木寺祥友

著書5冊。 書籍の初稿のために使っています。 まだ世に出る前の文章をここに書いています。

木寺祥友

著書5冊。 書籍の初稿のために使っています。 まだ世に出る前の文章をここに書いています。

マガジン

  • 夢をかなえるスマートフォン

    スマートフォンを使って自己啓発していく物語。 主人公の南青山女学院3年生である華苗が、スマートフォンを使って目標設定し夢をかなえていく描写を読むことによって、ハウツー本よりわかりやすく目標設定や自己啓発を理解できるようになっている小説。

最近の記事

夢をかなえるスマートフォン①はじめに

コンピューターは自分を高めることに使えないだろうか。これは私の一生のテーマである。 複雑な計算をするときには電卓やコンピューターの表計算を使用するのに、自分の目標管理など人生で一番重要な事を考えるときには暗算のようにしている人がとても多いのに驚かされる。 暗算ならまだいいのだが、目標を考えたこともなかった、という人がほとんどである。 現代はITデジタル社会。 コンピューターが人間の頭脳の代わりに動いてくれている。 更に身近なコンピューターとして、スマートフォンをいつも持ち歩

    • 夢をかなえるスマートフォン②目次と登場人物

      ①はじめに ②目次と登場人物 ③プロローグの1〜Cafeブルーマウンテン ④プロローグの2〜偶然の出会い ⑤1時限目の1〜スマートフォン ⑥1時限目の2〜スマートフォンのメモ ⑦1時限目の3〜仕事に対する考え方 ⑧2時限目の1〜現状分析をしてみよう ⑨2時限目の2〜好きなことの書き出し ⑩2時限目の3〜現状分析の効果 ⑪2時限目の4〜目標の具体化 ⑫3時限目の1〜資源分析をしてみよう ⑬3時限目の2〜過去の成功体験 ⑭3時限目の3〜友人から刺激をもらう ⑮3時限目の4〜妹の早

      • 夢をかなえるスマートフォン③プロローグの1〜Cafeブルーマウンテン

         「ミャ~」 子猫の声がした。 与志宮はパソコンのキーボードを叩く手を止めて、自分の足下をのぞいた。 暗いがあやしいものは何も見えない。 椅子の背もたれ越しに床を見た。木の床板と椅子の足のほか何も見えない。 周りを見渡しても、挙動不審なのは自分だけだ。 こんなところに猫がいるはずがない。 ここは都会と言っていい南青山骨董通りのCafeブルーマウンテンの自分のお気に入りの席だ。毎朝ここで仕事をするのが、ここ何ヶ月かの習慣だ。 他のビジネスマンやOLが出勤前のひとときを、珈琲の香

        • 夢をかなえるスマートフォン④プロローグの2〜偶然の出会い

          与志宮は仕方なく言った。 「あの~、”ご利用頂けます”って意味ですよ。」 沈黙があった。 2人は「ああ、そのことか」とばかり、うなづきあって、少し表情が和らいだ。 ジャスティンは「華苗、その言い方、メモしておいてね。」 1分後には、与志宮は子猫自慢が止まらない華苗に付き合って、すっかりレッスンの邪魔をするハメになっていた。 与志宮がIT会社を経営していることを知ると、華苗は早速質問を始めた。 「ちょうど、スマートフォン買い換えようと思っているんですが、次は何がいいですか?」

        夢をかなえるスマートフォン①はじめに

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        • 夢をかなえるスマートフォン
          44本

        記事

          夢をかなえるスマートフォン⑤1時限目の1〜第二の頭脳

          早朝のCafeブルーマウンテンは、外国人が多く、1人でパソコンやタブレット、スマートフォンをいじっていたりしている人がほとんどで、ここの店員は英語を話せるというのもあるが、昼間の雰囲気とは違っている。 華苗のこの曜日は大学の授業が午後からなので、午前中は留学生のジャスティンに頼んで、英会話を教えてもらっているのだ。 優秀な北青山大学の英文科に通う妹の早苗と違って、文学部の華苗は英語に苦手意識とコンプレックスがある。今はもう3年生なので、就活も始まる。英語も何とかしておかないと

          夢をかなえるスマートフォン⑤1時限目の1〜第二の頭脳

          夢をかなえるスマートフォン⑥1時限目の2〜スマートフォンのメモ

          この人は一体何を言い出すのだろう。 目標設定?就活に利用? そんなことができるかどうかも全く分からなかった。 「じゃ、まず、手始めに一週間の宿題。 君が感動したこと、嬉しいこと、幸せに感じること、好きなこと、などを、スマートフォンのメモに書き込んでくるように。できるだけたくさん書くこと、いいね。」 「感情が重要だから、自分がついにこにこしてしまうようなことがあったり、頭に浮かんだりしたら、すかさずスマートフォンのメモに残すんだよ。 自分がどのようなときが心地良いのかを知ること

          夢をかなえるスマートフォン⑥1時限目の2〜スマートフォンのメモ

          夢をかなえるスマートフォン⑦1時限目の3〜仕事に対する考え方

          「ま、それが一般論だよね。それは普通の人の答えだ。 でも、どうだろう?その仕事が好きではなくお金のためにやっている人と、その仕事が好きでやっている人とでは、どちらが良い仕事をするだろう? 例えば、薬屋に行ったとして、店員が本当はDJになりたいんだけど、仕方なく薬屋の店員やってるって言う人と薬が好きで、薬屋の店員やってる人とでは、どちらから買いたいと思うだろう。」 「やっぱり、好きなことをやってる人の方が、いろんなこと知ってそうだし、信用もできそうですよね。」 「私もそう思う。

          夢をかなえるスマートフォン⑦1時限目の3〜仕事に対する考え方

          夢をかなえるスマートフォン⑧2時限目の1〜現状分析をしてみよう

           いつの間にか、外は雨になっていた。天気予報でも確かに、雨。華苗も傘は持ってきていた。 室内から見ている雨はいい。 数分前。 「じゃ、頑張って。」 与志宮はスマートフォンの活用方法を一通り教え終わると、Cafeブルーマウンテンに華苗を残して、南青山の街並みへと戻っていった。 テーブルの上には、無造作に置かれたスマートフォン。 画面には与志宮から教わったことがびっしりと書き込まれたメモ。華苗はそれらをボンヤリ見つめた。 よし、これからは、スマートフォンがパートナーだ。 このスマ

          夢をかなえるスマートフォン⑧2時限目の1〜現状分析をしてみよう

          夢をかなえるスマートフォン⑨2時限目の2〜好きなことの書き出し

          ◇好きなコト。動物は好き◇ でも、虫とは虫類両生類はダメ。小学生の時、家の前にトノサマガエルが鎮座していて、3時間くらい家に入れず困ったことがあった。飛びついてきそうで、怖くて動けなかった。 あの薄いお腹の皮が触ったら破れてしまいそうで恐かったのだ。 その時はカエルとの根比べに負けて、近所の男の子がどかしてくれたっけ。 そうそう◇本が好き◇ 小さい頃、誕生日やクリスマスのプレゼントには絵本をもらった。読みたい本がいっぱいあって、そのうちプレゼントじゃ待ちきれなくなって、おこず

          夢をかなえるスマートフォン⑨2時限目の2〜好きなことの書き出し

          夢をかなえるスマートフォン⑩2時限目の3〜現状分析の効果

          「現状を分析してなにが役に立つのかなって思って」 「いい音楽を聴いたり。いい文章を読んだり。いい絵を見たりして。頭がジーンとすることってない?そういういい気持ちになる瞬間って自分に何かが降りてきたって感じにならない?そういう感覚を大切にしないといけないよ。」 「でも」 「自分が何を求めているか知るチャンスなんだよ。」 これは目標と深い関係があってこれだけでも、強い目標意識が生まれて成功する人がいるくらいなんだ。 強い目標意識があれば現状分析を省いてもいいくらい大切なものなんだ

          夢をかなえるスマートフォン⑩2時限目の3〜現状分析の効果

          夢をかなえるスマートフォン⑪2時限目の4〜目標の具体化

          「そうそう。自分のやりたいことはこんな具合に、ものすごく具体的でないといけないんだ。」 例えば、のどが渇いたとする。それだけを言えば普通水が出てくるだろう。必要最低限だ。しかし冷たくしてほしかったり、味のついているものや炭酸の入ったものが飲みたかったら、君はがっかりするだろう? しかしのどが渇いたなら本当は水で充分だ。 それ以上望むなら詳しく伝えなければ誰にも分かってもらえないよね? そう、君は炭酸の入ったオレンジジュースに氷を入れて飲みたいと伝えなければ、それは与えられない

          夢をかなえるスマートフォン⑪2時限目の4〜目標の具体化

          夢をかなえるスマートフォン⑫3時限目の1〜資源分析をしてみよう

          「おっ・・・と、もうこんな時間だ。今日はこんなところでいいかい?」 「なんか、忙しそうですね。」 「うん。そこの目の前のレストランでね。」 与志宮はCafeブルーマウンテンのガラス越しに見える向かい側の真っ白なおしゃれなレストランを指した。 「これから、ランチ会なんだよ。そこでミニセミナーをやることになっていてね。そろそろ時間なんだ。」 「どんなことを話すのですか?」 「夢咲さんに話しているようなことだよ。」 東日本大震災があってからというもの、不安になった人が多くて、自己を

          夢をかなえるスマートフォン⑫3時限目の1〜資源分析をしてみよう

          夢をかなえるスマートフォン⑬3時限目の2〜過去の成功体験

          この時は「難しい高校によく合格したね。」と、褒められたっけか。でも自分では、早苗と離ればなれになったのが悲しくて、あまり嬉しくなかったように思える。だけど、今考えれば、学校は違っても、同じ家に住んでたんだし、何をそんなに落ち込んだのかと思う。 高校では、ダンス部に入った。いわゆる創作ダンスで、テーマに合わせた音楽や音源を探してくるのが好きだった。 一応ダンスのシナリオも考えたりしていた。 どっちかって言うと、踊るよりそういうのを考えてる方が楽しかった。 うちの部は大会とかには

          夢をかなえるスマートフォン⑬3時限目の2〜過去の成功体験

          夢をかなえるスマートフォン⑭3時限目の3〜友人から刺激をもらう

          みんな、変わっちゃってるかも。わからなかったらどうしよう。 3人は高校の近くの長居できそうなファミリーレストランに集まることにした。 約束の時間10分前に着いて、ファミリーレストランのドアを開けると、待合い席の所にいた2人が立ち上がった。 さやかと友絵だ。 「きゃ~っ、ひさしぶりぃ~」 3人は輪になって軽く手を打ち鳴らした。 「おそろいでしたら、ご案内します。ようこそ、いらっしゃいませ 、3人様ご案内で す。」 平日の昼間で空いていた。 うるさくて長居しそう、と店員に思わ

          夢をかなえるスマートフォン⑭3時限目の3〜友人から刺激をもらう

          夢をかなえるスマートフォン⑮3時限目の4〜妹の早苗に相談

          「得意なことって、ダンス部で賞、取ったじゃない。あれ、華苗が取ったみたいなもんだよ。」 「そうそう、アレびっくりしたよね 。 ダンスの点数はメッチャ低かったのに、賞もらっちゃったんだよね 。」 友絵は更に笑いながら言った。 もらった賞とは、「音楽がよかったで賞」という、ちょっとふざけた名前の、特別にその場で作られた賞だった。 そうだった、思い出した。 あのとき、賞をもらえたのは個人的にすごく嬉しかったが、ほかの部員の手前、あまり喜ぶことができず、記憶を封印したのだった。 「あ

          夢をかなえるスマートフォン⑮3時限目の4〜妹の早苗に相談

          夢をかなえるスマートフォン⑯3時限目の5〜資源をたくさん書き出す

          「資源の分析をはじめる前に、自分の資源をたくさん書き出すことが大切なんだ。」 いいかどうか考えないでひたすらたくさんの資源を書き出すこと。 書き出す時は書き出す。分析するときは分析、と役割を分けることが大切なんだよ。 そうじゃないと考えながら書いていたら、たくさん浮かばないからね。 頭の中にあるものをスマートフォンにさらけだして、今度はスマートフォンの画面を見て分析するという行為が重要なんだよ。 人の脳の役割とコンピュータの役割を分担させるんだ。 自分の頭の整理にコンピュータ

          夢をかなえるスマートフォン⑯3時限目の5〜資源をたくさん書き出す