【海外生活】フィリピンに住んでみて感じたこと。植民地化される事が後世に与える影響について。
こんにちは。タイ生活6年⇨フィリピン・マニラへスライドし,もう少しで早一年。海外駐在帯同2カ国目、駐妻生活も7年目のYukoです。
フィリピンに実際住んでみてから、フィリピンという国が見えてこない?個性がない?と、ふと感じることがあり、なぜそう思うのかを考えてみました。
そんな疑問から今回は日本で生まれ育ち、タイに6年住んでから、フィリピンにスライドした私が、三つの国で生活してきて感じたことをnoteにまとめたいと思います。
正直、タイに住んだだけでは気付かなかった事です。
そしてあくまで、一個人の印象・感想なのでこんな側面もあるのだな、という風に読んでいただければ幸いです。
⚫︎ざっくりとフィリピンの歴史について
まず、簡単にフィリピンの歴史について、本当にざっくりお話しすると、
スペインに植民地化されるまでは、それぞれの地域で独自の文化を持つ国や部族が存在したそうで、現在でも地方によって異なる言語を話します。
首都マニラがあるルソン島にもタガログ王国という国があり、王様や貴族もいて、バイバインと言う文字がありました。
スペインに占領された事で一つの国として統一されましたが、1500年代からスタートしたスペインの植民地時代が約300年、アメリカが約50年、日本が約3年。様々な国の支配を受けてきた悲しい歴史があります。
独立後
独立したのは、1946年。まだ新しい国です。現在のフィリピンという国名も、スペイン国王フェリペ二世が由来。かつての宗主国の国王の名前が国名の由来ということもあり、植民地時代の名残を消し自立を促すという意味で国名を変更しよう、と言った話が出たこともあるそう。
現在でもスペイン語由来の言葉が残っていたり、東南アジア唯一のキリスト教国であったり、アメリカ統治時代には英語が教育言語になった影響で、現在も英語が公用語に使われていたりします。
スペインの影響
過去に植民地化された事のある国を訪れると、ラオスやベトナムはフランスの植民地だったので、訪れるとフランス料理やパンが美味しいといった影響を感じる事があります。
最近訪れたマレーシアもポルトガル、オランダ、イギリスとヨーロッパの影響を感じました。
フィリピンも同様で、あちらこちらでスペインの影響を感じます。
例えば、スペイン統治時代に建てられた建築が残る世界遺産もあるイントラムロス。ヨーロッパのような街並みの歴史地区が現在も残っています。フィリピンにいる事を忘れます。
食に関しては、フィリピン料理は甘くて油が多めで合わない方もいるかもしれませんが、スパニッシュレストランはレベルが高く、美味しくて、外れる事はあまりありません。
フィリピンでの日々の生活の中で、植民地支配を受けたという歴史は、結構大きいと実感させられることが多く、富を搾取されたり、文化を破壊されたり、未来においても影響を残すのだなと感じます。
●植民地支配
私が過去居住経験のある、日本やタイは植民地支配を受けなかった国です。
アジアで一度も植民地になっていない国は、他にはネパールやブータンくらいだそう。
ネパールやブータンに訪れた事は無いので分かりませんが、日本やタイは他の国の支配を受けなかった事により、独自の文化が花開き、純度高く保ってきたことが現在も海外の人達を魅了しているのではないでしょうか。
⚫︎日本
江戸時代の長きにわたる約260年間は、天下泰平の世。他国との争い、内紛が少なかったと言えます。
そうなると当たり前だけど、国力を低下させる事なく富み、そして、鎖国政策により諸外国との交流を最低限に留めたこともあり日本独自の文化が色濃く花開きました。
江戸時代においても、庶民レベル迄、寺子屋に通って学門を学び、文化や娯楽を楽しむ余裕があった時期もあったそうです。一説によると、当時の世界の中でもトップクラスの識字率を誇ったとか。
海外で暮らしてみて初めて気づく事は、とても多かったのですが、日本の外に出てみて、改めて、日本文化の個性、素晴らしさ、美しさを感じる事が出来ました。
娘の学校のインターナショナルデーに行くと、所謂民族衣装の代わりにサッカーのユニフォームを着用されている国があり、言われてみれば、その国の民族衣装が思い浮かばないケースも。
日本人として、日本らしく浴衣(暑い国なので)で参加出来るのは嬉しいし、私達に似合う。誇りに思います。
⚫︎タイ
東南アジアでは、唯一独立を保った国でタイ独自の文化が色濃い。クラフトのレベルが高く、伝統工芸、技術の高さを誇ります。
私がタイに魅了され素晴らしさを感じる理由の一つに、寺院の美しさがあります。
信仰心の厚いタイ人はお寺を大切にしてきたんでしょう。どれだけ田舎に行っても、タイ人が寄進し作られた美しい寺院が存在します。これらの寺院は、現在は観光資源としても重要な役割を果たしていると思います。
私も在タイ中、時間がある時には寺院巡りをして興味深く、とても楽しかったです。
またタイは国王がいらっしゃる王国です。国王の影響力は高くタイを訪れると至る所に国王陛下の肖像画があるので、タイ育ちの娘は天皇陛下よりタイ国王の方が馴染みがあるほど。ちなみに、タイ王室は日本の皇室とも縁が深い事で知られています。
日本では考えられませんが、現在でも王室批判は不敬罪にあたり外国人であろうと罪に問われます。来タイし間も無い頃、日本語を理解できるタイ人も多いから、人前で絶対に王室批判をしてはいけないと教えられました。
タイでは現在も王室が強い影響を持っています。タイ王室について書き出すと長くなるので止めますが、日本を含め、ロイヤルファミリーが存在する国は彼らが担ってきた歴史や文化があり非常に興味深いです。
⚫︎フィリピン
東南アジア唯一のキリスト教国。タガログ語など、それぞれの地方の言語はあるが、ある程度の教育を受けたフィリピン人は英語が話せます。
英語が話せる理由の一つとしては、1898年から約40年間、フィリピンがアメリカの植民地になっていた事があげられます。
アメリカ植民地時代は、学校の授業も英語で行われていた事から、1974年にフィリピンが独立した以降もフィリピンの公用語の1つとして英語が選択されたそう。
フィリピンのもう一つ公用語のフィリピン語は、タガログ語がベースになっているらしいけど、7000程の島から成る島国で地方によって話す言語も異なる事から、英語が共通言語として使用されています。ちなみに、言語は100以上もあるそうですよ。
現在では、タガログ語に英語が混ざったタグリッシュ(Taglish)を話す方も多いです。
英語を話しているかと思ってたら、急にタガログが混ざって急に分からなくなる事は日々多々発生。
私がぽかーんとすると、フィリピン人の方も、あっ、ごめんね、私達タグリッシュだからって感じで、苦笑。ニュースを聞いたり、読んだりしていても、途中からタガログに変わる事もあり、急に分からなくなります。
文化的な背景では、フィリピンにも元々の土着の宗教や文字(古代文字バンパイン等)文化があったが、フィリピンよりも当時文明の高い国であるスペインの占領、植民地化によって元々の文化を無くした過去があったのではないかと考えます。
宗教=キリスト教へ
文字もアルファベットへ
フィリピンの貧困の理由は
現在に至ってもこの国が貧しい理由は大きくは、
経済格差(貧富の差、教育格差、首都圏と地方の差)
自然災害が多い事(地震、火山、台風)
政治の腐敗、行政の非効率
インフラ整備の遅れ(慢性的な渋滞が経済活動に悪影響 等)
理由は一つではなく、複雑に絡み合っているので簡単に解決には至らないとは思いますが、本当に長い目で見たら、長く続いた植民地政策よってフィリピンの富は搾取されていった過去があるからでしょう。有名なアヤラ財閥などは、スペイン系、SMは中国系(華僑)現在までも影響力を持っています。
また第二次世界大戦の影響も大きいでしょう。激戦地となってしまった為、人口は大きく激減し、インフラも破壊されました。日本も戦時下においてフィリピンを占領し、大きな被害を与えてしまった為、現在まで続くODAはフィリピンの経済発展の支援は勿論、戦後補償の意味もあるそうです。
フィリピンに住んでいて、基本的に皆さん親日で優しくして下さると感じますが、フィリピンに住む日本人の1人として、このような過去があった事、肝に銘じ生活していきたいと思います。
⚫︎まとめ
日本も過去の歴史を振り返れば、植民地にされそうになった危機は何度もあります。
フィリピンに住んでみて思ったのは、意外と豊臣秀吉がバテレン禁止令を出し、江戸幕府もキリスト教を禁じた事が結構大きかったのかもしれないなと。
なぜなら、植民地支配の進め方においてまずは宗教を布教する事で、人民をコントロールしやすくする目的があるそうです。
実際、九州地方ではキリシタン大名がイエズス会に領地を寄進するといった事もあったそう。それが日本全体に広がってしまえば、日本全体が占領されてしまっていたでしょう。
秀吉に関しては、正直これまであまり印象は良くなかったのですがフィリピンに住んでみて、一度失った文化を取り戻すという事がいかに困難かを目の当たりにした経験から、日本を植民地化から守ってくれたという点については心から感謝したいと思いました。このように感じたのは初めてで、まさに発想の転換です。
みんな違って、みんな良い。
悲しい争いが広がりつつある昨今、理想論かもしれないけれど、それぞれの国の歴史や文化、宗教を尊重し合って、話し合い、妥協点を見つけて、問題を解決し争わず、みんなで幸せに、繁栄していける平和な世の中であって欲しいと願います。悲しみは悲しみを連鎖させるだけ。
長文お読み頂き、ありがとうございました。
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