夢をかなえるスマートフォン㉖5時限目の5〜待ち受け画面の作り方

華苗は自分の待ち受けが猫のリリばかりだったことを思い出していた。つまらない講義だったりすると、その待ち受け見てたり。
「それで、どんな感じで待ち受けを作っていけばいいんですか?」
与志宮は自分のスマートフォンの待ち受け画面を華苗に見せた。それまでにも華苗は何度も与志宮の待ち受けを見せてもらっていたのだが、あらためてこうして見てみると、一つ一つ凝っているのがわかった。
「こんなすごいのを私が作るんですか?」
「大丈夫、誰でも作れるよ。最初から凝ったものでなくても、簡単なものからでいいんだ。
じゃ、作り方を説明しよう。」

「まず、壁紙の大きさを知らないといけない。」
アイフォーンとアンドロイドでは、スマートフォンの画面の大きさが少し違うから気をつけよう。
アイフォーンはアイコンをひとつだけ置く画面を作ると、ほとんど見えるから、それを1枚目の画面にするといい。
アンドロイドはカラの画面を作って、最初と最後の画面にする。そうすれば壁紙がアイコンに邪魔されずに見ることが出来る。
壁紙の大きさがわかったら、パワーポイントとかキーノートのプレゼンテーションソフトで自分の写真の周りに目標に関する写真と期限付きの目標の文字を埋め尽くす。
「わかったかな?」
「目標に関する写真って、どういうことですか?」
「目標の達成をイメージさせる写真や絵だ。」
自分が目標を達成したときに近いイメージのものがいい。なるべくリアルに想像するのが理想なんでね。
例えば受験の合格を目標にしているとすれば、喜び合っている姿や胴上げされているような写真を探す。実際に現地に赴いてその場の写真を撮るというのも良い刺激になるね。
画像ができたら、JpegやPNGファイルなどに変換して、あとはスマートフォンに送って、待ち受けにする。
「これだけ。」
これなら、華苗にもできそうだと思った。
「作りながら、わからないこともでてくるはず。
そうしたらメッセージで質問してくれればいい。」
与志宮のカップにおかわりが注がれた。
「ビジュアライゼーションは自分の決めた追加資源の目標を達成するために、必要なことなんだ。つまり、自分のやらなきゃいけないことに集中しなくてはいけない。よく陥りやすいのは、やらなきゃやらなきゃの連続で気が滅入ってしまうこと。」
まさに自分がそうだと、華苗は大きくうなづいた。
「この時点で大抵の人は挫折して、あきらめてしまう。」
君はあきらめなかったね。偉いと思うよ。それは、先に自己分析と資源分析をしておいたことがよかったとも言える。ここで、君に伝えておきたい言葉がある。
ピーターパンの作家であるジェームズ・バリーが言われた言葉だ。
『幸福の秘訣は、自分がやるべきことを好きになることだ』
実は、バリーは1作目のピーターパンを書き上げた後、次の作品を書くのがイヤになってしまったらしい。編集者は才能があるのに書かないのはもったいないと思ったんだろうね、2作目・3作目を書かせるために言った言葉だという。

この言葉のおかげで、私もあることを続けることができるようになった。
経営者になったばかりの頃、私は銀行に行くのがイヤでね。経理も苦手だったものだから、少しでも楽になるようにと、経理用のコンピューターソフトを自作したんだ。これが、うまくいってね。おかげで、銀行に行くのが楽になった。そのうちに都市銀行のお偉いさんから、可愛がってもらえるようになり、事業計画までつくってもらったこともある。
あれもこれも、手を出さないために、1つのことを続けるためにも、自分のやらなくてはいけないことを好きになることはとても大切なことだ。結局それが自分の好きなことを仕事にするということにつながっている。
お金を払ってでもやりたいと思えることを仕事にするといいよ。
それが仕事を愛しているってことだから。
それが結局成功につながって、大きな富(精神的・物質的)を生むんだ。
いろんなことに手を出すことは、実際うまくいかなかったことが多い。
「自分のやるべきことを、選択して、それに、集中することが大事なんだ。」
「あれこれやるのではなく、1つのことに集中する。それも自分の強みに集中する!なんだか、楽しくなってきました。」
「次の時までに、しっかりスマートフォンの待ち受けを作っておくこと。じゃ、今日はここまで。」

華苗は与志宮と別れると、まっすぐ家に向かった。落ち着いて、待ち受けのことを考えたかったのだ。
待ち受け画面作成考えるだけでうきうきしてきた。
とはいっても、実際手を付けてみれば、言われたよりも難しい気がした。
結局、与志宮に連絡することになった。
アドバイスをもらったり、スマートフォンからスカイプを立ち上げて、細かい指導を受けたりもした。
スマートフォンの使い方のスキルも上がってきた気がする。
そうして、待ち受けもなんとか、できあがった。
「お~っ、我ながら上出来。」

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