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たまに観る映画レビュー『アンダーカレント』

今週のある平日、朝一から病院巡りをして、午後はこの映画を観たい! とイエス様に祈ったところ、ちゃんと間に合って映画館に駆け込めました! 『アンダーカレント』@下高井戸シネマ。

下高井戸シネマの会報に掲載されている簡単なストーリーを読んで、なんとなく観たくなりました。ミステリーってほどでもないけれど、ちょっと不思議な感じのお話しの展開に惹かれ。

また、最近、恋愛映画はほとんど観ないのですが、自分自身がすでに市場外の身ということもあるのでしょうが(笑)、たまにはいいかな~と思って。

あ、でも結論から言うと、そんなに恋愛映画ではなかったです。めちゃめちゃロマンスって感じではない。ふわっと、匂わせる程度…かな? それとも、最近の感覚では、こういうのが思い切り恋愛映画だったりして?

ちなみに、アンダーカレントとはウィキペディアによると、”アンダーカレント(Undercurrent)は潜流とも呼ばれ、表層部の海流と独立して海面下を流れる海流を指す。赤道潜流などが代表的なもの。”とういことです。

それがこの映画のテーマ。主人公の表に出ている人格や行動とは別に心の底流に流れていていて、意識的に外に出さないもの、あるいは秘めたもの、あるいは自分でもそこになるとすら気が付かないもの。みたいなもの。

アンダーカレントを扱っている、テーマとしている点で、とても現代的な映画だと感じました。…、今、ネット検索で知ったのですが、原作は漫画なんですね~?

真木よう子演じる主人公の、夫に失踪されてしまった女性と、失踪した夫と、それからその妻がおばさんと女二人で家業の銭湯を切り盛りところに突然助っ人に現れる男。それぞれに自分を重ねることができる気がして、それぞれに共感を覚えることで自分の心の底流にずうっと長年持ち続けている何かが癒されるような感覚を覚えました。

映画を観ていて「ああ、この人は私だ」と思えることって、私はあまりなかったような気がします。改めて考えてみると。

もうひとつ観たかった理由は、リリーフランキー。

私、基本的には子どもの頃から今で言うところのイケメンが好きですが、って断ると、まるで否定しているようで恐縮ですが、なぜか(笑)リリーフランキーには惹かれるものがあります。ほぼ同じ年齢で、多才に活躍されているところがいいなって思うのかな~? 『万引き家族』もよかったし…。

リリーフランキーは、やっぱりすごいリリーフランキー感を放ってました! 映画全体を色で表現するなら淡いカーキ色系のイメージでしたが、リリーフランキーのそこだけが鮮烈原色! そして役柄も非常に個性的な人の設定でしたが、でも、主人公と夫が数年ぶりの再会を果たすシーンで珈琲をサーブする時のその一瞬の佇まいに温かさがにじみでていて、「わ、すごい役者!」と思いました。

それから、初めて歌うリリーフランキーを観たのですが、意外にうまくてびっくり。深刻な状況設定に反して熱唱する姿と、うまい歌唱が、ミスマッチで笑ってしまいました。初めから最後まで、とっても静かな、ちっとも明るくも楽しくもない映画で、笑えたのはこのシーンくらいだったかな? でも周りが静かに観てますから、声が漏れないように堪えて笑いました…。

ラストシーンは、ちょっと気を揉まされて、がっかりしかけて最後に「あ、そうなんだ…」とほっとさせられる。

誰でもがこの映画の主人公のような強烈な体験はしてないにしても、でも、本人にとっての”強烈”って、人によるし、普通に生きていれば誰でも負っている傷がいくつかはあるはずなので、けっこう多くの人が共感してある種の慰めを得られるのではないかしら? と思います。

最後のシーンは、正直、羨ましいなあ、と思わされました。詳しくは、観てみてください(笑)。

でも、すぐに思い直した「私にはイエスさまがついているし!」。そう思える私は本当に幸せ。イエス様に感謝します。






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