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3か月予報(12~2月)

11月24日発表の3か月予報です。
西ほど寒さの厳しい冬となりそうです。

1.一般向け

ラニーニャで北暖西冷

向こう3か月の気温は、西日本と沖縄・奄美で低く
東日本で平年並みか低く、北日本は平年並みか高い予想です。
ラニーニャ現象が発生している影響で冬型が西ほど強く、寒気が流れ込みやすい東日本以西で低温傾向です。
一方、暖かい空気が流れ込みやすい北日本は高温傾向です。
北暖西冷のパターンとなり、西日本と沖縄・奄美では寒さの厳しい冬となるでしょう。
特に12月にこの傾向が顕著で、12月としては強い寒気が
西日本を中心に流れ込む可能性があります。
冬物や暖房が活躍するでしょう。

西は大雪注意

向こう3か月の降水量は北日本太平洋側と西~東日本日本海側で平年並みか多く、西日本太平洋側と沖縄・奄美は少なく、東日本太平洋側は平年並みか少ない予想です。
北日本は低気圧の影響を受けやすく、西~東日本日本海側は寒気の影響を受けやすいため、降水量が多い傾向となっています。
西~東日本では寒気が流れ込みやすいことから、降雪量も多い傾向で大雪に要注意です。
一方、高温傾向の北日本では雪の量が平年よりも少なくなる可能性があります。

2.専門版

熱帯

ラニーニャの影響で、西部太平洋熱帯域ではSSTが高く、インド洋北部も高い。これにより西インド洋〜南シナ海付近で200hPa速度ポテンシャル負偏差域が見られ対流活発を示唆している。

SST(3か月)

上層

熱帯の対流活動に対応して、200hPa流線関数は東アジアに高気圧性循環偏差、日本の東に低気圧性循環偏差という波列がみられる。この傾向は前半ほど明瞭。

200hPa流線関数(3か月)
200hPa流線関数(12月)
200hPa流線関数(1月)
200hPa流線関数(2月)

中層

ジェットの蛇行に対応して、シベリアにリッジ、日本付近にトラフが予測され、日本付近は負偏差。

500hPa高度(3か月)

下層

850hPa流線関数は、熱帯の対流活動に対応して
インド洋~南シナ海付近に低気圧性循環偏差が予測され
北東への波束伝播で日本付近は低気圧性循環偏差。
これに対応して、海面気圧は華南から南西諸島が正偏差で
シベリア高気圧の南東への張り出しが強い予測。

850hPa流線関数(3か月)

また、日本付近は負偏差でアリューシャン低気圧が南西側で強く
冬型は西日本中心に影響が大きい。

海面気圧(3か月)

このため、850hPa気温は西~東日本と南西諸島が負偏差で低温傾向。

850hPa気温(3か月)

ただし、1~2月は大陸が負偏差でシベリア高気圧は弱く
寒気の吹き出しの影響は12月ほど大きく出ない。
低気圧が南西側で強いために気温負偏差となっていると思われるが
寒冬になるパターンとは言い難い。

850hPa(12月、1月、2月)

まとめ

・ラニーニャ等の影響でインド洋~南シナ海で低気圧性循環偏差
・大陸で偏西風が北偏し、日本付近で南偏傾向。
・大陸の高気圧は南東側に強く、その傾向は12月が顕著。
・寒冬傾向となるのは冬前半で、後半は平年並みに戻るか

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