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JLPT聴解対策授業、どうやる?

JLPT対策で聴解を担当しているとき、
聞かせて正解かどうか確認して終わりにしていませんか。
質問を正確に聞き取れていないことが思いの外多いです。


まず質問を正確に聞き取る

手順としては、
1)まず通して聞いて答えを考える
2)ポイントとなる語を空欄にしたスクリプトで、キーワード聞き取り
3)問いの答えを確認

2)のときには、問いにも空欄を入れたほうがいいです。
「男の人は」「なぜ」とか。
このあと「まず」何をするか、とか。

学習者のレベルによっては、2)→3)でも。

聞き取れないなら、何度でも聞き直して音を捉える

ポイントになる語彙がきちんと聞き取れるまで何度も聞き直します。
意味がわからない場合でも音がキャッチできるかどうか、確認します。
しつこく聞いて音がわかったら、文字にして意味を教えれば、その語彙は1回で記憶に残るものです。

クラスやグループで行うときに難しいのは、ここです。
なぜなら、できる人が答えてしまって、できない人ができるまで待てないから。
聴解って「何度も聞く」ことが必要で、
それを考えたら、
日本語学校でよくやる問題のコピーだけ配布するのって良くないんですよね。
個別に聞き直せるシステムを作るには、問題集を全員が持っておいたほうがいい。
もしくは、PCやスマホで音声が聞けるようにして、
一人一人が自分のレベルで練習できるようにした方が効率的ではないでしょうか。

基本となるのは語彙と文法

聴解と読解は基本となる「言語知識」つまり、文字・語彙・文法を活用できるかが問われます。
語彙と文法をきっちり覚えておく必要があるので、
せっかくですから、聴解問題のスクリプトを使って
語彙の増強と文法の確認もしましょう。
聞いて答え合わせするだけじゃ、もったいない!

答えを渡すと見るから渡さないという日本語学校がありますけど、
その考え、いまいち理解できないんですよ。
そんなに信用できないのかなと思うし、
見ることの何が問題なんだろうとも思います。
練習なんだから、見て答えたところでその人の利にならないでしょ。
そんなこと大人なんだからわかっているはず。
聴解が苦手な人には積極的にスクリプトを使ってあげたいです。

私がクラスでよくしていた方法

日本語学校勤務時は、聴解は学校の方針でコピー配布でした。
そして自分でスクリプトを準備するのって面倒です。
かわりに紙を配って(もしくは、前日の小テストの裏とかに)
メモ取りを教えました。
メモ取り対決とひそかに呼んでました。

対策を始めた最初のころは、
学生たちに「メモしてね」と伝え、音声を聞きながら、私がホワイトボードに自分のメモを書きました。
その後、もう一度音声を流しながら、メモ取りができているか巡回したり。
それからポイントとなる語をみんなに挙げてもらい、その語彙を〇で囲んでみたり。

メモ取りがなんとなくできるようになったら、1人か2人に出てきてもらって、その人達はホワイトボードにメモ取り、みんなは自分の紙にメモ取り。
クラスメイトの書くメモがおもしろいらしく、みんな結構真剣に取り組みます。
メモはひらがなだけでも母語でもイラストでもOKにしてましたから。

私のやり方がベストだとは言いません。
メモ取り不要の「即時応答」の場合はまた別の方法でやりますし、
学習者の様子によっては、またやり方を変えるかも。

おすすめ本

メモ取りやり方の参考になるのはこちら。メモ取りの練習ができます。
初級が終わった人向けです。


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