夢をかなえるスマートフォン㉞7時限目の4〜人間関係を見極める

「自分と同等の人は友達としてはいいんだけど、嫉妬心が涌いてくると邪魔するよ。邪魔する人とは付き合う必要ないよね。自分より上の人は邪魔はしない。邪魔する必要がないからね。眼中にないというか相手にしてもらえないことが多い。」
自分より下の人は、邪魔はできないけど、足を引っ張るんだ。いくら自分のことを好いている人でも自分の足を引っ張ってしまう人とは付き合わない方が賢明だね。
まとめると、非協力的な自分より上の人、邪魔をする自分と同等の人、足を引っ張る自分より下の人とは付き合わない方がいい。
付き合うべきは、引き上げてくれる自分より上の人、お互いを高めあえる自分と同等の人、自分のことを支えてくれる自分より下の人だね。もちろん、この関係は一方的に終わるものではない。引き上げてくれる、自分より上の人のことを自分は支えるし、同等の人とはお互いに協力し合うし、支えてくれる、自分より下の人のことは、いつか自分が引き上げてあげる素晴らしい人間関係の連鎖となってゆくものだ。
「だから人にはこだわらないと。」
「なんか私、嫌われたくないっていう気持ちが働いちゃって、いろいろな人と付き合っているんだと思います。付き合いたくない人を、遠ざけることも大事なんですね。」
「人を見極めることは、自らの運命を決めることにつながるんだ。運という字は、軍に歩むと書くよね。つまり、自分がどっちの軍隊につくかで運が決まるんだ。自分を強力に援護してくれるような強い軍隊につけば、運の力で成功に近づくんだ。昔のひとはよくいったもんだよね。」
「うわ~、今日のお話で、また前に進めそうです!ありがとうございます。」
「じゃあ今日はこのくらいにしておこうか。宿題は出さなくてもよさそうかな?やることは分かってそうだね。」
「はい、大丈夫です!」
与志宮は荷物をまとめ店の外に出て行った。おそらくオフィスに戻ったのであろう。華苗は、これからやらないといけないことを忘れないうちにリストアップしようと思って、スマートフォンを出して書き込んでいた。
1.各出版社の資料を集める。
  出願する出版社を絞り込む。
  行きたい出版社の関係者をソーシャルメディアで連絡を取る。
  連絡を取っている出版関係者に会いに行く。
2.本屋での仕事で任されていることをリストアップする。
  今、任されていないことをリストアップする。
  自分ができそうなことで、他の人が誰もやりたがらない仕事をスキマ時間にする。
  (=店長の仕事の手伝い。)
華苗は思いつくだけ、これから行動に移すべきことをスマートフォンに書き込んでいった。そうしていくうちに、なぜ行動できていないのかが分かるようになってきた。目標を立てるときは分からなかったが、まだまだ追加資源を細かくできる余地があったのだ。
夜寝る前に緊急で重要なことを5つスマートフォンにリストアップすることを実践した華苗は、アルバイトをするときも、スキマ時間ができるようになっていた。普段の生活でスキマ時間ができれば、その時間を読書に充てていた華苗だが、さすがにアルバイト中のスキマ時間を読書に充てることはできない。今までの華苗であれば、たとえスキマ時間ができても「ぼけ~」っとしてたわけだが、今の華苗は違う。「時給を1100円にする」という明確な目標があるのだ。
華苗は、このスキマ時間に誰もやりたくないけど店長が助かりそうな仕事を先回りしてやった。トイレ掃除から始まり、店長あてに来た電話のメモの整理などを行った。
その結果、店長に呼び出されチーフをさせてもらうことになったのだ。つまり、時給が1100円になったのである。通常ならやる気があってもチーフになるのに2年は要するものだが、華苗は約2か月でチーフの座を手に入れたのである。
一方、各出版社の資料を集め、行きたい出版社を5社に絞った華苗。出版関係の仕事についている真一郎のおかげもあり、ソーシャルメディアを活用して、行きたい出版社の関係者に連絡を取り、何人かと会うことになった。出版関係者に実際に会って話をしていくうちに、自分がなぜ出版社に入りたいのか、わかっているのに伝えられないということが分かってきた。いや、もしかすると分かっていないのかもしれない。とにかく言葉にするのが難しかったのである。文章で書くのは得意だが、口頭で論理立てて話すのが苦手だったのだ。
華苗がそうしたことを続けて、夜遅くまで起きていると早苗が帰ってきた。
そういえばこのごろ早苗の帰りが遅いことが多い。
モデルの仕事が忙しいのだろうか?
しっかり者の早苗のことだから心配いらないだろうが、大学はちゃんと行ってるかな?
体こわさないかな?
自分がまいた種だけに責任を感じた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?