見出し画像

京都【佳肴岡もと ; 緒方】

昨年11月に京都で訪れた和食のお店を2軒掲載したいと思います。

佳肴(かこう)岡もと

まず、お友達にお連れいただいた『佳肴岡もと』さん。 ご主人の岡本氏は『京都吉兆』などで修行された、確かな腕の持ち主です。 2013年のオープン当初からずっと、ミシュランの一つ星を獲得しています。 

¥13,500(税・サービス料込)という、大層リーズナブルな価格でいただけるおまかせのコース。 このコースのみで、夜だけの営業になります。 

◆Ohmine 3grain / 純米酒 / 大嶺酒造(山口)   

画像11

岡もとさんでは、常時60種類ほどの日本酒をご用意下さっているのが、また嬉しいところ。 グラスでいただけます。 これ、すごくおいしかった! 純米酒とは思えず、吟醸かと思いました。 すっきりと、甘いです。

◇柚子窯

写真は省略させていただきましたが、温かいもので、鱈の白子が溶けた出汁がベースになっています。 中にはいくら、湯葉、雲丹、胡桃が入っており、オリジナリティがあって食べたことのない食感で、おいしかったです。 いくらに、白子の出汁が負けておらず、調和していて、深く炒った胡桃がまたすごく合う。 雲丹は北海道産でした。

◇セイコガニ

画像1

11月6日に解禁となるセイコガニ(ズワイガニの雌)です♡ 雄の松葉ガニは翌年3月まで採れるのですが、セイコガニは12月いっぱいまでの限定です。 ほぐした身と内子を成形し、上には外子の雲丹和え。 ギッチリしたクラブケーキのような感じで、本当においしくて。 外子の雲丹和えがまた、風味を増します。 量がしっかりあり、楽しめました。 

◆poco stretto 19 純米吟醸 / 尾澤酒造場(長野)

こちらは小さなグラスでいただきました。 尾澤酒造場は、総勢3人で酒造りをしている小さな蔵。 上のOhmineを少ししっかりさせた感じでした。   

◇煮物椀

画像2

帆立真薯の中に糸海苔が入っています。 真薯は大きくて食べ応えがあり、海苔の香りも楽しめ、帆立の塊が入っているところも良かった。 落ち着いた出汁も美味でした。 大根は加賀野菜の源助だいこん。

◇造り

画像3

特に素晴らしかった一品。 明石産のカワハギは、骨付きで寝かせています。 炙ってあるところがまたおもしろい。 上には肝ポン酢。 言うことなしのおいしさで、お酒が進んでしまいます。

◇八寸 

八寸は以下のようなものが少しずつ順に出てきました。 

 ~鰯の辛煮~

画像4

普通の辛煮とヴィジュアルが違うのは、かつお節をまぶしてあるから。 初めにお酢だけで炊き、もう一度醤油で炊く基本の作り方ですが、やはり独自性のあるおもしろい仕上がりです。 酸味がほど良く、おいしい。

 ~芽ひじき~

よくあるひじきの煮つけのような感じなのですが、素材が大きく立派で、ほのかな梅の風味があり、やはり家庭料理とは一味違うお料理屋さんの味。 伊勢産のひじきは自家製の梅干と一緒に炊いたそうで、こういうおばんざい風の品はほっこりしますね。 熱々で供されました。

 ~銀杏~

岐阜の藤九郎ぎんなんです。 大粒で、上にはおろしたてのカラスミ~♡

 ~原木椎茸~

画像5

大分産の原木椎茸は、焼くだけで美味~。 炭火での焼き方も良く、いい香り。 菊菜にはとんぶりが和えてあり、酸味がほど良く、椎茸と合います。

◇マナガツオ

画像6

マナガツオは大好きなお魚です。 少し寝かせてシンプルに炭焼きしたそう。 下に敷いてある小蕪のすり流し+スダチも、大変おいしかった。

◇海老芋

写真は割愛させていただきましたが、ふんわりと炊き上げてあり、中国の白玉キクラゲが添えられ、上には紫蘇の実があしらわれていました。

◆羽根屋 富の香 純米吟醸 生原酒 / 富美菊酒造(富山)

最後のお酒は、大好きな羽根屋さんにしました。 やっぱりおいしい。

◇鯖すし

画像7

岡もとの名物料理で、やはりオリジナリティ大。 左が壬生菜の浅漬け入り、右は実山椒入り。 おいしい~! 大人味で山葵も少しきいているし、鯖も美味。 このお店の魚は、素材が良いです。 今度はもっと食べたい。

◇フカヒレ麺

画像8

地鶏でとった和風のコンソメが素晴らしい。 それに、フカヒレが具なんて贅沢です。 フカヒレは気仙沼産、麺はお米でできたもの。

◇柿と和栗

画像9

愛媛産の和栗には、和三盆とブランデーを足していて、甘さ控えめ。 栗がおいしいこと! フォークは冷やしてありました。

◇紫芋の饅頭

画像10

お饅頭の皮に紫芋が使われており、加熱すると青くなるんですね。 中には鳴門金時が入っています。 丸くふくらんだ蒸し立て、幸せ~。

佳肴岡もとさんは、全てのお料理にオリジナリティがあり、「ここでしか食べられない」感がよく出ています。 お酒も、「いかにも」なものではなく、しかもおいしいものが出てきて、代金はグラス1杯¥500ほどでした。 日本酒がお好きな方には、特におススメします。

さすが京都、こういうお店が探せばまだまだたくさんありますね。 お料理の完成度を鑑みると、信じられないようなお得な値段でした。 ここは来店価値大で、またぜひ来たいな。 この日は女性3人での会でしたが、隣にいらしていた東京からのお2人ともお友達になり、楽しいお食事会となりました。 Yちゃん、Nさん、ありがとうございました。 

緒方

次は、もう割と長いこと定期的に訪問している『緒方』さんです。 申すまでもないかもしれませんが、日本を代表する和食店のひとつだと思います。 最近の食べログでは『飯田』さん、新鋭の『道人』さんと、この『緒方』が京都の1位を競って(?)います(ちなみに、私がこよなく愛し、最もおじゃまさせていただいているお店は、写真が撮れないこともあり、現在4位です)。 また、緒方はミシュランではずっと二つ星を獲得しています。   

緒方さんについては、この蟹の時期についてだけでも過去何度も書いておりますが、noteには未掲載なので、また書いてしまいます。 最近は日本海側にも蟹をおいしくいただける洗練されたお店が増えましたが、それでも「蟹を食べるなら緒方が日本一」とおっしゃる方がいるほど、蟹には定評があります。 何と言っても間人蟹を使っていますからね。 

今回は、いつもお世話になっている東京の日本料理屋さんの方々も交えて、4人で賑やかにカウンターで。 楽しかったです。 

◆鄙願  大吟醸 / 大洋酒造(新潟)

緒方さんできれいめのお酒をお願いすると、いつもこれが出てくるんです。 これじゃなくてもいいんだけれどなあ。 他のも飲んでみたいなあ。    

◇紅葉狩り

画像12

もみじ鯛(この時期に採れる明石の鯛)です。 たくさんの美しい紅葉は、最初鯛のお皿の上に盛られていました。 素敵な演出ですね。 スダチをたっぷり絞っていただきます。 明石の鯛はモチモチしておいしいですね。 量もこれくらいしっかりあると楽しめます。 

◇蕪

画像13

正に緒方さんらしい、直球(丸いという意味じゃないですよ 笑)のお料理。 パーッと香る出汁に、甘くて柔らかい蕪。 素晴らしかったです。 蕪は、食べやすいように横に切れ目が入り、2等分されています。  

◇コッペ

画像14

コッペはズワイガニの雌。 上の岡もとさんで出たセイコガニと、同じ(ような)ものです。 手前にある緑色のものは、青もずく。 写真外ですが、猪口に外子が入ったものも出ました。 11~12月限定のコッペ、嬉しい。

◇岩手県宮古産の雲子

画像15

これも緒方さんで昔からよく出るお料理。 雲子に合わせてしっかりさせた味のポン酢がつきます。 生の雲子は自分は少々食べづらいのですが、これはクリーミーでおいしかった。 ただ、2年前に食べた、焼いた雲子に甘いタレをかけた、あの絶品がまた食べたいなあ・・。

◇間人蟹の胴 炭火焼

写真は省略しましたが、ここから間人蟹尽くしが始まります。 間人蟹を採れる船は5隻のみですが、今回は海運丸さんの蟹でした。 胴は甘い~。 一生懸命食べると、食べるところ、こんなにあるんだなあ、と実感。

◇間人蟹の脚

画像16

相変わらず、焼き方が絶妙です。 プルンとしているんですよね。 そして甘~い! 間人蟹は、やっぱりおいしいです。 脚はさらにもう1本きました。 写真はその2本目のものです(1本目はスダチなし)。

◇間人蟹の爪 爪酒

写真は割愛させていただきました。 爪は、脚よりしっかりした身ですが、間人蟹独特のプリッとしたボリューム感があり、食感を楽しめます。 定番のヒレ酒ならぬ「爪酒」は、香ばしく焼いた蟹の爪が入ったお酒。 そもそもおいしいお酒で作っているし、経時でどんどんおいしくなっていきます。

◇間人蟹の甲羅焼き 間人蟹の脚

甲羅焼きは、このnoteのトップに写真があります。 これを1人1つずついただきます。 禁断の(?)食いしん坊メニュー。 生の蟹味噌に、アルコールを飛ばしたお酒、田舎味噌、少量の醤油、微量の唐辛子などを混ぜ、焼いたものです。 さらに、私は3本目の脚の一部もここへ投入しました。 最後には甲羅にお酒を入れて下さり、最高に蟹を味わい尽くせます。

◆川亀 / 川亀酒造(愛媛)

どの種類か分からないのですが、川亀を少しだけお猪口でいただきました。 鄙願と似た感じでした。 緒方さんではこういうお味の日本酒が多い。 

◇富田林の海老芋

画像17

産地から調理、お皿まで、昔から変わらぬ一皿。 ほんのり甘く、柔らかい。 素晴らしいとしか言いようがないです。 

ここから〆に入っていきます。 〆は3種類から好きなものをオーダーする方式です。 結果的には、いつも通り3種類いただいてしまいました。

◇鯖すし

本来は1人1切れずつですが、2つ食べたかったので、お願いして2ついただいてしまいました。 海苔で巻いてあるところに独自性があります。 レアでシンプルに薄味な鯖、赤酢を使った酢飯は酸っぱすぎず、海苔が合います。

◇迷いカツオの漬け丼

画像18

少し卵黄を和えてあり、それがまた良かった。 迷いカツオは、脂がのっていてまろやかな旨味があり、ご飯に合う~。 写真外ですが、蕪のお漬物が柔らかい。 いつも出る、キクラゲの佃煮も好きです。

◇蕎麦  

私は〆は上記の2つで終わらせようと思っていたのですが、緒方さんが「食べるでしょう~」と言って、お蕎麦も持ってきてくれました♪ この日は鴨蕎麦ではなくてシンプルな冷たいお蕎麦でしたが、嬉しかったです。

◇銀杏

画像19

これも大好きな、緒方さんらしい品。 モッチモチで銀杏の風味そのまま。

最高の和食店のひとつで、皆で素晴らしい時を過ごしました。 緒方は遊び心も見せながら、大変きちんとした京料理でもあります。 毎回必ずハッとさせられる部分もあります。 そして接客も気持ちが良いです。  

お値段は、相変わらず1年に¥5,000くらいずつ上がっております~。 緒方さんのお会計はたいていキレの良い数字になるのですが、今回、4人でお酒込で¥250,000でした。 1人あたり¥62,500かあ・・(蟹の時は、通常時より1.4倍くらいの価格になりますので、普段はここまではしないです)。 

2年前、2018年の12月に蟹をいただいた時は¥49,450だったのです(しかも、その時の方がクオリティが良かったような・・。 蟹はその時採れたもの勝負なところもあるので、それは運かしら)。 値上げが続く中、いつまで通えるかなあ・・(笑)。 私のお財布がもてば、また緒方さんで蟹をいただきたいです。 もちろん、蟹以外のシーズンにも、また伺います。

食べログはコチラです ↓



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?