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[weryfikacja 検証36~45]”弾き直す“のではない - ノクターン第2版

ショパン・ナショナル・エディションのノクターン日本語版 第2版では、脚注部分にある4か所の:

należy powtórzyć/powtarzać 
should/must be repeated 
繰り返して弾く(べき)

の全てが 「弾き直す」と訳されてしまっています。

その音を繰り返すのは、「もう一度響かせる」「再び響きが生まれる」のであって 「弾き直す」「やり直す」のではありません。本質的に違う。

「弾き直す」と脚注に4か所も書いてあるのは、翻訳の質とは別に、一生使う楽譜として不適切です。 解説本文には「弾き直(す)」が6か所。脚注と合わせて計10か所も。

ステージを控えた人は「弾き直す」という言葉は聞きたくない、見たくない。 楽譜で目にした言葉は 演奏する私たちの潜在意識に残ります。

「弾き直す」という言葉は 弾く人の脳に入ってこない方がいい。 演奏会・コンクール・試験を控えた演奏者が 「弾き直す」と1冊の中に10か所も書かれた楽譜を所持したいとは思わない。

何より原文では「弾き直す」とは書かれていない。「繰り返して弾く」のであって「弾き直す」のではないのです。

36.
脚注
ノクターン ロ長調 作品9の3, 第26-27小節

37.
脚注
ノクターン ロ長調 作品9の3, 第137-138小節

38.
脚注
ノクターン ロ長調 作品62の1, 第37小節

39.
脚注
ノクターン ホ長調 作品62の2, 第10小節

40.41.42.43.
原資料に関する解説
ノクターン ロ長調 作品9の3, 第26-27小節 および 第137-138小節(右手)

原文(ポーランド語)
英訳
全音 第2版第1刷、2023年2月15日発行。別の訳者による翻訳。

44.
原資料に関する解説
ノクターン 変イ長調 作品32の2,  第28, 32, 40, 44小節(左手)

原文(ポーランド語)
英訳
全音 第2版第1刷、2023年2月15日発行。別の訳者による翻訳。

45.
原資料に関する解説
ノクターン ハ短調 作品48の1,  第52小節 および 第55小節(右手)

原文(ポーランド語)
英訳
全音 第2版第1刷、2023年2月15日発行。別の訳者による翻訳。

長い[訳注]が付け加えられていますが、これが監修者によるものか訳者によるものかは不明(第1版の訳注は監修者による)。今回の第2版での訳注をもし訳者の方が書いている場合、監修者の先生がこの訳注を承認したということになります。

音がより密集した状態で「再び響かせて」いるのであって、これは「弾き直」すのではありません。

第49小節~第52小節
第55小節~第57小節前半
第69小節~第70小節

Special thanks: PWM


Będę wdzięczna za wsparcie! いただいたサポートはリハビリに、そして演奏活動復帰および再レコーディング準備のために。