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ケガをした #1

ケガをした。
ケガをしたのだ。

ある朝、私はごはんを作ろうと
ピーラーでキャベツをガシガシやっていた。
とても細く美しいキャベツの千切りが瞬く間にできていくその途中で、私の左親指は削られたのだ。

いったぁ!!

非常に美しい千切りが出来るということは
非常に美しく身も削られるということで
これが武将の刀なら完璧な研ぎ具合だ。
しかし最初は大したことないかと思っていた傷から
血は容赦なく流れ始めた。

血を見るのは久しぶり、
とか言ってる場合ではない。
ヤバいなこれ。

ティッシュでぎゅっと押さえても
いっこうに止まりそうにない気もしたが、
とりあえずティッシュで何重にも巻いて、
その上にビニール手袋をして
ピーラーは丁寧に洗って
残りの千切りを終えた。
指はズキズキしている。

文字通り痛みを伴って産み出された
千切りキャベツは
ニトスキにて巣ごもり卵になり
私たちの朝ごはんはなんとか無事終了した。
後片付けは夫がやってくれた。

さてその日はお出かけの予定があったので
なんとか痛みを止めたいと思い、
駅近くのドラッグストアで
キズパワーパッドを買った。
その頃には血も止まっていたので、
電車の中で手当をしたら
痛みもようやく治まった。
その後ワインをたらふく飲んでも
気になる事はなかったのでまずはひと安心。

キズパワーパッドは大変優秀で、
その後数日そのまま過ごせた。
剥がれてきたので貼り替えて、
さらに数日過ごせた。
お風呂に入る時や、食事の用意をする時には
その上に医療用の指サックを使った。

しかし左親指が使えないということは
思った以上に不便なことである。
まずは卵が割れない。
(早急に片手で卵を割る技術を習得しておこうと思った)
次に袋が開けにくい。
(しょうがないのでハサミで切った)
左親指は大切な私の相棒であったことに
いろんなところで気付かされるのであった。

さて現在。
削れた親指は小さなカサブタひとつになった。
削れたところは削れたままだが、思ったより
キレイに治りそうである。

キズパワーパッドに心からの感謝を。

(またケガしたら書きます)



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