山ペンギン ひよこまるがりたさん&スーパーアルバイター劉子元登場。
ひよこが来た。
「きゃーかわいい!」
イマド目当ての女子高校生が騒ぐ。
他のトリが飛び込んでくる。
「だめですよ!一人歩きしちゃ!」
「先日もトンビに捕られかけたでしょ!!」
トリが飛び込んできた。
今日はイケメンに光学迷彩を使って変身している。
「まるがりたさん、お菓子買って食べゆ。」
舌足らずにひよこがしゃべった。
「お友達ですか?」
ぴー!!
きるるる!!
「とんでもない…別星系からバスで来たお客様です。」
バス通ってんの!!
それにしてもひよこ大事にしてるな…。
「まるがりたさん。お菓子欲しい…。」
ひよこは涙目だ。
「この方はホニャララ銀河系の(聞き取れず)研究所長で…」
「まるがりたさん、お菓子の甘い食べる」
「並列処理コンピューターの三次元化プログラムから、星系移動処理演算を…」
「まるがりたさんお菓子買う!
甘いとえっと…」
「昨日たくさん食べたでしょ!太りますよ!」
タカさんのほうがひよこの面倒を見ている。
「違うの欲しいだもん…」
「直接脳波プログラミングしながら、他星の生態系を遠隔調査…」
ワシさんの説明が続く中…
「うわあああん!」
「泣かないで下さい!こんなことで!」
ひよこの説明を聞いていたはずがカオスに…。
「どした、バックヤードに聞こえた。
客泣く、お前仕事してない!
無能!
呆!」
先輩アルバイターの劉子元さんが登場した。
…阿呆のうち、…ちゃんに相当する阿すら、取って呼ばれるオレって…
「お客様、どうなさいましたか?」
「お菓子甘いの欲しいだの。」
「随分使い勝手の悪い翻訳機なんだね。」
イマドがつぶやく。
「いえ、他星系にアバター使わず生身で移動する人間は全て自分でその星の言葉を話すんです。」
マジで
「ただまるがりたさんの種族は、コミュニケーションに思考伝播を使う上に、脳内も並列思考するので…」
「ああ、脳内での発生思考を言語化することがもどかしいんだろうな…」
「甘いのがよろしいんですね。」
劉さんが優しく話しかける。
日本語流暢なのになぜオレには…。
「甘いしかわからないだけど、つつくこわれる。」
「なるほど、サクサクしたものが…」
「サクサク分からない。」
また涙目に…
「崩壊性にとんで、上部からの圧力に弱いお菓子が良いのですね!
展性と延性は?」
「無い方がいい。上部圧力で容易に粉砕するのがいい。できるだけ、狭面積への一点集中でも全体が崩壊するのがいい。」
まるがりたさんの目が輝いてきた。
言語解析が工学的だな…。
「分かりました!これですね!」
うまい棒だ…。
「どの味がよろしいですか…」
まるがりたさんがまた涙目に
「書いてあるが分からないだけど…」
「承知しました。それぞれご説明します。」
「まず、この茶色いのが、チョコレートといって、カカオ油脂を利用して、加熱し、甘味を付け、少し粘性がある状態でコーティングしております。」
「これは辛子明太子…
えと、甘みがあるのがよろしいんですよね。
コーンポタージュ味というのは、とうもろこしというイネ科の被子植物の種子をすりつぶして、塩と、コショウという辛味のあるスパイスを加えてで良く煮溶かしたスープです。
本来のとうもろこしの味が加わって、甘みもあるのですよ?。」
まるがりたさんの目が輝いてきた。
「まるがりたさん、ちよこと、こをん食べゆ。
うまい棒を3本、チ」ョコとコーンポタージュ、それに加えて辛子明太子もなぜか買っていた。
「良かった…。まるがりたさんの本来のコミュニケーションを受け止められるのは、地球では量子コンピューターくらいですからね…」
「ええ、言語になる前の情報を瞬時に伝播しますから、地球の存在だと受け止めきれないですし…いや、我々も解析コンピューターが手元にないとコミュニケーションは取れません。」
「このひよこ…じゃなかった、まるがりたさんは、NASAに招聘されてるんですよ。」
…えと…何ですって?。
そだな、このひよこさん、なんか工学部の匂いするな…
劉子元さん…実はオレの教室の先輩であり、助手。
「工学部と言われましても、まるがりたさんは、我々の隣の銀河全体の頂点である大学の…
学長でもありますのでね…。
銀河の至宝です。」
御年は…
「お菓子あと2つ買ういい?」
「ダメです!一度にお菓子は100円まで!」
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