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保守的英国王室はメーガンを受け入れた

5月19日土曜日、ヘンリー王子とメーガン・マークルの結婚式が行われた。一緒に結婚式を観ていた娘が質問してきた。
「なんでメーガンがハリー王子と結婚することで黒人社会に変化が起こるの?」と。
ドイツ語での解説を聞いていた彼女は、その意味がよくわからなかったようだ。


メーガンは米国の女優。彼女の大出世作ドラマ「SUITS/スーツ」は、私たち夫婦のお気に入りである。
今回の彼女の結婚は何かと話題になってきた。
アメリカ国籍だから?年上だから?バツイチだから?
一番の理由は彼女がアフリカ系アメリカ人の血を引いているからだ。
メーガンの家族についても、さまざまな噂が飛び交い、最終的に父親の参列はなかったが、「SUITS/スーツ」共演者が家族のように、温かく彼女を見守っていた。


わが家の子どもたちもアジアの血が入っている。ドイツ人と日本人のハーフ(ダブル)である。
娘は経験がないようだが、息子はアジア顔で悩んできた。どちらかというと、息子のほうが髪の色が黒い。しかしそれ以外、私にはそんなに違いがわからない。
息子は日本へ一時帰国すると、小さな頃から見知らぬ人に「可愛い~」と言われ、大きくなるにつれ「ジャニーズはいればいいのに」とチヤホヤされてきた。カフェでも、電車の中でも、どこに行っても、まわりから注目の的であった。
しかしドイツではまったく逆だ。常に「中国人」と指をさされてきた。
「ドイツ語話せるの?」と聞かれたりすることもよくあり、まわりからドイツ人として見られないことに疑問を抱きながら生きてきた。


保守的な英国王室はメーガンを受け入れた。
結婚式では、ゴスペル合唱団が「スタンドバイミー」を歌い、19歳の黒人チェリストが演奏した。ロウソクが倒れそうになるほど熱く語った黒人司教の手元には聖書ではなくタブレットが置かれていた。
軍服姿で現れたハリー王子は、いつものように髭を剃ってはいなかった。そんな王子をそっと支えるように、ジョージ・クルーニー、デビット・ベッカムなど、髭を剃らずに参列したゲストが多かったのは気のせいだろうか。

ハリー王子とメーガンは、英国王室に新しい風を吹きこんだのだ。
そしてイギリスとアメリカ、伝統と革新が融合した結婚式は、とても斬新で清々しいものであった。
古くからあるものに新しいものを取り入れること、違うものを認め受け入れることは容易なことではない。
しかし彼らは、それが可能なことを全世界に示したのだ。

この先、世の中が多様性を認め、異なる人種に対して寛容になってくれることを心より願う。

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