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「猫様のクチバシ」第二回*『三千円の使い方』を考えて、ティーポットを買うことにした*

カルディの猫の日バッグの抽選に応募しました。当たりますように。

可愛い猫のカップやお皿が当たったらティーポットを買うことにします。今家にあるものは二つとも口の先が欠けていて、洗う時に怪我しそうで危ないのです。

お金の悩みは家族の中でも千差万別

三千円の使い方を毎月考えていますか。
私は考えたことがなかったのですが、この本を読んで考えようと思いました。

何かのきっかけになる本ってありますよね。
最近私が読んだ本の中ではこの本がそうでした。
お金について悩む一家とその知人の話です。
借金もなく銀座で不自由なく暮らしているのに、将来が不安で悩んでいます。
もっとどんと構えたらいいというほど楽観できる時代ではないかもしれません。しかし、常にお金の心配をして生きる現代はとても息苦しいものです。
リアルであるだけに、私とは価値観が違うところも多々ありました。
しかし、それだけ他人の人生を垣間見たような新鮮さを覚えます。

ティーポットは3千円で買えるだろうか?

買えるんですよ。ティーポット。1,000円以内でも買えます。
我が家にあるティーポットは2つとも先が欠けていて買い替え時です。
けれども、今まで使ってきた愛着があります。
急須だったらほかにもあるのです。
新しいものを買ったら、食器棚にしまいきれないので壊れかけているティーポットは捨てなければならないでしょう。
これからそのティーポットで毎日のようにお茶を飲むことを考えると、買えるかどうかではなく、買うべきかどうかという問題になります。
買って後悔するくらいなら現状維持でもいいのです。
一方で、新しいものを買って新しい世界が広がる可能性もあります。
3千円で世界を広げるのが今なのか。小説の中の登場人物が結婚に踏み切ったように今が私にとってそのタイミングなのかどうか。
気に入ったティーポット探しをしばらく続けていきます。

動物を飼うハードルはどれくらい高いのか?

小説の登場人物が保護犬を飼おうとして貯金をはじめます。
正直、東京に一人暮らしで貯金数十万円は借金がない人としては現実的ではないなと私は思いました。
新卒の頃は、私も引き落としのことを考えてなくて会社に言われて給与振り込みのために作った銀行口座にうっかりお金が入っていなくて、カード会社から電話が来たり、電気代の引き落としができていなくて慌ててコンビニに支払いに行ったこともありました。
しかし、それでも引っ越しでもなければ貯金が数十万円に減るということはなかったです。
引き落としの心配は20代後半にはなくなり、むやみに定期にお金をいれなくなりました。
転職が多く、引っ越しも多かったので、貯金はそれほどできませんでしたが、小説の登場人物のように貯金がなかったら、引っ越しがそもそもできません。転職なんて夢のまた夢です。
失業している間は貯金が減るだけですので、とにかくお金がなくならないうちに仕事を決めようと必死です。
でも、そもそも転職ができないほど貯金がないというのは話が別なので、都会暮らしでそれほど貯金がなくて今までどうして来たんだろうとちょっと不思議には思いました。
その金額なら借金したことがあるんじゃないかなとまで思いましたが、不思議なことに小説の家族は借金などしたことがないような非常に生真面目な人たちなのです。
かといって、自転車操業というほど困ってもない。これまでの生活では必死さもない。娘たちをどうやって大学に行かせたのか不思議です。
しかし、その点の現実味は考え方によるとしても、保護犬を飼うためにお金を貯めはじめるというのは非常に共感できました。
私は後先考えずに猫を拾ってしまいました。
けれども、世の中には外で暮らしている猫はまだまだたくさんいます。
宝くじが当たったら、私も保護猫活動とはいかないまでも、家を改築してハーブを売って猫カフェをやりたいなと思ってしまいます。
猫や植物の世話に人材派遣事業もやりたいです。
最近はペットを旅行に連れていくべきではない論争が盛んです。
しかし、日本でこれだけペットが飼われていて、ペットを飼ってから一度も旅行してないとか、留守番をさせたことがないとか、そんな完璧な飼い方ができている人ばかりなのか甚だ私は疑問です。
それが理想というなら、そもそも動物を飼うという生活は理想のライフスタイルではないという気がするのです。
ペットを飼う人が、旅行も外食もしなかったら?
子育ては専業主婦でやるべきだという主張と似たものを感じるのは私の考えすぎでしょうか。
留守番の時間が長いとストレス、遠出するのはストレス。
それは人間にも当てはまることだと思うのです。
しかし、人間は妥協して生きており、困難に直面しなければなりません。
ペットを飼っているかで貯金額がわかるなんて世の中も怖い気がします。

奨学金は借金か?

小説の中に美大卒の男性の話が出てきます。
結婚を考える相手ができたところ、親が自分の美大進学のために有利子の奨学金を満額借りていたことを知るのです。一部は返済していましたが、残額が550万円。利子が3パーセントでこれから返済すると700万円以上になります。
ただ、ここで落ち着いて考えたいのは、その奨学金も20年、毎月3万円で返済する方法もあるということです。
この男性はほかの解決策が見つかりました。
しかし、都会暮らしで車の維持費もかからない。薄給と書かれていましたが、大卒でデザイン事務所で働き続けており、転職経験もありません。
学生時代はアルバイトして実家に5万円入れていたそうです。
そんな人がなぜ30歳で貯金がまるでないのか、それも不思議なのですが、結婚に反対されるほどの借金かという疑問もわきました。
世の中には大卒で奨学金の返済の必要がない人でさらに借金もない、貯金がそこそこある人ってどれくらいいるのでしょうか。
前述のように、ペットを飼って旅行に一切行かない人と同じくらいに、いるにはいるでしょうけど、多数派というほどそんな人はいない気がするのです。

73歳で貯金1千万円は少ないか?

1千万円貯金がある祖母の話が出てきます。
夫が生きている時には、年金は二人合わせて23万円ありましたが、夫が亡くなって年金額は月8万円。投資などでちょこちょとと増やしているもののFPに相談したところ、その貯金では生活に不安があるようです。
「おいおい、銀座の持ち家があるでしょ。いざとなれば」と思うのですが、もしかしたら、建物だけで土地は借り物かもしれませんし、わかりません。
ひ孫までいますが、祖父の年齢になっても子供はまだ家のローンを抱えています。要するに別世帯で、同居していません。孫がいるといっても息子は50代です。会社役員で、妻は専業主婦。その70代の母も、ずっと専業主婦でした。
しかし、その年になると、かえって友人関係が復活して交際費が増えるんだそうですね。お元気で何よりと思います。
それで、結局その女性は働きに出ます。結婚前に銀座のデパートガールをしていたような上品な夫人です。
できる仕事には限りがありましたが、運よく仕事が見つかります。
ちなみに、息子の嫁は癌になって手術して退院したりして、何かと忙しい毎日を過ごしています。
長男一家の話しか出てこないので家族構成がよくわかりませんが、とりあえず、50代の企業役員の息子がいて、その奥さんは専業主婦、別家に住んでいるその義理の母がパートに出て、貯金1千万円。子供たちは成人していて、30代二人。長女は専業主婦で子供一人、旦那は消防職員で公務員。貯金は今600万円でマイホームを買おうとしている。次女は働いており、婚約。結婚後も仕事を続けるつもりで、マイホームを買って保護犬と暮らす夢を持っているがその婚約者には奨学金返済がある。
これって思い悩む家族構成なんでしょうか。
もちろん、悩みはひとそれぞれです。
こうやって書くと、この家族の問題は全員で家を持とうとしていることかもしれないとも思えます。住居費が何より重いのです。それは、わかります。
「まあ、なんとかなるか」では物語にはならないのです。
今はお金がないというよりいくらあっても足りない時代」ではないかと思いました。

もしも、宝くじが1億円当たっても、私もいつの間にか贅沢しているつもりもなくすぐに使い果たしてしまうのかもしれません。


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