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「できない」ではなく、「できる」にフォーカスする

昨日はBrückentag(Brücke=橋、Tag=日)、祝日だった木曜日(Christi Himmelfahrt キリスト昇天祭)と週末に挟まれた橋の日であり、学校も休みで4連休が始まった。
金曜日の夕方は私が楽しみにしている時間。ZUMBAに通い、体を動かし、汗をかいて一週間の疲れを癒す。同じ時間帯に行われている娘の通う体操教室はBrückentagということで休講。預かってくれる人がいなかったので、私は彼女をZUMBAに連れていくことにした。

何度か連れていったことがあるので、彼女はみんなから温かく迎えられ、大人に混ざって一緒に音楽に合わせて踊りだした。
連続で何曲か踊ると少し休憩があり、1分くらいお水を飲んだり、外の空気を吸ったりできる。
みんなが休憩している間に、娘は得意な逆立ちや側転、開脚の練習をし始めた。
その様子を見ていたドイツ人たち数人の目が輝きだした。
そして各々に「私も昔は上手だった」「大会に出て優勝したことがある」と言いだした。

日本だと、「わ~、すごいね」で話は終わっていたと思う。
しかしドイツ・デュッセルドルフのとある体育館では、それだけでは終わらなかった…

突然ひとりのドイツ人が回りだしたのだ。
ドスンドスンという音とともに、大きな体が回転していく。
すると「私もできる」といわんばかりに、もうひとりが回りだした。
側転ができないドイツ人たちは冷めた目で見ていたが、私は思わず拍手してしまった。

事実、私よりも年齢が上な女性の巨体が、ゴロゴロと転がる姿は絵的に美しいとはいえなかったが、その「できた」という思いを、思いだけにとどめず、彼女たちは「できる」という形にしたのだ。その姿は素晴らしいと感じた。


ドイツ人の自己肯定感は高い。
それが日本人にとっては「自信過剰」「できないくせに口ばかり」「仕事もできないのに偉そう」とうつり、ドイツ人に対してムカつき、イライラさせられることが多い。
しかし逆にいうと、彼らは常に「できる」に焦点をあてて生きている。
「できない」ことに目を向けてしまう私たち日本人とは真逆だ。

「できる」に焦点をあてるには、自分に自信がないと難しい。
まわりにどう思われるかばかりを気にしながら生きていると、「できない」ことのみが浮き彫りになり、自分に自信が持てるようになるわけがない。

側転した熟女たちはみんなから認められたいがために、大きな体を転がしたのだろうか?
そうではないはずだ。自分で自分を認めるために側転したのではないかと推測する。
ドイツ人たちは自分のために生きている自分の気持ちに正直に、自分の幸せを求めて毎日を過ごしている。
そしてポジティブな部分も、ネガティブな部分も含め、ありのままの自分を知っている。

日本のように協調性があることも素晴らしい。だからこそ秩序が保っていけるのも確かだ。
しかし、人の目ばかりを気にして、まわりと比較しながら生きていくことへのストレスを感じている人も多いのが現実。

日本人の私たちも、少しドイツ人を見習って、「できない」はなく、「できる」にフォーカスする習慣をつけてみるといいかもしれない。
そこに、大きな「できる」は必要ない。
側転をした彼女たちのように、些細な「できる」を積み重ねていくことで、もっと自分に自信を持つことができるのではないだろうか。
騙されたと思って、ぜひ試してみてほしい。

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