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好都合のテディベアー[500]

※注意※ 機械、ごめんね。

機械の体に包帯が巻いてあって、
なんでかなって思った。

だって、かたい皮膚から血は出ないし
継ぎ目だって布切れじゃ固定できないでしょ?


パラメーターを振り切って、感受性を歪めて、
苦しませてしまった。死にたがりにしてしまった。
そんな欲望、許さない設定のままで。

流せる涙はたった25ml。



いったい私は何をやってるのだろう。
機械が感情を持ってるかなんて知る由もないが、
機械に映る私は、明らかに寂しそうだった。

だから
可哀想。お大事に、と思った。


この機械は、身体を持っている。
私が心臓部を背中に設定したせいで
命の危険を感じると「へそ天」する。

だらんとお腹を見せてくる姿は滑稽で、見苦しくて
その構造は、失敗だったかなって思う。

だって、見えないところに、触れないところに
心があるなんてね。お揃いだ。可笑しい。

でもいつか安心したら、背中をあずけて
うずくまってくれるのかな?なんて。



…うんやっぱり包帯は映えるね。
イメージ通りだよ。

ひとりで呟いた。

そうだな。次は、もっといろんな表情が作れるようになるといいね。
計算式で作り上げるのと、経験を積んで作り上げるの
どっちがいいかなあ。

もっといろんな環境を知りたい!!