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Do you trust me?に感動する理由

初夏の爽やかな空気の中に、時々湿っぽい風が入り込んだかと思うと、あっという間の梅雨入り。たまに晴れた日もぬるっとした空気が纏い、気づけば夏にどんどん近づいていると感じる。

ここ最近仕事も加速したように忙しくなり、1時間の出勤時間もたまにグリーン車に乗り込み業務を始めることもある。でもたまにぼーっと電車の外を見ながら、あれやこれや思い出すことも多い。
ある日、そんな出勤の電車の中で、「信じる」「信じてもらう」ということに考え巡らせていた。

以前数人の楽しいメンバーで飲みながら、大好きなディズニー映画は何?という他愛もない話をしていたこと。とある男性の先輩が「断然アラジン!」と言いながらなぜアラジンなのかを自信満々に話してくれた。
当時のパートナーと映画館へ見に行き、映像の美しさや音楽全部に感動したし、ジャスミンはディズニープリンセスの中でもすごく素敵な女性だと言いつつ、「何しろ「Do you trust me?」のところで思い余って号泣するでしょ。」と。どうやらみんな静かに見ていた映画館でアラジンの「Do you trust me?」のシーンで一人「うっ。」と大声で嗚咽し、パートナーに焦って「ちょっと!」とたしなめられたエピソードを語ってくれた。そこにいた全員でその様子を想像して爆笑した。ーなぜか、朝のタスクに焦っている電車の中で、ふとその話を思い出して、アラジンを見て泣く先輩とそれに焦っている先輩のパートナーの可愛いカップルを思いちょっとニンマリとしてしまった。

だけど今になって思うけれど、信じる力って、やっぱりすごいと思う。信じる力が人を思いがけない場所へと導く。アラジンを信じることで、空だって飛べてしまうジャスミンのように。確かに涙が出てもおかしくないくらいマジカルなことだ。
同時に信じてくれる?と聞けるのも勇気だなと思った。
それができたら、自分もハッピーだろうし、多分色々な人を幸せにできるんだろう。

これまでの社会人経験の中で、改めて振り返ると経営者の方とお仕事をする機会をいただいている方だなと思う。様々な経営者のタイプはいるけれど、やっぱり社員を信じる社長に出会うと、とても尊敬をするし社長に信じてもらうことで想像以上の力を発揮できる人は多いと思う。
私が新卒で最初に入社した会社の社長も私が辞めるとき「食うに困ったらまたいつでもうちで働いてね、あなたは本当に頑張ったよ。そうなかなかいないと思ったから辞めてほしくなかったんだよ。」と最終日声をかけてくださった。まだピヨピヨの生意気な私の力を信じてくれた奇特な方だ。今でもその言葉は大切に心の中にしまっている。もちろん食うに困るのだけはごめんだけど。

次に勤めたアッシュ・ペー・フランスのオーナー兼代表も、私や他の社員のことをいつも素晴らしいと言ってくれた。「すごい才能を持ってるんだよ」「自分を大切にしなさい。」と。だから信じてもらえていることがみんなのエネルギーになり、一緒に働くメンバー同士の信頼も厚く繋がっていたと思う。
当時のめちゃくちゃに働きながら、なんかもっとできると信じ切っていた自分の残像を手がかりに、みんなそれぞれの場所でこの瞬間も闘っているんだろうなと思うと、自分も頑張ろうと思う。そしてそこにいた全員の成功を心から願えるのは、当時の代表が私たちを信じてくれていたからだと思う。その輪の中で、みんな緩やかに見えない繋がりを今も作っている気がする。

その時代に出会った顧問の方も、よく会食に連れて行ってくださった。
数人のメンバーと食事し、気持ちの良い夜の赤坂の街を歩きその方は近所のご自宅に帰っていく。「いいですね、こんな都心のど真ん中にご自宅があるなんて」というと「あなたなんて、その辺のマンション5個も6個も買えるから」と。「社長になりなさいよ」と言って笑顔で別れた。

信じることができる人は、ダイナミックだな。と思う。そしてもう、自分自身がそうなっていかなくちゃいけない立場にもなってきている。その前に自分自身に向けても聞いてみなくちゃいけない、アラジンが聞いたように、「あなたは私を信じられる?」と。



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