見出し画像

エッセイ#068 - ゴールデンウィークを横目に

世間はゴールデンウィークだけど、特に予定もなくいつも通り過ごしている。むしろどこも混雑しているだろうから、より一層外に出ないように気をつけているくらいだ。そういう世間のイベントみたいなのに乗らない事を全く寂しく感じなくなったし、だからと言って絶対に乗りたくない訳でもない。

イベントの仲間はずれになる事を極端に嫌う人って、たぶん一定数いる。クリスマスに彼氏彼女がいないと生きていられなくなるような、ハロウィンにはみんなで集まって仮装するのが当たり前みたいな、友だちの結婚式に呼ばれたいタイプの人たちだ。それとは逆に、そういうイベントで馬鹿騒ぎする人たちを極端に嫌って自分だけはああなりたくないと願う人も、たぶん一定数いる。バレンタインにチョコを送るのは日本企業の戦略に乗せられているだけとか、キリスト教徒でもないのにクリスマスを祝う必要ないとか、親戚の集まりとかを嫌うタイプだ。

私は後者だった。別にリア充爆発しろと思うほど憎かった事はないけど、若い頃は理解できない人種だなとは思っていた。たぶん、私の若い頃はまだイベント好きの方が多かった。だからイベント嫌いには、マイノリティーである事のプライドみたいなものがあった。でも今は、たぶん後者の方が多い。それなのに相変わらず世間に流されない自分というプライドは残っている。だから対立しているのだと思う。世界は対立だらけた。

大人になってみると、そういうこだわりがなくなる。周りに流される人をダサいと思っていたけど、それが生存戦略として優秀な事も多いとわかる。趣味嗜好はそれぞれで、自分が嫌いなものを他人が大好きな事もあるとわかる。多くの人が楽しむものには、それだけの理由が見いだせる事も多いとわかる。そのうち楽しそうなイベントだけ楽しめるようになる。自分の興味のないイベントは敵視しないで、全く関係ない別の事をしている。

若い頃って、自分では色々わかってるつもりだったのに、視野が狭くて考えが凝り固まっていたなぁと思う。年をとると考えが凝り固まるとよく言われるけど、個人的には若い頃の方が圧倒的に頭が固かったと感じている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?