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エッセイ#061 - けしからん万引き

夕方のニュースでたまに冷凍餃子の無人販売を万引きする人の特集をしているけど、あれを見てみんなけしからんと思っているのだろうか。私はそりゃそうだろと思ってしまうのだけど。
1パック千円もするような冷凍餃子は、無人で売るなら自動販売機みたいにお金を入れたら出てくる方式にするべきだと思う。そういうコストを掛けずに無人販売するなら、万引きのリスクを容認するべきだと思うのだ。別に私は万引きをした事なんてないし、他人も万引きするべきではないと思っている。でも世間には一定数そういう事をする人がいて、だから商売するならリクス管理しなければいけないはずだ。

例えば宝飾品を売るなら店頭に無造作にずらずらと並べたりせず、ガラスケースに入れて厳重に管理する。家電量販店では、小さくて高額な商品は万引き対策で空箱をレジに持って行って支払い後に現物を受け取る。店頭販売のAmazonやiTunesのギフトカードは、レジを通さないと有効化されない。そういう風に、犯罪を犯されにくいよう対策されているものだ。
逆に対策に掛かるコストよりも見込まれる損失が少ない場合は、そのリスクを放っておく場合もあるだろう。セルフサービスのコンビニコーヒーはレギュラーサイズの値段しか払わずラージサイズのボタンを押す人がいるであろうリスクがあるけど、監視のコストの方が大きいからそのリスクを放置している。まぁ、私はコーヒーを飲まないから詳しくないので、マシン側で自動的にカップを識別できるようにすればいいのにと思ってしまうが。

あくまで個人的な感覚だけど、千円もするものは無人販売ではなく、簡単に盗めないようにコストを掛けるべきだと思う。対策を講じずに万引きにあって騒ぐのは、ちょっと違う気がしてしまう。もちろん万引きをする人が一番悪い。でも、何年も経理担当を変えずに巨額の横領をされたら会社が被害者なのに非難されるように、子どもが高額な課金をしたら親の管理を問われるように、やられる方にも問題がある気がしてしまう。

でも、おじいちゃんやおばあちゃんが一生懸命作った野菜の無人販売で、ほんの数百円の代金を払わずに野菜を持ち去る奴には激しい怒りを感じてしまう。それはリスクとか経済とかの話ではなく、感情の問題だから。そう考えると、冷凍餃子の無人販売も同情の余地があったらきっと万引きする輩をけしからんと思えるのだろう。

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