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《新たな我々》 暗闇の向こう側から、広大なマス目状の床を照らす水平の明かりが射し、その…
《遠い記憶と別の我々》 遠い記憶が蘇った。水面に広がり散らばった我々は一定の間隔を保っ…
《運命の選別》 我々は緩やかな坂を転がり落ち、長い時間をかけて、それぞれの定位置に収ま…
《住人の心得》 昼は会社勤めだが、ほぼリモートで済むので多少遠隔地でも大丈夫。 届け出…
《住人になるコツ》 モデルルームの朝は早い。朝日が昇って日が差して来ればカーテンを全開…
曇天が続く冬空だったが、昼には晴れる予報だった。 いつものように自転車を漕いで駅に向…
空を見上げると朧月。ゆらゆらとした雨雲の上を滑るように飛ぶ蝙蝠。蝙蝠の顔が拡大され、コアラのような微笑みでこちらを見つめる。 子供が発砲スチロールを擦り合わせ、蝙蝠たちを狂わせる。軌道を外した連中が軒下にぶつかり落ちてゆく。 誰かが傘をさしてまた閉じる。すぐ脇を走り抜けた男が線路下のトンネルを抜け、土手の上まで駈け上る。 廃線となった線路には雑草がおいしげ、河川からの風に吹かれている。朧月は近くなったり遠くなったりして波を照らしている。 夕餉の匂いがしてきて、子供と
仕事でいくつかのトラブルを抱えている日々だった。気分転換で自転車で三十分ほどの沼に向か…
その自転車旅行は、おおよその目的地しか設定しておらず、宿泊先も決めていなかった。川沿い…