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AIは機械猫を復元できるのか?AIと人の連携について 【AIRS-Labコラム #003】

以前に、@tg_bomzeさんの「Face Depixelizer」というAI技術を使って低解像度の顔画像の復元にトライしたことがあります。

使用しているのは、「StyleGAN」というアルゴリズムです。

https://twitter.com/tg_bomze/status/1274098682284163072?s=20

まずは自分の顔画像を低解像度化し、復元してみました。

画像1

念のために述べておきますが、僕は日本人です。にもかかわらず、復元された顔は欧米人のものでした。その後、顔の位置を変えたりして何度も復元にトライしましたが、やはり同じような結果になりました。

次に、国民的人気キャラの某機械猫の画像を低解像度化し、復元してみました。

画像2

大きな赤い口が、赤ら顔と解釈されてしまい、人の良さそうなおじさんの画像が生成されてしまいました。AIの訓練データにアニメキャラは含まれていないため、無理にでもリアルな顔に復元してしまうようですね。
そして、AIの訓練に使用した顔画像が欧米人のものに偏っていたので、生成させる画像は欧米人の顔の範囲ものに限られるようです。

ちなみに、こちらの結果をツイートしたところバズってしまい、8000回近くリツイートされました。
https://twitter.com/yuky_az/status/1280674403571822593?s=20

こちらの記事は、似た技術を使ってストリートファイターのキャラを実写化した結果です。
https://realsound.jp/tech/2021/09/post-849978.html

同じことはAIによる文章生成、作曲にも言えます。文章や曲を生成することはできるのですが、それは訓練に使用したデータ内のパターンに限られます。現状のAIの生成物は大きく訓練データに依存しており、そこから外れるものを創造するのは難しいです。

しかしながら、人間とAIがうまく「連携」できれば、むしろ今までに無かったものが作れる可能性があります。

以下は、「夜に駆ける」の冒頭部分をベースに、「Music Transformer」というAIが続けて曲を生成した例です。

前半はYOASOBIが作った曲なのですが、途中からはAIが作曲した曲です。かなりYOASOBIっぽい曲に仕上がっていることが確認できます。

また、「スパースモデリング」と呼ばれるAIの手法は、結果を得るために必要な特徴を予めヒトが絞ってやります。
例えば、MRI画像から腫瘍を見つけるモデルを構築する場合には、どこに着目して病巣を見つけているのかを、医師ににヒアリングすることが必要なようです。
AIモデルの構築にビッグデータが必要なく、AIのブラックボックス化も避けられるようです。
https://news.mynavi.jp/article/20210924-1975584/

現状のAIに人間のような「創造力」はありませんが、ヒトと連携することでそれまでに無い創造力を発揮することがあるようです。

ヒトとAIがうまく連携できれば、某機械猫の画像も正確に復元できるようになるのかもしれませんね。




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