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マハーバリプラム観光 | インド神話を全く知らないとやっぱりよくわからないのでもったいない

チェンナイ観光といえば!
というほど有名なものではないのかもしれないが、
バターボールを触りに行きたい。

巨大な丸い岩が斜面の途中で止まっている。
クリシュナ神の大好物バターボールに似てるため、
「クリシュナのバターボール」と言われている。

ということで、週末は車で南へ。
チェンナイ市街から1時間ちょっと車を走らせると、
マハーバリプラム Mahabalipuram という観光地に着く。
途中だんだんと海岸に近づくので、車窓から海が見える面積が大きくなってきてテンションが上がる。

マハーバリプラムのおもな見どころは

・海岸寺院

・クリシュナのバターボール

・ファイブ・ラタ

だそうだ。


まず海岸寺院という世界遺産から拝見する。



海岸寺院 Shore Temple


休日ということもあって駐車場も結構混み合っている

ここは入場料がインド人40ルピー、外国人600ルピー、
、、、ん??

気持ちいいくらい値段の差がある。

そういうもんなのか。
でもこのおかげで古い遺跡がキレイに維持できて、インド人の憩いの場になってるのだろう。


整備されていて気持ちがよい

海のそばのただっぴろいところに、2基の海岸寺院が建っている。
チェンナイ市街には至るところにヒンドゥー教寺院があり、どれもカラフルで派手な彩色がされているのを毎日見ているので、この遺跡の寺院はやたらとシンプルで、逆に格式高く見える。
8世紀初頭に建てられた石造の寺院で、長年の海風の侵食で丸みをおびている。

もろく崩れそうな風合いもまた風情がある。
周囲の牛たちも海風と波にさらされて、まぁるくなっている


ちなみにこのあたりは泳げるビーチになっているようで
波がよいのかサーファーがたくさん活動していた。

ビーチリゾート風…


海岸寺院からバターボールへ向かう途中の道路の脇に、
大きな壁画のような石の彫刻がある。
「アルジュナの苦行」と呼ばれており、女神ガンガーがこの世に降りてきた時の物語がレリーフになっているそうだ。

「アルジュナの苦行」

ガンガーがどこでどのあたりがどう苦行なのかわからない自分が悔しい。


これ、ギリシャを旅行したときにも感じたが、
こういう神話を題材にした彫刻や建造物を訪れるときには、
少しでも背景をかじっておかないとまったくわからない。
次に来る時までに Youtube でインド神話のマハーバーラタくらいは予習しよう。 

壁画・彫刻が道中にいくつかあった。おそらく神話の一場面なんだろう。





クリシュナのバターボール



バターボールの周囲は広々としたスペースになっており、
ごろごろしたり、本を読んだり、リラックスして過ごしている。
こんなに暑いのに外でごろごろする気がしれないが、
気温40度に小さい頃から慣れてると心地よいものなんだろうか。。

遠くから見ると浮いているように見える
ちょっと神秘的である
横からみるとこんな感じ。石の日陰で皆休んでいる。


この斜面をてくてく登っていくと見晴らしのいいところもあり、
ひと気も少なくなるので、インド人カップルがそこらじゅうにいた。
デートスポットになってるみたいだ。

絵になるよねえ 


ところで、バターボールへと向かう道の途中は路面店・露天商や売り子がたくさんいる。
私はごちゃっとした路面店で物色するのが大好きなので、ついつい見たり触ったりしてしまうのだが、
一度興味を持った認定されると、すごい勢いで売り込まれる。
ここはインド人、品物を押し付けんとばかりにわたしのパーソナルスペースで早口でしゃべり続ける。
売り子は結構な距離を連れのようについてきてしまう。
この営業をかわすのに疲れてしまったので、帰り道はなるべく興味なさそうに見えるように、何にも焦点を合わせないようにして通過した。

駐車場近く。路面店や露天商が徐々にみちみちになる




ファイブ・ラタ Five Rathas 



さて、車に戻って少し走ると、
ファイブ・ラタ Five Rathas という、これまた石造りの寺院がある。
古い5つの寺院がぎゅっと一箇所に建っていて、この5つぜんぶが一つの巨大な花崗岩から掘り出された巨大な彫刻だという。
7世紀半ばに作られて、もともと砂に埋もれていたのを発見されたそうだ。

それぞれがドラヴィダ建築様式のプロトタイプで、現在南インドで見られる様々な寺院は、ここにある5つのタイプの寺院のいずれかがもとになっている(地球の歩き方 南インド 2020-21 より)

一つずつに”マハーバーラタ” の登場人物の名前がつけられているとのこと。
(こういうのも読んでから行くと数倍楽しそう)


「ドラウバディー・ラタ」寄棟屋根の民家をルーツとする方形の祠堂。
建物の前にはライオン、裏側には跪く牛が丸彫りされている。

奥「ナクラ・サハデーヴァ・ラタ」後方が円形をなし仏教礼拝像の形を受け継いでいる。
建物に向かって右側には丸彫りのゾウがある。
手前「アルジュナ・ラタ」3層からなる階段状の屋根は初期の南インド建築の典型的な形。
壁面にはさまざまな神像のレリーフがある。
右「ビーマ・ラタ」は長方形、切妻の屋根は民家に由来する。
その後に南インドで発達するゴープラムの原形ともいわれる。 
左「ダルマラージャ・ラタ」4層の階段状屋根を持ち一番背が高い。


観光おわり。満足。

今日のこの順番でまわると、
ファイブ・ラタを眺めるときには結構暑さでグダグダになっている。
誰かお客さんを観光につれてくるときは、
このファイブ・ラタに先にきて、うんちくを語ったのちに、
海岸寺院とバターボールに行こうと思った。
バターボール周辺は広い公園みたいになっていて、日陰で休めるし、その方がよいプラン。

全体的に、やはり世界遺産だけあって、たくさんのガイドツアー客がいた。
チェンナイで観光してる人はあまり見かけないので久しぶりに観光客に出会った。

欧米人の団体が多かった。みんな暑さでしんどそうだった。 


バターボールの周囲でうろうろしていたとき、
地元のインド人に「こんにちわー」と話しかけられて、
すこしおしゃべりをした。

なんだかそれだけだけど嬉しかった。
コロナが明けて2年ぶりに海外旅行っぽいことができた気がした。


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