人もチラホラ。 でも、4日目くらいから、1キロ減りました。ただ元々体重を落とす必要はなかったから、このくらいでちょうどよかったかな。滞在中は毎日ウォーキングをしていて結構な運動量だったから、少しは

          初めてのファスティングで感じた効果

          ファスティング、初体験が楽しかった!

          早速前回に書いた断食の話の続きです。 到着したその日、スーツケースを持ってバスで最寄り駅まで到着し、方向がわからなくてウロウロとしていると、 「もしかしてサナトリウムに行くの?」 と声をかけてくださったご婦人がいた。 「私も今から行くから、一緒に行きましょう。」 と、ありがたいご提案。ご婦人は、ポシェットだけのとても身軽な装いだったので、 「随分とお荷物が少ないんですね。」と尋ねたら、もう荷物は先に送っているのだそう。後から知ったけど、ほとんどの方はそうやって、郵送さ

          ファスティング、初体験が楽しかった!

          ついにやってみた!人生で初めての断食体験

          随分と久しぶりの投稿になってしまいましたが、先日日本に一時帰国しておりました。 その時に、前から一度経験してみたかった断食体験をした時の話を書きたいと思います。 断食と言っても色々なやり方があると思います。日本中に様々な施設があるらしく、酵素ドリンクを飲む、水だけ、デトックスジュースを飲む、などなど。 私が経験したのは、伊豆にある有名なサナトリウムで、人参ジュースを飲むというやり方。1週間の滞在で、前日の夜は重湯のみ、そして翌日から人参とりんごのジュースを1日3回。これ

          ついにやってみた!人生で初めての断食体験

          料理の香りと料理の匂い

          ポルトガルで料理の仕事を始めて、日本とは感覚が違うんだなと感じることは色々あるけれど、その中でも印象深いのは、匂いのことだと思う。 最初に体験したのは、店を始める前の、ケータリング時代。 リスボンやリスボン近郊の色んなお宅にお邪魔して、厨房を借りて料理を準備する。大体は、ご友人などを招いてのパーティーなどが多かったので、皆が揃ったところで料理を出すのだけれど、それまでは大体厨房にこもって仕込みをする。 準備中に、そのお宅のホストの方々が、「匂いが家中に漏れてしまうからド

          料理の香りと料理の匂い

          ポルトガルの田舎暮らしはそんなに不便じゃなかった

          前回に書いた通り、その後 リスボンからセジンブラという地に拠点を変えて、実際に生活を始めて数ヶ月 。ここで感じたことを書いてみる。 リスボンからテージョ河を渡り、車で南に約40分のところにある、セジンブラ州の、湖と海の近くにある私たちの家は、公共の交通機関がなくて、車がないと来ることができない場所にある。セジンブラの街自体は漁港の小さな美しい街で、観光客もいるし、週末になるとリスボンから新鮮なシーフードを楽しみに来る客で賑わうけれど、私たちの家があるあたりは、家は立ち並

          ポルトガルの田舎暮らしはそんなに不便じゃなかった

          冬のポルトガルは湿気との戦い

          冬のポルトガルは、いわゆる雨季で、毎日毎日本当によく雨が降る。 毎年豪雨もあり、リスボンの各地で洪水の被害に見舞われ、そこらじゅうにある坂道は川の如く水が流れ、通行止めになったり、店の中に雨が浸水して、営業できないなんてこともある。 豪雨の時期は、年によって違うけど、この冬は、12月にものすごく降った。 たまたまその週は、私たちはセジンブラにある湖の近くの家にいたけど、悲劇はその時に起きていた。。 私たちが数日ぶりにリスボンの仕事場にしている家に帰ると、地階のリビング

          冬のポルトガルは湿気との戦い

          もはやベジタリアンとヴィーガンが主流?

          レストラン業を離れて、気がついたらもう1年が経った。あっという間だったような、本当にいろんなことがあったような、複雑な気持ち。 今回は、この1年というか、ここ数ヶ月の様々なイベントに参加して肌で感じたヨーロッパの若い人たちの食に対する意識みたいなものを書いてみようと思う。 夏はバカンスシーズンで、地元の人たちはリスボンの街からいなくなり、観光客で溢れる。 9月になったら、「盛り上がるぞ!」と言わんばかりに様々なイベントが開催され、お声がかかり始めた。ずっと店にこもってい

          もはやベジタリアンとヴィーガンが主流?