夢をかなえるスマートフォン㊳8時限目の4〜隙間時間の活用

「面接もすぐ控えていることだし、効率的にこれから行動するために一言つけ加えておくよ。自分の目標を達成するためには、自分の全勢力を目標に結集させないといけないんだ。ちょうど軍隊の勢力を一か所に集結させるみたいにね。すべての時間を目標に集中させること、それがベストだ。」
「私だったら~、スキマ時間もスマートフォンを使って目標に集中するということですか?」
「そうそう」
それと一番効果的な人脈を目標に集中させてみようか。君の人脈には、私や頭のいい妹さんがいるね。目標を達成するのに私や君の頭のいい妹さんをどのように活用するかを考えるんだ。頭のいい妹がいることを利用しないことはかなりの損だよ。
今まで何でもかんでも妹さんに頼っていた部分があったよね?そういう頼り方ではなくて、もっと妹さんが自分を引き上げてくれるような頼り方をしよう。いい活用方法が浮かんだらスマートフォンに書くんだ。
それだけ妹さんには価値があるということなんだよ。
「すぐにやってみて」
「早苗に何でもかんでも頼ってたからな、考えたことなかったかも、そんなこと。どういう風に早苗に頼るか」

「具体的にこれからどう妹さんを活かすのかは、君が気づき実行していくことだね。他の資源についても同様だ。
君の能力については、文章を書くことが好き、笑顔が可愛い、整理する能力が高い、聞き上手、好奇心旺盛、女子大生であるという資源がある。
それらを目標に向けて最大限集中させるための方法を考えてみよう。」
「はい、ちょっと考えてみます。スマートフォンを使いながら。」
手帳と違って誰にも見られることがないので、思いっきり書き込めるし。
乱筆な私でも後から読み返しても理解できる。スマートフォンの良さが段々わかってきた。
「それと時間」
時間という資源に関しては、面接の時期が差し迫っていることだし、具体的にアドバイスをすることにしようか。自分は今どういう時間の使い方をしているかをチェックしてほしいな。
そうすると必ずどこかしら無駄な時間の使い方をしてしまっているところがあるはずだ。その無駄な時間を目標達成のために使う時間にする方法を考えてみよう。
たとえば、電車の移動時間を、出版社のホームページやブログを読む時間にするとかね。
いくらだって、時間の使い方は工夫できるんだ。
時間は有限だけど、時間の使い方は無限にあるからね。細切れの時間を使うにはスマートフォンが適しているんだよ。スキマ時間の活用だね。
「それを集めるとかなりの時間になる」
「分かりました。やってきます。え~っと宿題は、スマートフォンの更新とスキマ時間をいかに使うか考えてくること、でいいですか?」
「そうだね。別に報告はしなくていいからね、大事なのは実践してくることだから。」
「はい。今日もありがとうございました!」

 華苗は帰宅後すぐに、スマートフォンの待ち受け更新とスマートフォン目覚ましの更新の作業に入った。去年の初夏に目標設定したころと比べると、まわりの世界が変わりすぎていてビックリ。それだけ成長して、前に進んだということかな。
 与志宮のアドバイスに沿って軌道修正していくと、やっぱり話し方の勉強はした方がよさそう。まずは本を買って読むことにしてみた。
あとは、早苗をどう頼るかだけど、そういえば英文科の早苗は北大のプレゼン大会で優勝したりとかしてたのを思い出した。
自分の資源ばっかりで、他人がどうとか忘れてた。
面白いもんだなー。ということで、話し方のコツを早苗にちょっと教えてもらおう。
 早苗は今まで聞かれたことのないような類の質問に一瞬戸惑ったが、早苗がプレゼンの時に意識していることを事細かに華苗に教えてくれた。
 本でも話し方の技術を勉強して、早苗と特訓した華苗は徐々に自分の話し方に自信を持つようになり、アルバイト先でも少しづつではあるがチーフとしての役割を全うできるようになってきた。アルバイト先での飲み会にも誘われるようになってきて、後輩の人生相談まで受けるようになった。
もともと聞き上手なので、ものすごく親しくできるようになったのだ。それでも華苗をよく思わない人はいたが、与志宮から非協力的で嫉妬するような人間には嫌われてもいいと言われていたので気にしないようにした。
気にしないでいたら、翌月にはもうその人はアルバイトをやめていたなんてこともあった。こんな具合に華苗のアルバイト先の人間関係は大幅に改善し、初夏に立てた目標のうち、就職と恋愛の目標以外はすべて達成したのである。
 当面残すところは、南青山出版に入社するという目標のみ!華苗の運命は?

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